[特撮ソング] 特撮的音楽徒然草 斗え!忍者キャプター
今回もアキバレンジャーつながりで、1976年から1977年まで放送された東映制作の特撮番組「忍者キャプター」の主題歌「斗え!忍者キャプター」をご紹介します。
原始少年リュウではオープニングとエンディングに分かれていたアニキこと水木一郎さんと、女王・堀江美都子さんですが、この「斗え!忍者キャプター」とエンディングの「大空のキャプター」などでは、デュエットで参加されています。
この流れは忍者キャプターに先行してスタートしていた「秘密戦隊ゴレンジャー」オープニングでの、大王・ささきいさおさんとのデュエットや、タックルという変身ヒロインが登場した仮面ライダーストロンガーのエンディング(こちらも水木一郎アニキとのデュエット)などで顕著に見られました。
アキバレンジャーの話に行く前にやはり忍者キャプターの話を触れておきましょう。放送は現在のテレビ東京(東京12チャンネル)でしたが、この時代は地方にネット局がなかったため、山口県では放送されておらず、お隣福岡県のフジテレビ系列のTNCが土曜夕方に放送していた記憶があります。
しかし子ども心ながら、なんと言っても衝撃だったのは雷忍キャプター1、袋三郎兵衛役で、潮健二(健児)さんが出演されていたことでした。
潮さんといえば、昭和の子どもには忘れ難いインパクトを残したショッカー大幹部の一人、地獄大使(初代)を演じられたことで知られています。私が記憶する限り、ショッカーの大幹部を経て、同じ東映特撮の別番組でヒーローに転向した例は潮さんくらいなものだと思います。
忍者キャプター放送時、私は小学校高学年でしたから、もちろん潮さんのお名前は存じあげておりました。
三郎兵衛は、ギャグメーカーというキャラクター設定でしたから、地獄大使とはあまりにイメージが違いすぎて、アタマがクラクラしましたが、同時に「何て凄い人なんだろう」と感動したことを覚えています。
2013年のアキバレンジャーシーズン痛第4話「妄想女神」の回で、伝説の戦隊っぽいアニメ「忍者キャプたん」の主題歌として堀江美都子さんが、「斗え!忍者キャプター」をセルフカバー(というか、替え歌)しています。
もちろん元ネタの「忍者キャプター」はアニメではなく特撮作品ですが、八手三郎原作の最初の集団ヒーロー作品でありスーパー戦隊と同種の要素が多く含まれているため「戦隊っぽい作品」というわけですね。
この回ではアニソンの女王・堀美江都子役で堀江美都子さんご本人も出演され、第4話のエンディングも担当されました。それが忍者キャプたんの主題歌「キャプたん Chu-Chu-Chu~」だったわけです。
驚くべきことに、この「キャプたん Chu-Chu-Chu~」はオリジナル歌手の替え歌セルフカバーにとどまらず、女性ヒロインを念頭に書かれた歌詞を、堀江美都子さんがヒロインソングとして歌い直している点です。
わたしの主観では、オリジナルの「斗え!忍者キャプター」ではアニキに合わせた勇壮な歌い方をしていますが、オリジナルも収録されている アルバムでは、可愛らしく可憐なヒロイン戦士がイメージできる歌い方をされているな、と感じました。堀江美都子さんの幅広い表現力の差を堪能できると、私は確信しています。
それにしてもオリジナル「忍者キャプター」から37年の時を経てなお、衰え知らずの歌唱力を披露した堀江美都子さんはまさに女王の名が相応しいレジェンドですね。
とはいえ、わたしの世代は女王としての堀江美都子さんより「ミッチ」の愛称で親しまれてきた堀江美都子さんを長くみてきているので、大御所というより「歌のおねえさん」的な感覚が今でもあります。堀江さんには、これからもステキな歌のおねえさんであり続けて欲しいですね。