[アニソン] アニメ的音楽徒然草 銀河の青春
2017/02/22
今回は1982年から83年にかけて放送された、機甲艦隊ダイラガーXVのオープニングテーマ曲「銀河の青春」をご紹介します。ダイラガーXVは合体ロボットアニメ史上最多になる15体合体することで話題になった作品ですが、正直それ以上の話題にはならなかったかな、と私は思っています。
あらすじはだいたいこんな感じです。(ウィキペディアより)
地球人類が宇宙に進出している時代。友好関係にある地球・ミラ星・サラ星は、各惑星から選抜された安芸マナブら15人のメンバーと、15体合体ロボ・ダイラガーから編成される「ラガーガード」を設立、外宇宙の探索に送り出した。 しかし、その行く手には滅亡寸前の母星から移住先を探すガルベストン帝国が待ち受けていた。 帝国内では平和裏に移住先を探すべきであると言う穏健派と乱世に出世を求める好戦派が争っていたが、やがて好戦派が主導権を握り、三惑星連合と全面戦争に突入してしまう。
ダイラガーXVは、東映製作で外部製作だった巨大ロボアニメ路線を、東映動画制作にした最初の作品です。ヤマトからガンダムにいたる宇宙ものの流行りに乗って、地球以外の宇宙が舞台になっています。脚本担当の藤川桂介氏は、宇宙戦艦ヤマトで一世風靡したライターさんで、オープニング、エンディングテーマの作詞も担当されています。
しかしながらダイラガーXVが放送されていた82年には、既に機動戦士ガンダム(1979年)がこの世に誕生していました。藤川さん自らが作詞した「銀河の青春」は宇宙を盛んに海に例えていますし、宇宙戦争を描いているわりに、青春やロマンを語る作劇、さらにはモビルスーツの登場で前時代的な立ち位置になった合体ロボの存在…などとまあ、ダイラガーXVには逆風が吹いていたわけです。
既にハイティーンはリアルロボット路線に心を奪われている時代でした。そういう層は15体合体には興味を持ちませんでした。また玩具としても、15体合体はあまりに数が多過ぎて、子どもも関心を示しにくかったように私には思われます。このようにどこをターゲットにしているのかよくわからないまま、ダイラガーXVは一年間の放送を終えたのでした。
ロボットアニメソング界では、別名「フォーク、演歌部門の金字塔」(?)とまで呼ばれる「銀河の青春」はサビにくるまで、若者のロマンを朗々と歌い上げているため、なんの歌かわからないという致命的な欠点があります。さらには「宇宙海賊キャプテンハーロック」などを手がけた横山菁児氏、作編曲による壮大なオーケストラサウンドと、川津恒一氏がこれまた高らかな歌唱法でスケール感を煽る形でミスマッチ感を増幅させています。
このミスマッチはやはり80年代にして当時の売れない演歌みたいに私には聴こえました。
とはいえ、ガンダム第一世代にして、松本零士ジェネレーションでもある私。宇宙の海や銀河の青春というフレーズ、実はキライではありません。むしろ大好きです。かなりどストライクです。
仮にダイラガーXVという物語の内容を全く思い出せなくても、私にとって銀河の青春は今でも聞く度に、周回遅れなロマンSFの匂いを感じさせる名曲に違いはないのです。