プロレス的発想の転換のすすめ(71) 昭和と現代の雰囲気・後編
無差別級の闘い
今回は昭和のプロレスと現代のプロレスとの会場の雰囲気の違いについて二回ほどお話しします。
前編では初めて生でみた試合の話や会場の雰囲気をお話ししてみました。
後編は、はじめて観戦した無差別級の闘いのお話です。
体重差が50キロは普通
入場曲もそうですが、実はこの時代ならではのマッチメークがもうひとつありました。
それは無差別級の闘いが多かったことです。
今ではジュニアヘビー級はジュニア同士、ヘビー級はヘビー級同士の試合が主に組まれますが、30年前当時だと、体重差が50キロくらいのマッチメイクは普通でした。
プロレスに計量を持ち込んだUWF
ちなみに階級別が明確になっていったのは、第一次UWFが倒産し、新日本にUターンしてからのことと記憶しています。
プロレスに計量という概念(それでもボクシングなどと比べたら、今考えてもかなり大雑把な測り方でした)を持ち込んだのもUWFです。
いろいろ工夫もしていた
それまでは、小さい選手はいかにして大型の選手と闘うか、いろいろ工夫もしていました。
確かに階級が同じもの同士だと、ジュニアならハイスピードな試合もできちゃうんですけど、プロレスってそれだけではないですからね。
頭を使った試合
でかい選手はいかにして相手の技を受けて、最後にどうフィニッシュにもっていくかで、これもまた頭を使った試合をしていたわけです。
街のケンカではないので、相手にけがをさせては意味がありません。
お互いにメリットがあった
ですから、大型の選手は小型の選手と闘うことで、小型の選手は大型の選手と闘うことでお互いにメリットがあったわけです。
ジュニアの選手はより打たれ強い身体を作り、ヘビーの選手は小回りの利く相手に対しての順応力を身に付けることでプロレスのバリエーションを増やしていくことができたのです。
昔ほど体格差を感じない
今は相対的に選手が小型化してますが、もともとは無差別な階級の人間が覇を競うこともプロレスの醍醐味だったのです。
近年では再び無差別の闘いも増えてきてますが、昔のようなスーパーヘビー級が少なくなってしまったので、昔ほど体格差を感じなくはなりました。
明らかな体格差を攻略していく
スーパーヘビー級同士のぶつかり合いもいいですが、明らかな体格差を攻略していくのもプロレスの魅力のひとつだと私は思っています。
ぜひとも無差別級の闘いはなくならないでほしいものです。