九州プロレス最強九州男児決定トーナメント優勝戦(2012.3.20 日・福岡市・西鉄ホール観衆 423名)
この日はなんと博多で4団体の興業戦争。IGFが福岡国際で、大日とDDTがスターレーンでそして九プロが西鉄ホールで。はっきりいうと迷惑以外の何物でもないんだが、DDT&大日もまさか!ということだったらしいけど、やっぱIGFは・・・・
日程がずれてたら4団体観戦できたのに選択肢は2分の1。これは地方民にとってはありがた迷惑な話である。そりゃ九プロはいつでもみられるかもしれない。しかし最強九州男児決定トーナメント決勝となったら話は別でしょう!
大社長が「偶然とはいえ九プロとバッティングしなくてよかった」といってたけどそれはこっちもおんなじ。
しかし、来たことある方はわかるけどスターレーンのある駅前と、西鉄ホールがある天神には微妙な距離がある。この時間差がW観戦を可能にするかの分かれ目。そういうことでちょっと集中しずらい環境ではあったんだが、でも大会始まっちゃえばとりあえず目先の大会に集中した。
第1試合.シングルマッチ・30分1本勝負
○ディアブロ(8分37秒 体固め)台風×
※悪魔首折弾
九州討伐団には、敵意剥き出しの台風。もともと台風軍団として勢力を拡大しつつあったところを相島に邪魔されて一人になってしまったわけだし、昨日今日の因縁ではない。
おまけになぜかいつもの破れ傘ではなくわざわざ傘を新調してきたところにも意気込みが見えた。ところがディアブロはこの傘をバキッと折ってしまった!怒り心頭の台風はすっかり味をしめた場外戦を仕掛けるも、ここではディアブロの牙城は崩せない。むしろ相手のペースにのまれてしまい、前半ではいいところがでない。
5分すぎてようやくペースを掴もうと台風クレイドルからヒップアタックの波状攻撃でなんとか一矢報いようとする台風。しかしやぱりというかディアブロの牙城は固く、雪崩式ブレーンバスターから悪魔首折弾で万事休す。一度はディアブロのとどめのディアブロドライバーを意地で返して一瞬の台風クラッチで反撃したがここまで。最後は再度の悪魔首折弾に撃沈。
あわれ最後はディアブロのチェーン攻撃によって絞首刑台の刑を受けた台風。しかし、ここで話は終わらなかったのである。
第2試合.最強九州男児トーナメント
準決勝 30分1本勝負
×めんたい☆キッド(14分57秒 裏・博多一本絞め)秀吉○
九州のベルトを大阪に持ち帰り、ベルトの価値を高めると宣言した秀吉はもともと、この九州男児決定トーナメントの言いだしっぺでもある。勿論この王座を大阪に持ち帰れば名実とも天下人が名乗れるのはもちろん、相方の正宗にも差をつけられる。
心は福岡人でも野心は戦国武将のそれである。まさに天下取りを目指す男、秀吉の名に恥じない。加えてたってはパワーで圧倒、寝ては刀狩りを持つ秀吉に対してめんたいがまともに行っても勝ち目はない・・・・
が、なぜか序盤からめんたいは真っ向勝負を挑んでいった。これは九州からの王座流出を阻止したい意地なのか?だがキャリアでも勝る秀吉はめんたいのスピードを封じ、パワーでねじ伏せる。こだわりの刀狩への伏線、強烈な腰殺しをきめて、めんたいの跳躍力を奪っていく。実に利にかなった攻撃である。
めんたいも、大めんたいコールを受け、コーナーtoコーナーのミサイルキック、めんたいスプラッシュを狙うもかわされる。
これは秀吉の読み勝ちというのもあったろう。が、前半の下半身攻めが功を奏していたんだろう。秀吉はめんたいをトス式ラリアットでなぎ倒し、強烈な斬血首。それでもキックアウトしていくめんたいを秀吉は秘技「裏・博多一本絞め」で完全にとらえ、ついに粘るめんたいを下して天下取りに大手をかけた!!
