プロレスリングゼロワン破壊革命~天下一ジュニアリーグ戦小倉大会
(2004年4月24日・土・北九州小倉北体育館)
http://sekapro.net/2003/06/30/%e3%83%97%e3%83%ad%e3%83%ac%e3%82%b9%e8%a6%b3%e6%88%a6%e8%a8%98%e5%be%a9%e5%88%bb%e7%89%88-%e3%83%97%e3%83%ad%e3%83%ac%e3%82%b9%e3%83%aa%e3%83%b3%e3%82%b0%e3%82%bc%e3%83%ad%e3%83%af%e3%83%b3-2/
イントロダクション
バタバタしていて久々に前売り買い損ねるわ、割券手に入れ損ねるわでどうも最初からつまずき気味。開場2時間前に到着するも、隣接する施設がいずれも催し物をやっていてあふれんばかりの車。当然狭い小倉北にも不法占拠の波が押し寄せていて場内満車の有様。やっ開いたところ見つけて駐車。時間潰して帰ってみたら、私の車とその両隣が鳥の糞攻撃に遭ってべたべた状態。いっぱいある中でなぜここだけが...?
愕然としつつ1000円増しの当日券を買い入場の列へ。同日同県内でのスターレーン.新日本との興業戦争の中、わりとよくきた方か?
第一試合
○阿蘇山 対 ●山笠Z信介(7分25秒 片エビ固め)
と言うことで北九州在住、チームパワーのヘビー級で夢ファク出身の...阿蘇山登場。北九州在住でも阿蘇山。地元?なので人気高い。福岡出身なのに山笠が割り食っていたくらい。山笠は負傷欠場を感じさせないファイトぶり。阿蘇山も普段やっている方のキャラよりのびのびして見えた。
第二試合 天下一ジュニアAブロック
○高岩 竜一 対 ●浪口 修(11分25秒 片エビ固め)
相変わらず前の方の席がガラガラでドーナツ化現象を起こしているゼロワン。最後列に座っていた私の後から現れた関係者と思しきスキンヘッドのオッサンが後の客達に前へ行くように勧めている。でもそれじゃちゃんと金出した人がバカみたい...。関係者にしては見たことない人だなあと思っていたら、実はそれが浪口のお父さん。頭の具合見るとさすがに親子というか...(笑)
試合は高岩が浪口の持ち味を十二分に引き出した上で自分の持ち味も完璧に出して叩きつぶすというこれ以上ない横綱相撲。浪口もラリアットを何発も食らっては跳ね返し、餅つきパワーボムも何度となく回転系、小包み系の固め技で切り返してはあわやの場面を作り出す。地元の判官贔屓でなく純粋に声援を引き出したのは彼の頑張りによる所大。いい試合だった。
第三試合
○ジェイソン・ザ・レジェンド 対 ●明石 鯛我(3分56秒 体固め)
ジェイソンの方は悪い意味での横綱相撲。自分のやりたいことだけやって相手を叩きつぶして終わり。典型的な格闘技系選手がやる悪いパターンのプロレス。叩きつぶしたという印象がない分なお悪い。技も受けないしロープワークもしない。だれはしなかったけどもう少し工夫が必要。
第四試合 天下一ジュニアBブロック
●ゼブラーマン 対 ○レオナルド・スパンキー (3分58秒 エビ固め)
スパンキーは実は初めてみた。ゼブラーマンも初めて(素顔の試合は一度見たけど)。スパンキーはなんかやりずらそうに試合していた。妙に楽しそうなゼブラーマンとは対照的。試合自体はだれたところは少なく、ミスもない。ゼブラーマンの方に空手の技を一通り出し尽くすと手数がなくなってしまったあたり差が出た感じの試合。
第五試合
○田中将斗&黒田哲弘&佐々木義人 対 星川尚浩&●黒毛和牛太&葛西純(12分32秒 片エビ固め)
何となく余った人達が組んで集まったような感じ。もとFMW側はともかく、対戦側は猿と牛と番長(笑)。脈略なさすぎ。ところが試合はやってみないと分からない。当日一番の試合がこれ。 お互い相手の数手先を読み合う高度な展開。かつ相手の技もガンガン受けまくる。途中エクストリーム系の展開も織り交ぜつつ、お互いの持ち味を出し尽す試合の立役者は黒田。
「どーですかーお客さーん」「黒田サイコー」「小倉もサイコー」などとお客との駆け引きで会場をうまい具合にのせていく。対するゼロ側は和牛太が田中の厳しいローリングエルボーの連発を受けても倒れないと言う余り例を見ないねばり強さを発揮。最後こそ力つきたものの、いつもこのくらいやればフリーにならずに済んだのでは?
