【プロレスエッセー】プロレス的随筆徒然草(2)プロレスファンの世代間断絶

【プロレスエッセー】プロレス的随筆徒然草

プロレス的随筆徒然草(2)プロレスファンの世代間断絶

世代間断絶

今回の話題はプロレスファンの世代間断絶についてです。

SNSで昭和のプロレスファンが度々老害扱いされています。

本来プロレスにあった戦いの要素が現代プロレスではあまり見られなくなってきた事への不満から、昔はよかったという話をしがちではないか、と思います。

よりリアルで過激

プロレスについての意見は多様であり、それぞれのファンが異なる視点から楽しんでいます。

ただ、一部の人々は、昔のプロレスがよりリアルで過激だったと感じているかもしれませんが、現代のプロレスにも魅力はあります。

昔と現代の違い

まず、現代のプロレスは、WWEに代表される、エンターテインメントとしての側面を強調しており、ストーリーラインやキャラクターの発展、ダイナミックなムーブ、スペクタクルな試合が特徴です。

一方で、昔のプロレスはより実在の闘いに近いスタイルであり、リング内での技術や戦術が重視されていました。

基本は闘い

個人的にはこうした傾向は猪木新日本では顕著だったように思われます。

ただし、馬場全日本も猪木新日本も、原点は師匠・力道山の教えにルーツがあるため、表現や解釈の違いに差はありますが、基本的に、全日も新日もプロレスは闘いありきで出来上がっていたのではないか、と私は考えています。

どちらのスタイルもファンにとって楽しいものであり、プロレスの魅力は多様性にあります。

多団体化=多様化

特に90年代から始まったプロレスの多団体化はさまざまなスタイルを生み出した事でプロレスを幅広く解釈できるジャンルにしてきた事は間違いないでしょう。

私はプロレス生観戦歴40年になる古参ですが、昔のプロレスも今のプロレスもそれなりに楽しんでみています。

リアルな闘い

個人的には、自分がリアルタイムでみていた70年代から80年代より前の時代に大変興味があり、YouTubeではもっぱらモノクロの試合映像を見ることが多々あります。

昔のプロレスが好きな理由としては、リアルな闘いを強調し、技術や戦術が重視されていた点がもっとも大きいかな、と思います。

熱いバトルや技の応酬

特に昭和時代のプロレスは、その熱気や迫力が伝説的であり、多くの名勝負が生まれました。

現代のプロレスとは異なり、昔のプロレスはストーリーラインよりも試合そのものに焦点を当てていました。

リング内での熱いバトルや技の応酬が、多くの人々に感動を与えていました。

リアルタイムでの空気感

しかし、こうした時代背景やリアルタイムでしか知り得ない空気感はなかなか今のファンの方々には伝えにくいものがあります。

私の主観ですが、現代でエンタメを求めるならWWEを見ていれば、だいたい事足りますし、リング上の闘いが見たければ、総合格闘技があります。

一番近い表現として

WWEも長い年月をかけてあそこまで振り切れた歴史がありますし、そもそも70年代から80年代には総合格闘技という概念自体が存在しませんでした。

したがって一番近い表現であるプロレスに「闘い」が求められた時代ではなかったかな、と思います。

時代背景を含めて

ですが、最近ではプロレスには台本がある事ありき、でプロレスを楽しむ層が増えてきました。

こうした時代背景を含めて、プロレスファンの世代間断絶を埋めるのはなかなか簡単ではありません。

目の前で起きたことが全て

私個人は、台本があろうがなかろうが、観にきている人間には知らされてない以上、目の前で起きた事が全て、という考え方でプロレスを見ています。

実際にリングで闘う選手にはいい迷惑でしたでしょうが、アントニオ猪木さんは、この予定調和を嫌い、自らプロレスの範疇からはみ出そうとしていました。

観客と闘う

それは、対戦相手というより観客と常に戦っていたとも考えられます。

総合格闘技で闘うのは目の前の相手だけですが、猪木さんのプロレスは観客だけでなく、世間とも戦っていたため、エンタメとしてある程度受け入れられた現代のプロレスに闘いという要素が薄いという意見には納得できるのです。

本気で熱くなっていた時代

昭和のプロレスファンが楽しんだ名勝負や伝説的な試合を新世代に紹介しても、時代背景や、ファンも対世間と戦っていた時代の空気感まではなかなか伝えにくいと思います。

その試合の魅力や技術を解説することはある程度可能ですが、プロレスに本気で熱くなっていたあの時代をどう説明したらわかってもらえるのか?と考えると、これは難易度が高い問題ですよね。

視聴率競争

そもそもプロレスがテレビの花形だった時代には今ほど娯楽が多様化してはいませんでした。

ただ、ビデオ録画が一般的でない時代でもあったため、魅力的な裏番組との視聴率競争は今以上に過酷でした。

絶頂期の新日

そうした中で20%という今では考えられない視聴率を叩き出していた新日本プロレスとワールドプロレスリングが、絶頂期にあった事は疑いようがありません。

とはいえ、現代はテレビの力も昔ほどではなく、ネットやストリーミングが台頭してきた時代です。

世代間の価値観の違い

一概に昔はすごかったんだ、と断言し難いのもまた事実です。

ただ、タレントのカズレーザーさんのように、世代間の価値観の違いについて、「Z世代」や「Y世代」といった枠組みを使わず、今の価値観にアップデートすることを提案している方もいらっしゃいます。

柔軟な視点で

世代に縛られず、柔軟な視点で物事を見ることが大切なのかもしれませんね。

プロレスファン同士の意見交換は、プロレスの魅力をさらに深める一環と言えるでしょう。

魅力を共有し楽しむ

それはとても貴重なことです。

どの時代も、価値観の違いはあるものの、プロレスの魅力を共有し、楽しむことが大切ではないでしょうか。

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