第3試合.最強九州男児トーナメント
準決勝 30分1本勝負
○筑前りょう太(10分26秒 体固め) 相島勇人×
※まっすぐとぶバイ
2010年12月に九州プロレスに乱入して以来、抗争を繰り広げてきた筑前と相島は何回もやってるようで実は初の一騎打ちであった。相島は、ディアブロを帯同して登場。当然介入させる気は満々。
それでも、序盤から試合をぶち壊してはなんにもならない。相島には相島でマスクの兄ちゃん(秀吉)を破って黒影を含めた討伐団でベルトを回しあうという悪の企みがあった。
序盤はクラシカルな展開で、お互いに出方を伺う、慎重な展開。筑前も来るなとは思いつつも、出方を探ってる感じ。
しかし肘に爆弾を抱えてる相島は肉弾戦では不利と見るや、筑前を場外へ落とし、ディアブロを投入。場外でなぶられて消耗した筑前をリングに上げると、リバーススプラッシュから高角度バックドロップで攻め立てたがはカウントギリギリで筑前キックアウト!
さらに、ディアブロがリングへはいろうとしたところへ救出に入ったのは、因縁浅からぬ台風だった!ディアブロの介入を許さず、さらには相島にも台風ヒップアタック。怨念極まりない討伐団を一蹴した台風に大・台風コールがおこった。
この期をみた筑前は強烈なスピンキックからスピアーで逆転を狙う。それでもしつこく介入するディアブロはついにチェーンを持ち出し、悪魔首折弾withチェーン!
が、筑前寸でのところでよけて相島に強烈な誤爆を誘導して討伐団ダウン!チャンスと見た台風は、ディアブロをチェーンで拘束し、その間に筑前がKO状態の相島へまっすぐ飛ぶバイ!を見事に決め、完全3カウントを奪って決勝進出!この勝利で、決勝戦は筑前vs秀吉と決定したのだった。
休憩あけ、スポンサーの社長が特別リングアナをつとめることがつげられる。こういう時は大概つまらなくなるものだが、なんとこの社長、ラジオ番組まで持ってるほどしゃべりは上手く、しかも裏のIGFをパロって猪木物まねも披露。あまりにうまい盛り上げに会場大喝采。実はとてもプロレスをよくしってる人だったのだ。
第4試合.最強九州男児スペシャル6人タッグマッチ・30分1本勝負
○阿蘇山&田中純二&アップルみゆき(13分14秒 片エビ固め)せごどん&旭志織&バンバン・ギラン×※万トーンから
最強九州男児トーナメントにエントリーした九州男児達。といってもアップルは無理やりな感じがしたが、出てきたメンツみてびっくり。
最後に出てきたのは、せごどんではなく白覆面の謎のレスラー。しかし本人は「せごどん」と言い張る。が、マスクの下は佐助魂の黒Tシャツに迷彩パンツ。どうみてもあの男にしか見えないが・・・
さすがにこれはどうなんだと思ったのか産地偽装して出てきたアップル(コールではしっかり奈良県天理市出身ととうとう本当の生まれをばらされてたが^^)はマイクを
もつや「おい!ギラン!お前その体型でサッカー選手?違うだろ?それとそこの兄ちゃん(旭)お前気持ち悪いんだよ!なめくじ!そしてせごどんお前せごどんじゃないだろう?パンフの写真と全然違うし!お前藤田ミノルだろ!」とまさかのドラゴンマイク!!
しかし「せごどん」はあくまでも「ごわす」をむやみに連発して、試合中、何度もマスクをはがされ素顔が見えてるのにわざわざマスクをかぶり直す。そして味方の旭をなめくじ呼ばわり。
つい旭も「藤田さん」と呼んでしまうがせごどんはあくまで「ごわす」を繰り返す。丁寧にマスクを被りなおし「ごわす!」と言いながら試合をかき乱す。旭は「なめくじ!」とアップルに罵られた怒りもあってアップルのウソ泣きにも一切ひるまずえげつないフットスタンプや阿吽でしっかり逆襲。
ギランは得意のドリブルシュート、コーナーからのスーパーイナズマシュートと持ち前を発揮していく。
対する阿蘇山はパートナーのアップルへもはやお約束となりつつあるセクハラ攻撃。
片逆エビにとらえたアップルの股間を凝視。真面目な純二は激怒したが、味方の純二を
阿蘇山はふっとばす有様。なんとか逃げ延びたアップルは当然激怒。ケニーレフェリーからはホイッスル&イエローカード!一気にチームに不穏な空気な漂う。
しかしここで我に返った阿蘇山は、ギランへ豪快なダブルアームスープレクス、パイルドライバー、万トーンと阿蘇山フルコースで、バラエティ豊かなスペシャルマッチを制してなんとか面目は保った。が、せごどんはマスクをかぶり直して「ごわす」といいながら去って行った。あれはいったい誰だったんだろう??
