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[映画鑑賞記] のんのんびよりばけーしょん

2018/12/05

2018年10月19日鑑賞。

田舎の小さな学校に通う生徒たちのゆるやかな日常を描いた漫画をアニメ化し、2013年にテレビシリーズ第1期、15年に第2期が放送された人気アニメ「のんのんびより」の劇場版。小学生の宮内れんげをはじめとした全校生徒わずか5人の旭丘分校に通う面々は、いつも一緒に四季折々の田舎生活を楽しんでいた。ある日、デパートの福引で特賞の沖縄への旅行券が当たったことから、夏休みを利用してみんなで沖縄に行くことになるのだが……。監督の川面真也、脚本の吉田玲子らメインスタッフ、れんげ役の小岩井ことり、一条蛍役の村川梨衣、越谷夏海役の佐倉綾音、越谷小鞠役の阿澄佳奈らメインキャストはテレビシリーズから続投。(解説は映画comより)

何かが琴線にふれた

劇場版のんのんびよりは確か夏に公開されたはずだが、こちらでは秋公開だったらしい。たまたま違う映画の時間を検索していたらみつけたので、観に行くことに。しかしせっかくのメンズデーなのに、うまい具合に時間が合わなくて、結局最初に行く予定だったリゼロを来週にまわして、はいからさんが通ると、のんのんびよりという組み合わせにした。

観たいアニメが重なると色々めんどくさいが仕方ない。しかし、さすが人気アニメ!1日1回しか上映ないのに列ができている。しかも全員おっさん!いくらメンズデーとはいえ、そんなに癒されたい人がたくさんいようとは!

まあ、私だってその一人だし別におかしくはないのだが、前の映画終わりで出てきた層が全部カップルだったので、あまりに対極的!いやあ、これで何か急に劇場の観客にシンパシーを感じてしまった。

ところで「のんのんびより」はこちらの地方で放送されておらず、私もネットで一期の1話のみ拝見したにすぎない。それで劇場に行ってしまうんだから、何かが私の琴線にふれた可能性がある。

理想の田舎

さて、今回の劇場版は原作にもあって、一期・二期ではカットされた「沖縄編」のエピソードを軸に作られている。この劇場版の素晴らしいところは、主人公れんげたちが暮らす田舎から、別な田舎(沖縄)へ行く話なんで、どうしても都会経由で飛行機移動しなければならないところをバッサリカットしている点。

そこまで徹底的に都会成分と、田舎の暗黒面をもカットすることで、理想的な田舎暮らしを描き切っている。れんげたちが暮らす田舎も田舎なんだが、映画の舞台になっている沖縄も、また理想の沖縄になっている。

もう25年近く前になるが、私も沖縄に行ったことがある。現実の沖縄にも当然ビルはあるし、基地だってある。それが「劇場版のんのんびよりばけーしょん」では、謂わゆるコンクリートの匂いを感じさせない作りになっているのだ。

唯一、デパートに出かける描写があるのだけど、これは沖縄に繋がるイントロダクションになっているため、必要な描写であり、これがあることでれんげたちが暮らす田舎と、沖縄が生きてくる構成になっている。

純度の高い世界

「のんのんびより」というのは、意図して作られたファンタジーの世界であり、癒し空間なのだ、と私は思う。徹頭徹尾「穢れ」を排除した心地よさを描くためには、リアルな田舎の描写は必要ないだろう。劇場冒頭にデパートに行くエピソードはむしろレアケースなのだろう。

その純度が高い世界だからこそ、同い年の中学生・夏海と宿屋の娘あおいとの友情物語がたまらなく美しく感じられるのだ。別れたくないけど別れがくる、その切なさがまたこの映画を見ている我々の胸を締め付けてくるのだ。

たしかにテレビシリーズでこれをやると少し間延びするかもしれないが、劇場という特殊空間で体感するお話としてはとてもよくできていた。

原作の時系列ではテレビアニメ一期と二期のあいだにあるのが、劇場版のストーリーということになるらしい。それを意識しつつ時間の空いた時に是非、テレビシリーズもみてみたい作品である。いつかまた新しいのんのんびよりが放送される機会が生まれたならば、今度はリアルタイムでも体感してみたい。

見終わってこれほど癒されるとは正直思っていなかったし、全く退屈せずに最後まで見られたという点でも「のんのんびよりばけーしょん」は立派な劇場作品になっていた、と私は断言したい。観に行けて本当に良かった!

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