プロレス的音楽徒然草 Judas | (クリス・ジェリコのテーマ)
アルバムのタイトル曲
今回はWWE退団後、クリス・ジェリコ選手が新日本やAEW、DDTなどで使用している入場テーマ曲「Judas」のご紹介です。
「Judas」は、ヘヴィメタルバンド「FOZZY」の7枚目のアルバムのタイトル曲で、2017年5月にリリースされました。
WWE退団後のテーマ曲
FOZZYは、プロレスラーでありミュージシャンでもあるクリス・ジェリコ選手がボーカルを務めるバンドです。
ジェリコ選手は、WWEを退団した後、新日本プロレスやAEWなどで活躍しており、この曲を入場テーマ曲として使用しています。
会場で合唱する
AEWでは、「Judas」を会場のファンが合唱するシーンが恒例となっており、当初ヒールターン時にテーマ曲を変えようとしたジェリコ選手が、あまりの反響に思いとどまったほど浸透しています。
「Judas」を演奏しているFOZZYは、1999年にジョージア州アトランタで結成されました。
バンドの特徴は
ジェリコ選手は、「メタリカとブラック・サバスに私生児がいたとしたら、それはFOZZYだろう」とこのバンドの特徴を語っています。
2022年9月の時点で、バンドは8枚のスタジオアルバムと1枚のライブアルバムをリリースしており、最初の2枚のアルバムは主にカバー曲といくつかのオリジナル曲で構成されています。
それ以降のアルバムからはオリジナル曲に重点を置いています。
自分の中のユダ
「Judas」の歌詞は、自分の行動によって自分自身や周りの人々を裏切り、悪魔のようになってしまった男の心情を表現しています。
聖書に登場するイエスを裏切った弟子ユダになぞらえて、自分の中のユダに支配されていると歌っています。
再生回数6億回
曲は、ヘヴィなギターリフとキャッチーなメロディーで、プロレスファンのみならず多くのファンの支持を得ています。
YouTubeに投稿された公式PVは、再生回数が6億回を超えています。
初代AEW王者
クリス・ジェリコ選手は、カナダ出身のプロレスラーで、ミュージシャンや俳優としても活動しています。
現在はAEWに所属し、初代AEWヘビー級王者にもなりました。
日本では
ジェリコ選手は1990年にデビューし、メキシコや日本、アメリカなどで多くのタイトルを獲得しました。
日本では、WARやFMW、新日本プロレスに参戦し、故・冬木弘道さんに師事したこともあります。
ライオン道
冬木軍では当時のリングネームだったライオン・ハートから「ライオン道」に改名するほど傾倒していました。
インタビューでも「日本は第2の故郷で、故・冬木さんには観客を魅了する方法を習ったり、天龍さんには相手をボコボコにすることを学んだ場所である」と公言しており、「一人の男として成長できたのが日本である」とまで言っています。
最強説は否定的
このように日本でのプロレス戦歴が長く、親日派でもありますが、日本のプロレスに根ざしている「プロレス最強説」に基づいた傾向に対しては否定的です。
雑誌のインタビューでは「プロレスはエンターテイメントなのに、シュートやMMA(総合格闘技)と結びつけてしまった」ことが昨今の日本におけるプロレスの衰退の主な原因であるとしています。
カナダのX JAPAN大使
来日する度に海外だけではなく日本のヘヴィメタルバンドのCDを買い漁ることでも有名です。
特に好きなバンドはLOUDNESSとX JAPANで「カナダのX JAPAN大使」を自称するほどです。
輝かしい戴冠歴
ジェリコ選手はアメリカでは、ECWやWCW、WWEで活躍し、史上初のWWE&WCW統一世界王者に輝いたこともあります。
また2001年のWWE王座獲得により、WWE史上3人目のグランドスラムを達成しています。
独自のスタイル
さらに史上初WWEと新日本プロレス両団体のインターコンチネンタル王座を獲得した人物でもあります。
ジェリコ選手は、空中殺法や日本流のファイトスタイル、小悪党的なヒール像などを融合させた独自のスタイルを築きました。
長期戦でも
また、ハードコアマッチやバトルロイヤルなどの長期戦でも見せ場を作ることができるレスラーです。
マイクパフォーマンスやアピールも得意で、エンターテイナーとしても高い評価を得ています。
DDT両国で大合唱
そのクリス・ジェリコ選手は新日本プロレス2020年1月5日東京ドーム大会以来、実に3年10か月ぶりの日本マットになるDDTのビッグマッチ「Ultimate Party 2023」に登場しました。
日本でも入場曲「Judas」の大合唱で迎え入れられたジェリコ選手は、序盤から激しい場外乱闘を展開し、圧倒的な存在感を見せつけました。
竹下戦で勝利
得意技のウォールズ・オブ・ジェリコで対戦相手の竹下選手を捕獲し、鮮やかな逆転劇でギブアップを奪ってみせました。
試合後のリング上で竹下選手と握手を交わしたジェリコ選手は「彼とはAEWのリングでやりたいとは思わなかったんだ。日本で、DDTのリングでやりたかったし、試合にも満足している。ファンもDDTも竹下も最高だった」とご満悦だったそうです。
新しい挑戦
しかし、AEWでは竹下選手が所属するドン・キャリス・ファミリーと、ジェリコ選手は抗争中で、11月16日のAEWダイナマイトでは「龍が如く7外伝ストリートファイト」で闘うことになっています。
クリス・ジェリコ選手は、プロレス界のレジェンドとして、今もなお新しい挑戦を続けています。
豊富なスタミナ
また、両国では自分の息子といっていいくらい歳が離れた竹下選手と、23分35秒もの試合を戦い抜いています。
ジェリコ選手は、豊富なスタミナと技の引き出しの多さからバトルロイヤル等の長期戦でも盛り上げや見せ場を作るのに非常に長けており、それが今なお衰えていないことを、11月12日の竹下戦で証明して見せました。
いつかは大合唱に
ジェリコ選手のこれからの活躍にもぜひ注目してください。
そしていつかは私も会場で「Judas」の大合唱に加わりたいと思っています。