第5試合.メインイベント 最強九州男児トーナメント優勝戦
九州プロレス選手権初代王者
決定戦・60分1本勝負
○筑前りょう太(19分5秒 片エビ固め)秀吉×
※とぶバイ
最強九州男児トーナメント優勝戦は、特別立ち会い人をたてて新設された九州プロレス
選手権初代王者決定戦として行われることに。決勝に上がってきたのは、九州プロレス
理事長、筑前と大阪プロレス、秀吉。
筑前は「九州プロレスを作った人間として、ベルトを巻くのは責任であり、義務」と、
使命感に燃える。対する秀吉は、このトーナメントのきっかけを作った男として、「九州のベルトを、大阪で価値を上げる!」と意気込む。
どっちも待ち望んだ一戦。共にパワーファイターの筑前と秀吉だったが意外にも両者短期決戦で勝負に挑んできた。特に秀吉は嫌らしいくらいの徹底した頭部攻撃でひやっとする場面を何回も作り出す。
リング内外で、意地と意地、力と力をぶつけ合う、ド迫力のチョップ合戦を繰り広げだしたのは中盤以降。それまでは筑前が圧倒されるほど秀吉は容赦なかった。しかし立ちの勝負になっても秀吉は、強烈なアッパー、顔面への容赦ない蹴りで更に追いつめていく。
コーナーに上がった筑前を、ラリアットで場外になぎ倒す力技。そのままリング内に引きづり込むと、ロープに足をかけたまま強烈なDDTを決めて筑前の頭部に決定的ダメージを負わせる。チョップ、ラリアット、グーパンチとなおも筑前をとことんまで追い込んでゆく秀吉はもはや筑前を後輩だとは思ってすらいなかっただろう。
筑前も負けじと、秀吉の顔面へ低空ドロップキック、投げっぱなしジャーマンへと
移行するのだが、どうしてもあと一矢が放てない。そしてコーナーの攻防で、秀吉へ会場中に響き渡るヘッドバッドを一閃。これが会場中に響くくらいの凄い音!!とどめのとぶバイ!へと畳み掛けたがそこは読んでいた秀吉は、強烈な剣山でブロックして形成はたちまち逆転。
秀吉は場外に落ちた筑前に重量級トペを敢行。ペディグリーからの刀狩でフィニッシュ
を狙うも筑前意地のエスケープで逃げ切った。さらに、強烈なチョップ合戦、フランケンからの刀狩もしのぎきった。ラリアット合戦では両者ダウン。
しかし王座に執念を燃やす秀吉は渾身の斬血首!でも決まらない。既に意識朦朧の筑前、秀吉へ本能で「がつんといくバイ」をきめた。これが有効打に!さらにコーナーへ上がり、立ち上がる秀吉へ筑前は強引な「とぶバイ」を敢行!さらに、だめ押しのとぶバイ!を決め、ついに大熱戦を制した。
筑前、見事、最強九州男児の称号、九州プロレス選手権初代王者に輝いたが試合後
の筑前は意識朦朧・・・・
「勝ったばい!腰にベルトがあるっちゅうことは、僕が勝ったんですよね!状況がまったくわかりません。ぼくは会場に来て試合したんですよね」と何度もめんたいにききなおす。
あんまり長いんで時間が押してしまって最後の「九州ば元気にするバイ!」をやった
と同時にダッシュで階下におりた。
もう走らないと次のDDTまで間に合わない。エレベーター待ちしてると阿蘇山選手がでてきてくれて「今からスターレーンですか?」といわれた^^
事前に阿蘇山選手には話しておいたんで我々がかけもちすることは知っていたのだ。 「(筑前)理事長におめでとうとお伝えください」とメッセを託し、握手してそのまま地下鉄に飛び乗った・・・・