[アニソン] アニメ的音楽徒然草 淋しくて眠れない
2017/02/22
今回のアニメ的音楽徒然草は、1985年公開の映画「メガゾーン23」のエンディングテーマ、タケウチユカさんの「淋しくて眠れない」をご紹介します。
このアニメは宇宙船の中に作られた、1980年代の文化を模した都市に住む若者らの物語で、敗北を喫した主人公が街に戻るシーンで流れます。この当時はマクロスがヒットしたことを受けて、音楽に力を入れたアニメがたくさん作られていました。
中でも「マクロススタッフ再集結」を謳ったメガゾーン23は「ポストマクロス」の最右翼と目されていましたが、いかんせん黎明期のビデオアニメというのは販売(セル)オンリーで、しかも一本1万7〜8千円してました。レンタルビデオ屋でも一本千円とかしてましたから、もともとがテレビアニメだったマクロスと比較しても流通力では段違いの差があったため、マクロスほどは流行らなかったのです。
しかし、メガゾーン23はマクロスほど広範囲ではないにしろ、期間限定で劇場公開もされていたので、当時貧乏学生だった私でも観ることができたのです。のちにサントラ盤まで購入したのは、ひとえにのちにエヴァンゲリオンで一世を風靡する音楽担当の鷺巣詩郎さんが作られた楽曲が素晴らしかったっこと、劇中で架空のアイドルとして登場する時祭イブの歌声にも魅せられたということも大きかったですね。いわゆる歌姫といってもやや幼さが残るミンメイと、どこか大人びた憂いをたたえたイブとではタイプが全く異なっていましたが、貧乏ながらもサントラを買おうと決意させるだけの力をメガゾーン23という作品は持っていたと私は思っています。
改めて思うに、劇場という特殊な空間で流れたからこそ、余計に楽曲が印象深くなることってあると思うんです。マクロスの「愛おぼえていますか」にしてもメガゾーンの「淋しくて眠れない」にしてもそうです。やはり自宅のビデオデッキで出会っていたら、メガゾーンのサントラを買うこともなく、「淋しくて眠れない」をここまで記憶することもなかったでしょう。そういう意味ではいい出会い方をしたなと今では思っています。