[映画鑑賞記] 劇場版 仮面ライダービルド Be The One
2018/08/11
18年8月9日鑑賞。
平成仮面ライダーシリーズの19作目として2017年9月からテレビ放送開始の「仮面ライダービルド」の劇場版。火星から持ち帰られたパンドラボックスから放たれた光によって巨大な壁スカイウォールが出現し、日本列島が3つに分断された世界を舞台に、失った自らの記憶を求めて戦う桐生戦兎/仮面ライダービルドの活躍を描く。分断された日本の3つの首都である東都、西都、北都が繰り広げた戦争が終わり、3つの首都にはそれぞれ、首相に代わり知事が置かれ、平和のための新体制が確立されたかに見えた。しかし、それは仮面ライダービルドを陥れるための計略だった。「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー en film」と2本立て上映。(解説は映画comより)
大規模北九州ロケを敢行
大規模北九州ロケを敢行した劇場版ビルド最新作。前作「平成ジェネレーションファイナル」で、ビルドの世界が我々とは違う「並行世界」という設定になっていることが明かされているわけだが、それに則れば、「普段みている風景と似ているけど、別物」として鑑賞することは十分可能…だと思っていたのだが、ついつい北九州ロケのシーンが気になってしまい、集中力を削がれたのは正直なところ。
特にやたら出てくる北九州市役所近辺や、この映画を上映しているリバーウォークなんかはあまりに見慣れすぎていて、そこに非日常の仮面ライダーが登場する違和感というのは半端なかった。まあ主に関東地区の特撮聖地にお住まいの方は、もはや慣れっこなのかもしれないが、慣れてない地方民の大きいお友達的には大いに戸惑った.
そして、今更叶わないとはわかっているものの「やっぱロケにエキストラで参加したかったなあ。生ビルド見たかったなあ」という後悔に似た気持ちが押し寄せてきて、非常に複雑な気分にもなった。現実問題、スケジュールと体調の問題で無理があったのだけど。
映画公開後、小倉駅前のビジョンでも散々、「劇場版 仮面ライダービルド Be The One」が北九州ロケを敢行していたことを宣伝しているせいか、小さいお友達の「あ、〇〇だ!」とか「ぼくの家、あそこらへん」とか言う声が聞こえてくる。
まあ、ヒーロー映画の主役は「ちいさいおともだち」なんで、目くじら立てることはしたくないし、そもそも「大きいおともだち」である私ですら、知っているシーンが出てくると思わず「おお!」となってしまったのだから、これは仕方ない。
歴史を紡いできたからこそ
さて、肝心の映画の中身についてもすこし触れておこう。8月中をもってテレビシリーズのビルドは終了を迎える。8月8日の時点で残り2話。映画はその少し前という時系列になっているが、やはり最終回を意識した演出が随所に施されている。この映画が公開された8月4日の週の放送は「ルパンレンジャーVS.パトレンジャー」だけが放送されており、ビルドはお休みだったため、やはりどこか感傷的になってしまう。
正直、「劇場版 仮面ライダービルド Be The One」の内容自体を理解するにはテレビシリーズを見ていないと厳しいとは思う。でも平成ライダー屈指の出来でもあるビルドをこの映画で知って、逆にテレビを見始めてもアリだと思う。
仮面ライダーも昭和46年スタートで、幼少のころに感化されて育った子どもたちが大御所俳優として出演しているのも感慨深い。東都新知事である伊能を演じた勝村政信さんの迫力ある悪役ぶりには、思わず引き込まれてしまう。昔だったら「ジャリ映画出演お断り」ということだってあっただろう。そういう意味ではライダーにしろ、戦隊にしろ歴史を紡いできたからこそ、ベテラン俳優でも出演を二つ返事で引き受ける時代が来たのだ。
エンドクレジットが終わって。次のライダーである「ジオウ」登場のシーンも偉大な先人たちが築いてきたバトンの重みも感じられる。だいたい平成ライダーの新作はデザインが個性的過ぎて違和感を感じるのだが、ジオウもその例に漏れない。でも不思議と自分の中では「アリ」だと思った。
映画を見終えての道すがらさっそく近くのロケ現場を通ってみた。こういうことも今までになかった体験。ついさっきまでスクリーンで仮面ライダーが走っていた場所に自分がいるのはなんとも不思議な感じがした。
パンフを読むと今回のロケでライダーチームと北九州フィルムコミッションとの御縁ができたらしい。是非とも次作のジオウだけでなく、平成以降の仮面ライダーでも北九州が舞台になってほしいと思う。