- LUCHA INFINITO ルチャ・インフィニート〜不滅のルチャ魂〜
- オープニング
- ★オープニングマッチ★キッズ ルチャ・オリンピカ 第1試合1分30秒×2R 延長戦1R サドンデスルール
- オープニングマッチ★キッズ ルチャ・オリンピカ 第2試合1分30秒×2R 延長戦1R サドンデスルール
- ★第1試合★ レレボス スペル・リブレ時間無制限1本勝負スーパールチャ タッグマッチ
- ★第2試合★ マノ ア マノレアル・ルチャ魂 シングルマッチ
- ★第3試合★ マノ ア マノ スペシャル シングルマッチ時間無制限1本勝負
- ★セミファイナル★レレボス・アウストゥリアーノス6人タッグマッチ 時間無制限1本勝負
- ★メイン イベント★ジャベ・リブレ 5分2R制 延長戦3分
- 後記
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LUCHA INFINITO ルチャ・インフィニート〜不滅のルチャ魂〜
(2018年4月22日(日) さざんぴあ博多 多目的ホール)
オープニング
レアル・ルチャはなかなかスケジュールの都合がつかなくて、磁雷矢校長はじめ選手の皆さんからお誘いはいただくものの、なかなか行けない、という事が続いていた。それでも熱心に誘ってくださるし、前回観戦時から1年以上が経過したため、何とか時間をやりくりして観に行くことにした。
その大きな理由のひとつに、私とエル・ファルコ選手とのご縁がある。かつて、素人プロレスファンとして私と共にプロレスをみていた仲間の中にファルコと、現在プロレスリング華☆激でレフェリーをしているMr.Suuがいたのである。
長年プロレスを見続けてきた、私と同じような東京の友人からは、やはり仲間内から実際選手や関係者になったという事例を聞く。中には全国区になった選手もたくさんいる。
そんな話を聞きながら、私は「まあ東京だから、そんな事もあるよなあ」という感じで、どこか他人事のような感じでとらえていた。
ところがいざ自分の身に同じことが起きてしまうと、なんとも奇妙な感じがするのだから面白い。もっとも自身の未来を決めるのはその人自身だし、私はファルコにも、Mr.Suuにも、アドバイスなどは何もしていない。
気が付いたらこうなっていただけなのである。で、時を経たら応援する側とされる側にわかれているんだから、一寸先には何が起こるかわからないものである。
その2人が今、目の前のリングの上にいるのだ。リングに下りれば、普通の知り合いであり、友人であるのだから、本当に奇妙な感じがする。
ファルコとの因縁についてはもうひとつ忘れ難いことがある。これも彼には何の罪もないのだが、当初いくはずだったエル・ファルコデビュー戦に、突然恩人の急逝という事態が割って入ってきたおかげで、見ることが叶わなかったのだ。今でも春先になると、その時の忸怩たる思いが私の中で蘇ってきては、苛むのだ。
その罪滅ぼしというというと大げさな表現になるけど、急成長したエル・ファルコがKAZEと一騎打ちをするという。
このタイミングでいかないわけにはいかなかった。そこで、何とか時間をやりくりして観戦に行くことになったという次第なのだ。
朝からもう夏なんじゃないか?と思うくらい汗ばむ陽気で結局Tシャツ一枚で出かけた。しかし好事魔多しとはこのことで、久々にさいとぴあとさざんぴあを間違える事態に!
