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怒り、苦しみ、破壊し、創造する!世界プロレス式コミュニケーションガイド研究所所長の体験談ブログ(46) くたばれ!まちおこしその⑥

2016/10/28

断言します。まちおこしは儲かりません。仮に利益が出たらその時点で人心は離れていきます。そうなると理念もへったくれもありません。赤字覚悟で手出しする自己犠牲のもとに成り立つブラックな運動体、それがまちおこしです。では関わるメリットは何なのか?それはイベント素人がイベントの仕切りを覚えることにつきます。下手すれば大赤字をかぶる覚悟がないとやっていけません。ですから別に自分が生活の成り立つ基盤がないなら関わるべきではないのです。

そして手出しした時点で、なんとか人間はそれを回収しようとします。当然です。赤字垂れ流してでもまちのために何肌も脱ぎ続ける酔狂な人はそう多くはないですからね。じゃあ私はなぜ町おこしに関わっていたのか?そこから得たものは何だったのか?を今回はお話します。

正直にいうとカウンセリングで飯を食っていくのは手詰まりでした。法律的にも医療行為にみなされる可能性がある以上、このスキルを何かの形に変換する必要があったのです。で、あるならばなるべく心理学からは遠い方がいいということで、白羽の矢をたてたのがまちおこしだったわけです。選んだ理由は直感でしたが、これがずばっと当たったのです。実は我々が知らないところで心理学は幅広く応用されていて、まちおこしや起業、または経営戦略の分野まで心理学の、特に無意識のメッセージを資源として活用する方法が様々な形で試みられていました。これは百万の味方を得たに等しかったですね。とにかくせっかく高いお金を出して習得したスキルが何の役にも立てないというのでは宝の持ち腐れでしたから、まちおこしは非常に魅力があったわけです。

しかし、ここで距離感を誤ると自分が赤字を抱え込むことになります。また仮に利益が発生すると今度は納税という問題も発生してきます。とにかくお金はあってもなくても困ります。そのことはまちおこしに関わって嫌というほど思い知らされました。一番いいのはイベントごとに集まっては解散を繰り返す泡末な緩い集合体であったらよかったのですが、なまじ継続にこだわると、人間関係でもいろいろごたごたしてきます。そうすると個人で気づいて改善していけるレベルを超えてしまうので、いざこざが始まると心理カウンセラーの出番ってないに等しかったわけです。仲裁は正直管轄外だし、他人を変える行為にもなってくるので、法的には問題なくてもカウンセラーの倫理的にアウトになったんですね。しいてこの問題の解決ができるのはファシリテーターになるかと思います。

でもここで思い出したのはファシリの技術にしろ、カウンセリングの技術にしろ自分が楽になるために身に付けたものであって、他人の問題解決には能動的に使いたいとは思っていなかったことでした。だから自分が楽になるためには争いや分裂が始まった場所からは潔く身を引くことを常に心の中には意識していました。あまり集団に対しての帰属意識や、愛着が強くなりすぎて自己犠牲を強いた20年がなかったら、私もあまたあるまちおこしのリーダーたちと同じ失敗ししていたことでしょう。ですが。そうしなかった、そうならなかったのは本当に幸運としかいいようがありませんでした。

正直まちおこしや、まちおこしのリーダーと疎遠になったとしても私はなんら困りません。イベントこそ主催しませんでしたが、その手法や理念、あるいは心理学の応用の仕方など幅広い形で自分の武器にできました。これを今度は自分のために、自分おこしをするために使っていこうと思っています。

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