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[映画鑑賞記] 青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない

青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」のタイトルでテレビアニメ化もされた鴨志田一による人気ライトノベル「青春ブタ野郎」シリーズの初の劇場版。同名の原作小説第6巻と第7巻「青春ブタ野郎はハツコイ少女の夢を見ない」の内容をアニメ化した。藤沢に暮らす高校2年生の梓川咲太は、先輩で恋人の桜島麻衣と心踊る日々を過ごしていたが、そんな咲太の前に、初恋相手の牧之原翔子が現れる。しかも翔子はなぜか「中学生」と「大人」の2人が存在していた。ひょんなことから一緒に暮らすことになった大人の翔子に咲太は翻弄され、結果として麻衣との関係もぎくしゃくしてしまう。そんな中、中学生の翔子が重い病気を患っていることがわかり……(映画comより抜粋)

期待値はかなり高かった

鴨志田一さんの小説シリーズを原作にしたテレビアニメ「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」の続編にあたるのが、本作。原作ではこの映画までが「一区切り」となっているらしく、まずはアニメ版13話をみてから観に行ったほうがお勧めできる作品。

とはいってもアニメ版未見でも十分楽しめる作品にはなっている、と私は思っている。まあ思春期症候群という設定とかは予備知識がないと「?」になりそうだけど。

もともとアニメ版(そしておそらく原作も)は、「思春期症候群」になったヒロインたちと梓川咲太のオムニバスのような形になっているので、どっちかといえばテレビ的というよりは映画テイストな作品ではある。

今回の「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」ではテレビ版でもでてくる牧之原翔子の存在がフィーチャーされる。彼女の存在だけが「未解決」のまま、テレビ版が終了しているため、私の中で映画版への期待値はかなり高かった。

が・・・・いざ映画が公開してみて愕然としたのが上映館の少なさ!近郊だと博多までいかないといけない。確かに見たい映画ではあるのだが、映画料金以上の交通費をかけてまで観に行きたいかというと、ちょっと二の足を踏んでしまう。

いい映画が正当に評価されないと

しかし、作品が正当に評価されたことで、状況は一転する。スタートダッシュの興行収入がよかったこともあって、一気に上映館が増え、北九州でも上映が決定した!(しかしこれでもまだ少ないんだけど・・・・)

「これは朗報!」と喜んだのもつかの間、初回上映日が「天気の子」とかぶってしまったのだ。天気の子は終日上映があって、しかも2スクリーン独占。かたや青ブタは初日から朝と夜の二回上映のみ。これでは多くの人に「青ブタ」を見てもらえる機会を逸したも同然。

内容的に「天気の子」と客層を食い合う危惧もあった「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」だったが、初日の初回上映はメンズデーということもあってまずまず劇場はお客さんで埋まっていたのが幸いではあった。

まあ、「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」の方は最初は近々での上映がなかったのだから、ないよりはましなんだけど、ネームバリューがなくてもいい映画が正当に評価されないと、明るい未来なんか来るわけがない。特に青ブタのような映画はそうでないといけないと思う。

さて肝心の「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」の出来がどうだったかというと・・・正直ここまでよかったとは思わなかった!辛口評の自分が完全ノックアウトされてしまうくらいの名作だった!これは観に行ってよかったと心から思った。それほどの作品だったのだ。

とにかく「え?もう終わり?」と思うくらい「あっという間の90分」だった。多少駆け足な展開もあったけど、勢い任せの内容ではなく、作り手の意思をじっくりと、そしてしっかりと描き切っていたように思う。とにかく濃密な90分だった。まあ作画がちょいちょい残念なことになっているのは、ひっかかったけど、それすらもマイナスになる要素ではないくらいの出来だった。

「後まで引く」終わり方

後で気づいたけど、前半はBGMがほとんど聞こえないくらいに作品に集中してしまっていた。実際ほかの方のレビューを後で読んだら結構「BGMがなかった」という感想を述べていた。決して私が錯覚しただけではなかったということのようだ。その理由としてたぶん声優さんのお芝居がすごいことになってたからこそ、たぶんBGMが消えていたかのように錯覚させたのかもしれない。ああいう経験はなかなかできるものではない。

特に翔子役の水瀬いのりさんの演技はすごい。あれでまだ20代前半なんだから末恐ろしい才能である。そりゃ売れっ子になるよなあ。これがもし天気の子みたいな「非声優」キャストだったらとてもこうはならなかっただろう。

ラストは、自分的には号泣するほどではなかったけど、見終わった直後から、色々な台詞やシーンが頭から離れなくて、それが時間が経つにつれてどんどん大きくなっていくという、結構「後まで引く」結果になった。こういうタイプの終わり方は青ブタらしくてよかったと思う。カタルシスがあって、映画見終わってすっきりした―!というのもいいけど、青ブタの場合はこうしたエンディングこそふさわしい。

結果的にはこのスタッフ・キャストの皆さんには大きな拍手を送りたい。やっぱ個々人が「青ブタ」に対してとてもいとおしい気持ちをもって作品を作っていたし、それが画面の端々から伝わってくるとても素敵な映画だった。

あれで上映回数がもっと多かったら二度三度とみたいところなんだけど、いかんせん朝と夜しかない上に、下手したら今後上映回数を減らされかねない状況下では、映画館で複数回見ることはかなわないかもしれない。こういう映画こそ劇場で見るべき映画なんだけどなあ。

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