[プロレス用語辞典](ナ行) nWo(ニュー・ワールド・オーダー)
レスラーのユニット
今回のプロレス用語辞典は、nWo(ニュー・ワールド・オーダー)です。
ニュー・ワールド・オーダー(New World Order)は、かつてアメリカ合衆国のプロレス団体「WCW」と「WWF」、日本のプロレス団体「新日本プロレス」に登場したプロレスラーのユニット名です。
社会現象に
略称はnWo(エヌ・ダブリュー・オー)で、アメリカでは「nWo Tシャツ」を着た人が街中に溢れ、社会現象にまでなりました。
オリジナルnWoは、1996年にWCWで発足します。
数々の暴挙
結成当初のオリジナル・メンバーはハルク・ホーガン、スコット・ホール、ケビン・ナッシュの三選手でした。
メンバーの係わる試合には必ず乱入し、倒した相手の背中に黒のスプレーで「nWo」と書くなど数々の暴挙を行います。
斬新なコンセプト
1996年8月10日にはホーガン選手がザ・ジャイアント選手を下してWCW王座を強奪、ベルトにもスプレーでnWoの文字を書いています。
眼を付けた選手に対してはメンバーTシャツを渡して勧誘し、その他数々の斬新なコンセプトでヒールでありながら非常に高い人気を誇りました。
倒産寸前まで
nWoブームにより当時WCWとWWFで繰り広げられていたマンデー・ナイト・ウォーズでWWFを圧倒します。
一時はWWFを倒産寸前にまで追い込んでいきます。
分裂→消滅
1998年には、nWoウルフパック(nWo Wolfpac)という赤と黒を基調にしたnWoが分裂誕生します。
残ったメンバーはホーガン選手を中心としたnWoハリウッド(nWo Hollywood)となり、新規メンバーも加入しましたが、この頃からWCWのストーリーのマンネリ化と、WWFのアティテュード路線などにより徐々にマンデー・ナイト・ウォーズにおいて劣勢になり、やがてWCWは崩壊します。
殿堂入り
nWoは、2002年にはWWFに、2010年にはTNAで復活します。
2019年12月、ハルク・ホーガン、スコット・ホール、ケビン・ナッシュ、X-パックというメンバーで2020年度のWWE殿堂入りが決定しました。
日本では
1990年代当時WCWと業務提携関係にあった新日本プロレスにおいて、蝶野正洋・天山広吉・ヒロ斉藤三選手による狼群団が母体となって「nWoジャパン」を結成し、後に武藤敬司選手も参加して一大ムーブメントを巻き起こしました。
蝶野選手と武藤(ムタ)選手はWCWの大会にも参戦しており、WCW側からの選手派遣も行われていました
ユニットのテーマ曲
その後、WCWと新日本プロレスの業務提携解消に伴い前年にnWoを脱退した蝶野選手によって結成された「TEAM 2000」に吸収されています。
アメリカのオリジナルnWoには「ROCKHOUSE」というテーマ曲があります。
nWoの功績
しかし版権の関係からか、日本では使用されず、「nWoジャパンのテーマ」は事実上、蝶野選手の「クラッシュ~戦慄」とイコールになっている感じがします。
なお、アメリカと同様、日本でもロゴをあしらったTシャツは、デザインのよさとTシャツを渡してメンバーを勧誘する儀式から、プロレス界を超えた人気を呼び、90年代後半頃ファッションとしても流行しました。
それまで街中では着られなかったプロレスTシャツが、晴れて市民権を得たのもnWoの功績といっていいでしょう。