しかし、早めにでていたせいで、九大学研都市から天神まで折り返して、西鉄で雑餉隈までいけば試合開始に間に合うことが判明!危ない、危ない!山口県なら一回のミスが命取りになるが、さすがは福岡県!そこはやり直しがきく。こういうところがありがたいのだ。
★オープニングマッチ★キッズ ルチャ・オリンピカ 第1試合1分30秒×2R 延長戦1R サドンデスルール
×ジュンイチ VS 〇コウダイ
キッズルチャはワンフォールマッチで、延長戦の場合、アマレスでいうところのポイントが入った時点で負けになる。
見ていていつも思うが、キッズは発育に違いがあるため、やはり体格差がモノをいう。技術的には大変クオリティが高いのだが、ワンフォールなんで決着は一瞬。セパラドスで入場してきたコウダイが勝利した。
余談だが、かつてウルティモドラゴンとザ・グレート・サスケが「セパラドス・コントラ・セパラドス」でテーマ曲をかけて闘い。敗者となったサスケがテーマ曲を変更することになったのだが、遠い将来コウダイ対ドラゴンで再び「セパラドス・コントラ・セパラドス」が行われたら見てみたい(笑)すごい年齢差になっていると思うけど。
ちなみにこのアンダーカードはレアルの司会進行の二人がアナウンスを担当していたのだが、相変わらず勝利者を間違えるなど、細かい点ではあるがミスが目立った。実は進行というのは大会の肝で、自力でやりたいんだったら、自分たちでやればいいだけのこと。
外部からMC.Syujiを呼んでくるんであれば、いっそ彼に任せてしまうか。アンダーカードとはいえ、大会の方向性がどっちつかずになるのはいただけない。
本当はミスってもカバーすれば問題ない。それはプロレスの試合でも同じ。だが、選手名くらいは頭に入ってないと、ミス以前の問題だろう。
オープニングマッチ★キッズ ルチャ・オリンピカ 第2試合1分30秒×2R 延長戦1R サドンデスルール
〇ライア VS × アイリ
この試合もそうだが、真剣に闘う子どもたちには声援を送りたくなる。セコンドにはユーセーとジャックがついているが、この指示が実に的確。
こう着状態になりやすいキッズたちに容赦ない檄を飛ばす。が、これはキッズたちには生きた勉強になるだろう。意外とグラウンドで動き回るというのは体力も使うし、対格差があると上にのられただけでしんどいはずだ。
試合は2ラウンドドローで延長戦へ。ここで、バックをとったライアが、ポイントとって勝利。
ジャック・ユーセーに続くキッズレスラーがこうしてしのぎを削っているのがレアルの最大の魅力だと思う。まあ、これで大人の部がしっかりしてくれたらいうことないんだけど。なかなかそうならないのはなんでなんだろう??
★第1試合★ レレボス スペル・リブレ時間無制限1本勝負スーパールチャ タッグマッチ
◯パヤソ・ドラド、ヴァンヴェール・ジャック VS ×エスピオン・ネグロ 、ユーセー・エストレージャ
この春、無事に中学生になったジャックとユーセー。あと10年ルチャを続けていたとしても、今のオカダカズチカより若いんだから、考えてみたら凄いことだ。
気がつけば、第1試合と言いつつ、彼らの「下」にはアンダーカードに出場している「若い世代」が台頭し始めているんだから、レアルルチャ、おそるべしである。
東京だとアイスリボンで、若い世代が「ナウリーダーズ」で、昭和生まれが「ニューリーダーズ」になるため、一般的な世代闘争が成立しないという現象が見られるけど、レアルもそれに近いといえるだろう。
余談だが、平成生まれの彼らが、もうすぐ古い元号生まれになるという事実の方がずっと怖い。ふた世代古い私はいよいよ下関の化石にならなければならないのか?
まあ、それはともかく、彼らが出る試合は、順番に関わらず実質メインだとい思って見ている私にはやはり彼らの進化も注目したいが、彼らと組む選手たちの成長も気になるところだ。
パヤソは割といそうでいなかった、ダークピエロチックなキャラだけど、ややキャラクターが先行している感がある。エスピオンのほうがまだましだったかな。
とはいえ、試合の大半は中学生2人が引っ張っていたので、ここらへんは大人組の課題として残ったと思う。
このルチャルールの過酷なところは、1人倒しても試合が終わらないところにある。この試合も途中からハンディ戦の様相を呈して、ジャックが孤軍奮闘するも、いかんせん2人が相手では状況が不利すぎる。最後は力尽きてジャック組敗戦。
中学生にしてすでにユーセーもジャックもベテランの風格をただよわせているのが、末恐ろしい。この2人はどこまで進化していくのだろうか?
