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[アニソン] アニメ的音楽徒然草 ようこそジャパリパークへ

2017/02/22

今回は2017年2月現在放送中のアニメ「けものフレンズ」の主題歌「ようこそジャパリパークへ」をご紹介します。アニメ的音楽徒然草で放送中の楽曲を取り上げるのは異例なんですが、今回は私の仕事のひとつでもある心理カウンセリングの面から、この作品と楽曲の魅力を語りたいと思います。亜人ちゃんでなくても語りたいので、しばしお付き合いください。

アニメの魅力を語る前に心理カウンセリングというのはどういうことをするのかをまず説明させてください。そもそもカウンセリングというのは医療行為ではありません。ですから重病人の方が来られることがあっても、その場合はお医者さんを紹介する形になります。よくいう「病気になったから行く場所」というのは誤解ですね。そもそも診断が下りてしまうと投薬治療も含めた複合技で、長い時間をかけて取り組んでいく必要があります。そうなる前に日常の積もり積もった問題を、少しずつ取り除いていくお手伝いをするのです。簡単に言うとそれがカウンセリングということになります。

カウンセリングの場では基本ネガティヴな事象にスポットをあてません。例えば「どうせ私はダメなんです」という相談者に対して、一個でも今相談者の方ができていること、今ポジティヴにとらえられるところにフォーカスしていきます。

「10から1までの間で今できている状況を教えてください」
「3くらいですね。でも3しかできてないんんです。」
「すごーい!3もできているんだ!」

「すごーい!」というのは多少「盛り」ましたが(笑)「3もできているんだ」というのは実際に使います。

ここでやっと「けものフレンズ」の話になるのですが、登場キャラの「サーバルちゃん」は決して相手を否定する発言をしません。

前向きで明るい発言・驚嘆・称賛する台詞を発することが多く、特に「わーい!」・「すごーい!」など、視聴者もこぞって口に出してしまう程である。(ピクシブ百科辞典より)

最近のアニメでも一定数ある鬱展開(物語の受け手にネガティヴな感情を引き起こさせる物語の展開の事)ですと、むしろできないこと、できていないことにフォーカスしがちです。そうすることによって、物語をより効果的に進めるためでもあります。主人公が立ちふさがる試練を乗り越えていくというのは王道的展開ですから、仮にネガティヴな展開が続いても、最後にカタルシスを迎えるのであれば、問題ないということですね。また鬱展開とは異なりますが、昭和に流行ったスポ根アニメでは「できない主人公ができるようになっていく」様子を描くため、指導者にあたる登場人物が叱咤する場面もたくさんありました。

ですが、ところどころに挟まれる「鬱展開かも?」と思わせる場面がありつつも、基本けものフレンズという作品はどこまでも前向きでポジティヴです。あまりにポジティヴすぎて色んなネタになっているくらいなんですけど、主題歌である「ようこそジャパリパークへ」の一節にある「のけものがいない」世界というのはまさに「けものフレンズ」の世界観を端的に表わしており、同時にこれはどんな立場の人間(フレンズ)であっても存在していいというカウンセリングの基本でもある考え方です。一番大事なメッセージとしても注目に値します。

本当は私もサーバルちゃんみたいにいつもポジティヴでいたいのですが、現実はなかなか難しいものです。でもけものフレンズのセリフをマネてると不思議とポジティヴな感覚になっていくのが自分でもわかるんです。やはりポジティヴな言葉って口にして言うと結構効果があるんですよね。それを改めて教えてもらったのが「ようこそジャパリパークへ」という曲なのです。









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