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[アニメソング] アニメ的音楽徒然草 NIGHT OF SUMMER SIDE

2017/11/19

後世に語り継がれる名曲たち

今回はアニメ「きまぐれオレンジロード」のオープニング曲、池田政典さんの「NIGHT OF SUMMER SIDE」をご紹介します。

私的にこの曲はいまでも度々聞き返すくらいお気に入りの曲です。「きまぐれ」のオープニング・エンディングはいずれも名作ぞろいで、後世に語り継がれる価値があるとも思っています。

本当は「鏡の中のアクトレス」や「夏のミラージュ」なども
候補にしていたのですが、「あるシーン」が決め手になって「NIGHT OF SUMMER SIDE」を選びました。

「きまぐれオレンジロード」では、11月16日に早逝された鶴ひろみさんがヒロイン・鮎川まどかを演じていらっしゃいました。鶴さんの訃報に関して代表作に「ドラゴンボール」や「アンパンマン」が挙げられるのは仕方ないにしても、「きまぐれオレンジロード」は微妙かもしれないな、と個人的には思っていたのですが、いろんな記事をみてみたら、意外にもたくさんの方々の記憶に残っていたようで、とても嬉しかったのです。

時代の寵児「鮎川まどか」

ちなみにヒロイン鮎川まどかは「アニメージュ」誌主催、読者人気投票により決定する「第10回(1988年)アニメグランプリ」女性キャラクター部門で1位、1987年の「アニメディア」の女性キャラ人気投票でも1位に輝いていて、「アニメージュ」誌では放送終了後も何回もランクインしていたほどの人気を博していました。

「きまぐれオレンジロード」は月曜19時台の枠(19時半放送開始)で、同じ少年ジャンプ掲載の「シティーハンター」と共に長く看板番組として君臨しました。極め付けはその音楽性の高さで、シティーハンターは度々いろいろな場所で評価されているのですが、「きまぐれオレンジロード」もなかなかクオリティの高い楽曲揃いのアニメでした。

それまでも実験的に大人向けな楽曲を起用したアニメはありましたが、特定の時間帯がまるまる一時間、同じような傾向の音楽性を持って放送されたのは、この月曜19時のシティーハンター&きまぐれオレンジロードが最初だったのではないか、と私は記憶しています。

シティーハンターときまぐれオレンジロードに関しては放送当時に発売されたサウンドトラックを今でも持っていますが、 ヴォーカル曲以外にも佳曲がたくさんあって聞き応えも十分な仕上がりになっています。

音楽を担当されていたのは、後にエヴァンゲリオンや、シン・ゴジラで一世を風靡する鷺巣詩郎さん。鷺巣さんは元々フュージョンバンド「ザ・スクエア」(現・T-SQUEARE)の初期メンバーでもあり、ちょうど80年代半ばから流行し始めたフュージョンブームと相まった、まさに時代の先端をゆく人選でした。ポップでちょっと大人びた音楽は、80年代という時代の空気を絶妙に切り取ってみせてくれていると私は思っています。

決め手になった「あるシーン」

アニメの初代オープニングである「NIGHT OF SUMMER SIDE」には、そんな時代性を反映してか?鮎川まどかがサックスを演奏している場面が挿入されています。これはアニメ本編でも度々でてくるのですが、なぜか鮎川まどかがサックスを演奏するシーンになると視聴率が下がるというジンクスが生まれて、だんだんなくなっていったそうです。

最初に「NIGHT OF SUMMER SIDE」を選んだ「決め手」がまさにこのシーンだったのです。実は当時フュージョンにどっぷりつかっていた私は、サックスを吹くまどかが非常にお気に入りだったのですが、こんな「大人の事情」で消えてなくなっていったというのはなんとも無念な話です。

「きまぐれオレンジロード」はキャストにとっても思い入れの深い番組だったようで、まどか役の鶴ひろみさんは、収録時に鮎川まどかと同じ髪型にするくらい役に入れ込まれていたそうです。また春日恭介役の古谷徹さんも思い入れの深い作品として「きまぐれオレンジロード」をあげています。

色んな事情があってビデオとレーザーディスクしかでていなかった「きまぐれオレンジロード」も後年再評価されてDVD化もされ、楽曲のベスト盤も発売になった後のタイミングでの訃報はなんともやりきれません。きまぐれのオリジナルキャストもだんだん鬼籍に入られていくのをみると、時のたつ早さにうらみごとのひとつも言いたくなってしまいますね。










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