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[アニメ感想] 2018年秋アニメ完走分感想文 となりの吸血鬼さん

2019/01/22

人間の少女・天野灯はひょんなことからソフィー・トワイライトという吸血鬼の女の子に助けられ、一目でソフィーを気に入ってしまう。

灯は彼女の家に押し掛け、半ば強引に同居を始めることになる。

ソフィーは吸血鬼だが、人間を襲うようなことはなく、
通販で血液や趣味のアニメグッズを購入している現代的で庶民的な生活をしていた。

イマドキ吸血鬼さんとの同居コメディ!(あらすじは公式HPより)

どっかでみたような既視感

丁寧な作りでは定評があるスタジオ五組製作による、ちょっと変わった美少女同士の「キャッキャウフフ」もの。きらら掲載作ではないが、きんいろモザイクの金髪要素を吸血鬼に置き換えたら、そのまんま「となりの吸血鬼さん」になる…というと言い過ぎか?

しかし、昨今の深夜アニメ量産体制が続くと、どうしてもどこかしら「どっかでみたような既視感」はつきまとう。日常系作品は特に「事件がおこらない」のが特徴なんで、余計にそういう傾向になってくる。

ただ、それでも「となりの吸血鬼さん」は、なんとか差別化を図るべく試行錯誤はしているところについては、評価したいと思う。ベタな吸血鬼設定を取り込むことで、人間と昼夜逆転生活を営む吸血鬼・ソフィーの「オタクぶり」を描いたりしている。

基本的に平和な日常ものなんで、吸血鬼も「善き隣人」として登場している。バンパイヤ対人間という対立概念は、「となりの吸血鬼さん」には存在しない。

ただ、今期の覇権アニメだった「ゾンビランドサガ」が、従来の「人間対ゾンビ」という対立概念を打ち壊して、全く新しい風を吹かせていたため、日常系の王道に近い「となりの吸血鬼さん」は、佳作どまりになってしまった感は否めない。

よくも悪くもマジメに作られた

そもそも原作ありきの「となりの吸血鬼さん」は、オリジナル作品である「ゾンビランドサガ」に比べて、攻めた作風にしたり、冒険したりすることが大変なので、そういう意味でのハンディがあるのは仕方ないところ。

結果的に日常系作品が重なると、どうしても作品ならではの色を出しにくくなり、手堅い作りになりがちだが、それは視聴者が求める「原作通り」のアニメ化という線を意識せざるを得ない現状、仕方ない部分はある。

「となりの吸血鬼さん」はよくも悪くもマジメに作られた作品だと私は思っている。作画も演出も音楽も非常にクオリティが高い。しかし「これは!」という突き抜けたものは見出せない。いずれ時間とともに、あまたある日常系の作品の中に埋もれていく可能性は十分にある。

それではあまりに忍びないので、こうして文章化しているわけだが、これを読んでいるあなたが、もしこれから配信等で「となりの吸血鬼さん」をご覧になられるのであれば、決して時間の無駄にはならない作品だとは言っておきたいのである。とはいえ過度な期待は寄せない方がいいともいいたいのだけど。

昨今の数打ちゃ当たる式で乱造されるアニメ界の問題点がいい形でも悪い形でも表に出ている作品の一つが、「となりの吸血鬼さん」ではないか、と私は考えている。本当はまじめに作られた作品は、もっと報われていいはずなんだが…

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