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[アニメソング] アニメ的音楽徒然草 風が知っている

2018/02/18

大人の事情で・・・

今回はオリジナルビデオアニメとして作られた「装甲騎兵ボトムズ 赫奕たる異端」のオープニングテーマ曲「風が知っている」のご紹介です。

テレビシリーズ「装甲騎兵ボトムズ」は高橋良輔監督が「これ以上ない」という最終回で一旦幕が降ろされていたのですが、「続編がみたい」という「大人の事情」により作られたのがオリジナルビデオアニメシリーズ「装甲騎兵ボトムズ 赫奕たる異端」でした。

しかし、「赫奕たる異端」の結末はヒロイン、フィアナが死ぬというもので、主人公キリコはテレビシリーズにも増して過酷な運命を背負って生きる羽目になりました。この結末に納得いかないユーザーやファンから抗議が殺到したという逸話もあります。「続きが見たいといいつつ、できた続編に文句を言うなんて・・・」と思われるかもしれませんが、当時の事情からしてもファンの声だけが最優先されたとは言い難いように思います。

あの曲が使われていない

さて、「装甲騎兵ボトムズ 赫奕たる異端」は、発売元がまだ経営が傾いていない時代の東芝に変わったため、キリコが登場するシリーズの中ではテレビシリーズで使われたテーマ曲である「炎の運命」が使われていない稀有なシリーズです。

この「風が知っている」を作曲したのはテレビシリーズ同様に音楽を担当された乾裕樹さんなんで、ボトムズの世界観を損ねる曲ではありません。また赫奕たる異端はフィアナよりの物語であるため、男くささが漂うTETSU(織田哲郎)さんの歌声より、井口慎也さんの甘い声の方が、物語の色合いには向いていると私は思っています。

むしろ、「赫奕たる異端」の世界観には「風が知っている」というテーマ曲は非常によくマッチしています。ボトムズという枠に拘らずともアニメ史上に残る名曲であることにはちがいないでしょう。

続編が作りにくい

とはいえ、やはりシリーズ屈指のヒロイン・フィアナの退場は非常に大きく、ボトムズはガンダムよりは続編が制作しにくいアニメになったことは間違いないでしょうね。

PS(パーフェクト・ソルジャー)というある意味無双なキリコが主人公であり続けている点も、主人公が時代によって変わっていくガンダムとは大きく異なります。さすがの大人の事情をもってしても、こればかりはどうにもならなかったということかもしれません。

ちなみにこの「風は知っている」は名曲であるにも関わらず再販されておりません。「赫奕たる異端」のサウンドトラックは一万越え、シングル盤も7000円を超える高値で取引されています。もっともitunesでは主題歌のみパックにて安価で手に入るのですが、本編BGMが好きな方には何とももどかしいことではあります。

発売から約20年が経過してそろそろリマスターで安価な音源の発売が待たれるところですが、今の東芝の騒動を見ていると当分無理かなあと思ったりもしています。










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