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[アニメ感想] 2017年秋アニメ完走分感想文 いぬやしき

老年を迎える冴えないサラリーマン・犬屋敷壱郎は、会社や家庭からも疎外された生活を送っており、ようやく購入した一戸建てすらも、家族の歓心を得ることができなかった。追い打ちをかけるように胃ガンだと診断され、余命3か月を宣告される。ガンのことを家族に打ち明けるタイミングが見つからず、打ち明けたとして家族が悲しんでくれるか思い悩む犬屋敷だったが、犬の散歩中に、高校生・獅子神皓と共に非常に小さな宇宙人による事故に巻き込まれ死亡してしまう。事故を隠蔽したい宇宙人によって、生前の記憶や精神を持った機械の身体となって蘇る。

日常における肉体との相違から身体が機械となり本当の自分は死んだことを自覚した犬屋敷は、人でもなく犬屋敷壱郎でもない自分の存在意義を問い始める。そんな折、少年達からリンチされているホームレスを助けて感謝されたことをきっかけとして、人助けに存在意義を見出すようになる。さらに生物の命を助けることもできることに気付いた犬屋敷は、現代医療では助からない重病人の治癒も始め、ますますその能力を他人のために使おうと考える。(あらすじはwikipediaより)

気にはなっていたものの、リアルタイムでは視聴できず、Amazonプライムで正月に一日で一気見した。

2018年春には実写映画化するらしいが、一足先にノイタミナ枠でアニメ化。なぜか実写で出ても不思議ではない小日向文世さんが、主人公の犬屋敷さんを演じている。顔出しとはいえ大ベテランの役者さんだけあって、顔さえ浮かんでこなければ満点に近い演技。最初はあった違和感も回を重ねるごとにきえていった。

それは敵役である獅子神役の村上虹郎さんも然りで、対比として「なかのひと」の実年齢差がそのまま役柄の年齢差にほぼ等しい点がなかなか興味深かった。

得てして素人声優を起用する場合、声は絵の付け足し程度にあつかわれていることが少なくない。演技をリアルによせると作画もある程度作り込まないと内容に見合わない形にもなりかねない。そこへいくとキャストもスタッフも凄い労力を傾けて作品を作っていることが伝わってくる。

リアルによせるということは、この世界にある実物を実名で登場させることが大事になってくるが、大概の場合実在するが故に、商品名や企業名は仮名になりやすい。しかし、いぬやしきはほぼ実名で通していた。これは演出意図としてリアルな演技、リアルな作画にこだわった結果だろう。現実的にはありえない話をさもあるかのようにみせる演出が一貫して貫かれていた点でこの作品は間違いなく名作になった。

作中でもオマージュされていた「鉄腕アトム」。犬屋敷さんの世代ならリアルタイムでみていたアトムの子でもある。そのアトムの子と、アトムを知らない世代の獅子神が対決するさまは息を飲む迫力。

映画「アルマゲドン」を彷彿とさせるかのような最終回も、世代によってはアトムのラストを思い浮かべた人もいるだろう。もう1話あれば余裕がある最終回になったかもしれない。それだけが残念。









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