プロレス的音楽徒然草 Eclipse(エクリプス)-田上明のテーマ-
1990年リリース
今回は田上明選手の入場テーマ曲として知られている「Eclipse(エクリプス)」のご紹介です。
Eclipse(エクリプス)は、スウェーデンのロックギタリスト、イングヴェイ・マルムスティーンさんが1990年にリリースしたアルバムおよび楽曲です。
川田選手が好きな曲
アルバムとしては通算五作目で、アルバムEclipse(エクリプス)の11曲目に収録されています。
Eclipse(エクリプス)は、全日本時代のタッグパートナーだった川田利明選手が好きな曲であり、川田選手の勧めで田上選手が採用したという経緯があります。
鶴田さんと組んで
田上選手は、SWSによる全日本プロレスの大量離脱後、パートナー難に悩んでいたジャンボ鶴田さんからの要望で、当時所属していた超世代軍を離脱し、鶴田さんとタッグを組んで超世代軍との抗争を展開しました。
経験を積むうちにレスラーとして成長し、1992年3月4日には鶴田さんとのコンビで世界タッグ王座を獲得、トップレスラーの一人となりました。
聖鬼軍として
鶴田さんが肝炎で第一線を退いた後は、超世代軍を離脱した川田選手とコンビを結成します。
川田選手とのコンビは「聖鬼軍」を名乗り、トップ戦線で活躍しました。全日本では世界タッグ王座史上最多となる6度の載冠を果たしています。
驚異的な速弾き
Eclipse(エクリプス)を演奏しているイングヴェイ・マルムスティーンさんは、ロック・ギターにクラシック音楽の要素を盛り込み、驚異的な速弾きでギター奏法に大革命をもたらしたギタリストとして知られ、日本では「王者」と呼ばれています。
1983年、ロサンゼルスのメタルバンド「スティーラー」に加入。同年これを脱退し、グラハム・ボネット率いる「アルカトラス(Alcatrazz)」に加入し名声を得ます。
器用なギタリスト
1984年、自らのバンド「ライジング・フォース」を結成しますが、1989年の解散以降は自身の名で活動をしていきます。
驚異的な速弾きばかりが強調されがちですが、頻繁に交代するヴォーカリストに合わせて作曲の傾向を変えたり、即興的なフレーズにも冴えを見せる器用なギタリストとしても知られています。
「蝕」を意味する英語
なおEclipse(エクリプス)は、「日食」や「月食」など天文現象における「蝕」を意味する英語です。
ギリシア語で「姿を消す」「力を失う」ことを意味する εκλειπσιs (ékleipsis) からきており、ラテン語を経て英語へ取り込まれたそうです。
オリジナルより
田上選手のEclipse(エクリプス)は、厳密にいうとアルバム9曲目の「フォールト・ライン」(Faultline)」とEclipseが合体した曲が採用されています。
後年ノアではDDT(「王者の魂」を演奏したバンド)が演奏カバーしたEclipse、Concerto Moonが演奏カバーしたEclipseが利用されていますが、オリジナルより演奏が若干遅めになっています。
ワールドプロレスリングでも
さて、オリジナル「Eclipse(エクリプス)」は、ワールドプロレスリングのBGMとして使用されたこともあります。
辻よしなりアナのナレーションによるBGMとして使用された音源を、友人から譲ってもらった時は、すでにEclipse(エクリプス)=田上明のイメージがついていたので、結構違和感を感じたのを覚えています。