★第2試合★ マノ ア マノレアル・ルチャ魂 シングルマッチ
×ベスティア・マルバダ VS ◯ビースト
見た感じ、ルード同士の一戦。一年半前にはたくさんいた選手たちもいつの間にかいなくなっている選手が多い。そんな中でシングルを組まれるということはそれなりに期待されているのだろうと私は思う。
試合はやはりというかルチャ色薄目でラフファイト多めという印象。しかし目立ってなんぼという考え方からしたら、試合はいびつでもありだと思う。問題はルードとして試合を引っ張っていける力量があるかないかで、ここらへんはまだ課題が残ると思う。しかし磨けば光るかなと私は思った。
結果はフロッグスプラッシュでビーストの勝ち。ここだけルチャっぽかった。でもなんでレアルの逸材はキッズかルードからしか現れないんだろう。そこが不思議でならない。
★第3試合★ マノ ア マノ スペシャル シングルマッチ時間無制限1本勝負
×エル・ファルコ VS ◯KAZE
エル・ファルコのデビュー戦は見逃した私だが、対するKAZEのデビュー戦は見届けている。1999年、昼夜ダブルヘッダーで行われた華☆激の大会でともに、夢ファクのスーパーヘビー級とのシングルマッチというのが、新人KAZEに課せられた課題だったのだ。当然勝てるわけもなく二連敗。
しかしその試合から感じ入るものがあって、試合後、私はサインと記念撮影をお願いした。当時10代だったKAZEは「一生懸命頑張りますので、応援お願いします」といって握手してくれた。
それから約20年弱。10代の頃の面影はみじんもないビール腹になった中年マスクマンが今、私の目の前にいる。選手としての才能は今でも高いと私は思っている。KAZEは実際レアルや、他団体では今でもいい試合をすることがある。
だが、自身が団体を率いたり、大会を開いたりということに関しては才能がなかったということだろう。おまけに先輩が見てないところでは、手を抜いたファイトをするようになって、私の中ではKAZEは「終わった」選手になっていた。
しかし、2017年のGT-R興行で、当時華☆激のKINGと一騎打ちした時に、ああ見えても「できる」選手の片りんをのぞかせてきた。普段やっていることがどれだけちんたらしていても、もともともっているものはもっているので、油断するとファルコだってKINGの二の舞になりかねない。そういう意味ではあなどれないのだ。
でもそれでもタラタラしているようだったら、容赦なく叩き潰すようにファルコには檄を飛ばしておいた。
試合はファルコがKAZEを背後から奇襲。そのまま場外へトぺ敢行し、勢いに乗った。しかしリングに戻ったKAZEはボディへ膝蹴りを入れ、頭突きでダメージを与えると、スリーパーでファルコを捕獲し、スタミナロスを狙う。このベテランならではのいやらしい試合をするKAZEは憎々しいほど強かった。っていうか普段からこういうファイトしろよな。
これだけダメージを受けてしまうと、さすがのファルコの勢いもぴたっと止まってしまう。だからまあ普段なら必殺技にならないタイミングで出そうとするKAZEのスーパー稲妻キックも説得力十分で、ファルコは対角線コーナーに吹っ飛ばされる。
だが、雪崩式ブレンバスターを狙ったKAZEに対して、コーナーポスト最上段で粘るファルコは、ここら逆に雪崩式のファルコンアローという奥の手を出してきた。これで一気に形成は逆転。
ただ、おしむらくはこの技で仕留められなかったということで、これはファルコが悪いというよりはKAZEの経験とテクニックが上回っていたということだろう。
ここからスイッチが入ったようにKAZEはさらに畳みかけ、奥の手であるタイガー・スープレックスで粘るファルコを振りほどいた。
キャリアからいうと大人と子どもくらいの差がある(でも年齢差はそうでもない)選手に対して、KAZEがちゃらちゃらせずに本気の闘いをみせてくれたことを、私は大変うれしく思う。どんなに腐ってもKAZEはKAZEだったのだ。
試合後、マイクをもったKAZEは「正直あぶなかった。でもなファルコ、お前、ネグロを倒してこい。そうしたらもう一回相手してやる」とエールをおくる。これに対して完敗を認めつつも「世代とかそんなの関係ない。俺は全員ぶっつぶしてレアルのてっぺんに立ってやる」とファルコは宣言。