第六試合 天下一ジュニアAブロック
○ロウキー 対 ●日高 郁人(12分33秒 片エビ固め)
相手の数手先を読み合うという意味では第五試合と同じ。非常に高度な展開に何度もうならされました。しかし観客の反応はいまいち。なぜなら読み過ぎてお互いが相手の技をことごとく潰してしまったから。スイングDDTを相手と自分の体の間にロープを挟んで回転させなくしたロウキーにしても、相手の手数を徹底的に読んでいた日高にしてもそうするつもりはなかったのだろうが、必然的に我慢比べの様相を呈してきた。
自分の技が決まれば勝ちという展開を我慢して我慢して征したのはロウキー。キークラッシャーを何とか決めての辛勝。実際個人的にはあまり評価の高くなかった両選手だったが、ふたりのポテンシャルの高さを改めて感じられた。でも我慢した上で技が決まったときの開放感みたいなものはなかった...攻防は素晴らしかったのに重苦しくなってしまったという、実にプロレスの難しさも感じさせられた試合だった。
第七試合
大谷晋二郎&●崔リョウジ 対 スティーブ・コリノ&○ジャック・ブル(13分38秒 ジャックボトム→片エビ固め)
休憩明けのセミファイナル。
ここまで非常にいいテンポで試合が進み、時間が過ぎるのもあっという間。新日本と大して時間が変わらないのに...。
ファイヤーでおなじみ高木三四郎のテーマがかかると外人組の入場。コーナーでなぜか三四郎のムーブをぱくってみせたコリノ。しかしDDTに関しては知名度が全くない土地なので無反応。
ある程度役者が揃っているのでそれほど悪くもなく、突出もせずと言ったところ。ただ会場の反応は今ひとつ。悪い試合ではなかったのでもう少しノリが良くても良かったか..
第八試合
橋本真也&●テングカイザー 対 ○大森隆男&越中詩郎(10分35秒 エビ固め)
翌日博多ではテングの所に武藤が入るタイトルマッチで明らかな前哨戦。
コンディション的には心配された橋本も動きは悪くなく、タッグ王者組もいい感じ。テングが会場でも「今日は気合い入っている」と言われていたくらい頑張っていましたが、もう一つ盛り上がりきれないまま、あっさり目で終了。
試合後突然ジェイソンが乱入。橋本に突っかかっていくとマイクを取り出してアピール。英語なので今ひとつ分からない。
そこで「3.2.1.ジェイソン!」とやったものの反応いまいち。客席乱入でようやく沸く...そこで橋本がすかさず「3.2.1ゼロワン」とリングでやり返し、こちらは多少反応アリ。再びジェイソンと乱闘...というゼロワンらしいバタバタ感あふれるエンディング。
後記
試合そのものは一部を除いて悪くなく、選手全員気合いも入っていたが、なぜか観客のノリが今ひとつで盛り上がりに欠けた大会だった。
ゼロワンに関しては個人的には余り評価高くなかったが、今まで見た中ではかなりまともな方だっただけに惜しまれる。
何か歯車が狂っているときと言うのはこんな感じなのか?客だけノって試合がしょぼいというのも困るけど...プロレスの難しさを痛感させられた次第。