[アニメ感想] 2018年冬アニメ完走分感想文 博多豚骨ラーメンズ
2018/04/13
「あなたには、どうしても殺したい人がいます。どうやって殺しますか?」
福岡は一見平和な町だが、裏では犯罪が蔓延っている。今や殺し屋業の激戦区で、殺し屋専門の殺し屋がいるという都市伝説まであった。
福岡市長のお抱え殺し屋、崖っぷちの新人社員、博多を愛する私立探偵、天才ハッカーの情報屋、美しすぎる復讐屋、闇組織に囚われた殺し屋。そんなアクの強い彼らが巻き込まれ、縺れ合い紡がれていく市長選。その背後に潜む政治的な対立と黒い陰謀が蠢く事件の真相とは──。
そして悪行が過ぎた時、『殺し屋殺し』は現れる──。(あらすじはメディアワークス文庫公式HPより)
あにはからんや、意外と
舞台が福岡県という極めて珍しい土地柄からか?どう見ても「普段アニメなんかみてないよね」という人まで見ていた作品。ちなみに2018年春アニメの「かくりよの宿飯」では同じ福岡県の北九州市が製作に携わっている。
実際の地名や校名なんかがバシバシでてくるのだが、暗躍する殺し屋を主役に据えた話が、「修羅の街」を舞台にして描かれるというのは、今までアニメではありそうでなかった出来事。私のまわりの福岡県民はさぞかし眉をひそめているんだろうなと思ったら、あにはからんや、意外と好評だったからわからないものである。
制作を担当したサテライトというスタジオは、SANKYOというパチンコメーカーの資本下にある(2018年現在)会社であるため、パチンコをはじめギャンブルが盛んな福岡では、いずれ博多豚骨ラーメンズもパチンコ台になって行く未来が容易に想像できる(笑)
とはいえ、ネットで指摘されていたように、博多弁と福岡弁がごっちゃになっていたり、細かいところにはいろいろ注文を付けられているのは、やはり実際の地名を使っている以上、避けられないところだろう。
舞台が福岡だから
マクロスシリーズや戦姫絶唱シンフォギアシリーズなどを手掛けていた印象が強いサテライトとしては結構冒険だったような気がする。サテライトの取締役でもある河森監督の趣味嗜好が反映される作品が多いと、どうしてもSF系列の作品が多くなるかなと思っていただけに、意外な作品に手を付けたなという印象がある。
ストーリー自体は、ハードボイルドものにありがちなパターンを詰め込んでいるので、別段目新しさはない。かなり荒唐無稽なものもなくはないが、舞台が福岡だから許されている部分はかなりある。
だから、博多豚骨ラーメンズの舞台が東京ならば単なるありがちな話で片付けられていただろうし、話題にもならなかっただろう。だとしたら、博多を舞台にした意味は十分にあったと私は思う。
いつかパチンコ化していけば、2期以降もあるかもしれないが、パチンコ業界自体が斜陽化しつつある昨今、もしかすると次はない可能性もありうるかも。