プロレス的発想の転換のすすめ(17) 我慢比べとプロレス
<http://sekapro.net/2016/04/24/%e3%83%97%e3%83%ad%e3%83%ac%e3%82%b9%e3%83%96%e3%83%ad%e3%82%b0-%e3%83%97%e3%83%ad%e3%83%ac%e3%82%b9%e7%9a%84%e7%99%ba%e6%83%b3%e3%81%ae%e8%bb%a2%e6%8f%9b%e3%81%ae%e3%81%99%e3%81%99%e3%82%8116/
プロレスの表現として必要
今回は耐えることをテーマにしてお話しします。
耐えるというのは、楽を目指す方向性とは真逆ですが、プロレスの表現としては必要な要素です。
ましてや日本人のハートには耐え忍ぶという姿は世代を問わずどストライクで飛び込んできます。
客受けがいい
ですから、いわゆる「客受け」がいいわけですね。
そのために選手は相手の技を真正面から受け止めて、時にはそれを跳ね返していくほどの強靭な肉体を、普段の厳しいトレーニングで構築していっているのです。
肉体と肉体がぶつかり合う
もちろんプロレスでもよけることはありますが、それはあくまでレアケースであり、多くの場合は肉体と肉体がぶつかり合う展開になっていきます。
それによって受ける衝撃は、常人なら下手すれば死んでしまいかねないほどです。
プロレスは我慢比べではない
しかしここで注意しなければならないことがあります。
それは「プロレスは我慢比べではない」ということです。
耐えることも我慢比べも確かにプロレスの中にはありますが、それが全てか?というと違いますよね。
受けるだけでは
プロレスは基本受けることという暗黙の了解はありますが、ずっとレスラーが我慢だけしていては、お客さんも飽きてしまいます。
実は耐え忍ぶスタイルの選手も試合の全てで、のべつまくなしに耐え忍んでいるわけではありません。
休んでいる場面は
それだけだと、心身に深刻なダメージを残しかねませんし、逆転する際のエネルギーも溜まりません。
実は耐え忍ぶ場面が最も印象に残り、休んでいる場面は気付かれにくいよう、選手も工夫しています。
チョップ合戦の是非
2005年の小橋対健介のチョップ合戦が話題になり、一時期は、いや、今もチョップ合戦というのはプロレスでは一定数見られます。
しかし、これだけやってるとどうしても試合が平坦になってしまいます。
お客さんとしてはさすがに何度も何度もこうしたシーンばかりだと飽きが来てしまうわけです。
リクエストに応えるだけ?
ザ・グレートカブキさんにお会いできた際、「お客さんに乗せられて技を出すだけではプロとは呼べない」と言っておられたのが非常に印象に残っています。
確かにお客さんのリクエストに応えるのはプロとしてあるべき姿の一つです。
耐える姿をより印象的に
しかし、なんでもかんでもお客の思う通りに動いているだけでは、リモコンで操られているおもちゃと変わりありません。
そこはお客さんにも相手にも気付かれないよう、休みながら耐え忍べる時は耐えることで、耐える姿をより印象深くみせているわけです。
逆転の機会をモノにするには
これは日時生活でも応用がききます。
のべつまくなしに耐え忍ぶのではなく、休める時は休み、来るべき時に備え、力を蓄えてないと、逆転の機会もモノにできませんからね。
常に全力でなくていい
常に全力というのは格好はいいですけど、自分には決してやさしいわけではありません。
頑張りすぎる人には適当に休むことも必要なわけです。
そこのところを頑張りすぎの傾向があるあなたには、特に注意しておいてもらいたいな、と私は思っています。