プロレススーパースター本列伝 すべて本音。 (Fighting paperback series)

解説
プロレスラー秋山準へのインタビュー。プロレスリング・ノアが生まれて半年、王道発スーパープロレスを目指して、秋山の頭と体はさらに磨かれてゆく。新世代のプロレスの行方を担う男が語る。巻末は袋とじ。(解説はAmazonより)
本質は変わっていない
「すべて本音。」が発売されたのは2001年の春になる。
今読んでみても、秋山本人の本質は何一つ変わっていない事が判る一冊だと思う。
真剣に考えていた
「プロレス界の発展の為!何て言う人は信用できない」「プロレスを一般スポーツ並の地位まで向上されるのは無理。だって胡散臭いモン」など歯に着せぬ言葉が多々あり、それはベテランになり、所属がDDTになってもあまり主張は変わっていない。
2001年当時、プロレスリングNOAHにはまだテレビ中継がついておらず、その中でNOAHのプロレスをいかにして世間に届けるか、という事を当時から秋山が真剣に考えていた事が伺える。
辛辣な発言
当時の秋山は、特にNOAHのプロレスをスポーツライクにしようとする三沢光晴社長や、NOAHに全日本的な安心感を求めてくるファンに対しては、辛辣な発言を残している。
秋山の主張は、テレビがあるなら、偶然みた人が興味を持ってくれるかもしれないが、NOAHにはそれがない。
危機感を持って
NOAHが雑誌や新聞に取り上げられるためには、センセーショナルな行動をしなければ、見出しにもならない。
だから、秋山準はNOAHの中にあって常に危機感を持って辛辣な発言をしていたのだ。
DDTでこそ
おそらく2022年の現在、NOAHの部分をDDTに置き換えても、秋山準の主張は大きくは変わっていないだろう。
ただ、かつてのNOAHでは煙たがれていたであろう秋山の主張は、DDTでこそ生きている様にも思える。
気軽さがない
DDTにはレッスルユニバースという配信サービスがあるとはいえ、これは有料であり、任意でないとみられない。
そこにテレビのような気軽さがない故に、拡散力では地上波をもつ新日本をなかなか追い越せない。それが現状である。
キャラクターや主張は
であるならば、2001年時のNOAH以上に、サイバーファイト全体が危機意識を持って取り組まなければならない。
それゆえ秋山のキャラクターや主張はDDTでこそ生きるのである、と私は考える。
小橋と秋山
だからこそ、秋山準がDDTにいる意味は、単にコーチ業だけでないものがあり、大社長はそれを狙って秋山準を入団させたのではないだろうか。
なお、「すべて本音。」では、ライバルであり先輩でもある小橋建太さんへのリスペクトが、相当なモノである事が改めて感じさせてくれる内容にもなっている。
今の小橋と秋山の関係性を投影しても非常に興味深い。