ルチャだろうとプロレスだろうとそこに気持ちの入らない試合はただ技の品評会をしているにすぎない。しかしKAZE対ファルコは両者の気持ちがビシビシ伝わってくる名勝負だった。これをみたほかのレアルの選手たちが何も感じなかったら、それはその「選手の成長の終焉」ではないかと私は思っているのだ。
友人だからいうわけではないけど、本当にお見事でした。
★セミファイナル★レレボス・アウストゥリアーノス6人タッグマッチ 時間無制限1本勝負
◯RANMA、ヴァンヴェール・ネグロ 、ウラカン・マリーノ VS ×エキス・オダジモ、 聖氣、アグー
華☆激の第一回篠栗大会では初のタイトルマッチに、慣れないプロレスのモードにオタオタしていたネグロが気がつけば、その篠栗でチャンピオンになり、各団体から引く手数多になっている現状を、マリーノやほかのメンバーがどう思っているのか?気になるところではある。
ぶっちゃけ、ネグロに追いつくどころか、ファルコにも追い抜かれているのらだから、ジェラシーをひめている場合じゃない。全盛期の長州力ならば、まさにかませ犬にされてたまるか、とばかりに試合をぶち壊しているかもしれない。
レアルの中で彼らは間違いなく一軍メンバーである。だから、セミファイナルをまかされたからには、果たすべき義務がある。
1年半前まで、レアルは先生方を除いてジャックとユーセーにおんぶに抱っこだった。その現状打破を試みて成功したのは、今のところネグロひとりである。1年半もの間、ファルコがのし上がるまで、いわゆる一軍クラスが無風状態だったから、レアルには足を運ぶ気にはなれなかった。
この中で誰が波風立ててくるか?私はそこに期待してみたいと思っていた…のだが、前半で早くも残念なシーンが。オダジモと聖氣がマリーノ1人にまとめて蹴散らかされたのだ。相手がRANMAならまだ許せるが、先輩とはいえ、これから超えていこうとする相手にいいようにされて怒らない彼らの気持ちが理解できない。
長州力の言葉を借りれば「向いてないんじゃないか?」ということである。気持ちを表現しなければならない場所で、怒りを表さない時点で、彼らが反撃に出ても感情移入できない。気持ちの乗らない技を披露するだけなら技の品評会となんらかわらない。
下手すると、ネグロやRANMAが後半気を遣って受けていたようにも見えた。この試合はオダジモや聖氣が「ただ頑張りました」で終わりにしていい試合ではなかったはずだ。
最後にマイクを持って相手の強さを讃えるネグロはただのいい人に成り下がっていた。彼の役割は圧倒的強さをみせつけ、ボロ雑巾になった後輩に「ここから這い上がってこい!」と檄を飛ばすことではなかったのだろうか?彼らに勝ったくらいでいい気になっていてはレアルの足元すら揺らいでしまう。
かつて2代目タイガーマスクをリーダーとした決起軍は、馬場さんから「決起してないから解散させます」と三行半をつきつけられた。今日のオダジモと聖氣にはかつての仲良しこよしの決起軍がちらついて仕方なかった。
ただの試合として組まれているんだったら、私がこんなに文句を言う必要はない。試合のクオリティ自体はとても高いものだった。
だが、世代闘争とかレアルの意識改革とかが試合のテーマになっている以上、そこの部分が何も感じられなかったら表現者として終わりである。
ルチャとかプロレスとか関係なしに、どん底から這い上がろうとしないヤツに、見る側がどんな思い入れを持てというのだろうか?試合内容さえよければいいというなら、この試合はエキシビションに降格させるべきである。
正直、KAZE対ファルコと試合順を入れ替えた方が良かったし、この試合はセミファイナルに値する内容ではなかった。レアルの改革はなかなか一筋縄ではいきそうにないな、というのが私の正直な意見である。
★メイン イベント★ジャベ・リブレ 5分2R制 延長戦3分
〇磁雷矢 VS ×ツバサ
ルチャリブレ=空中戦と勘違いしている若いファンも多数いるかもしれないが、ルチャリブレの真髄は、むしろ複合関節技(ジャベ)にあると私は思っている。いわゆるゴッチ式でも、ヨーロピアンスタイルでもない、メキシコ独自の複雑極まりない関節技の奥義は今やなかなか見ることができないものになりつつある。
もっとも私だって若い時分は空中戦に熱狂していたし、華麗に空を舞うルチャドールの姿に憧れて悪いとは全く思っていない。ただ、なんでも飛べばいいというのだったら、それはプロレスではなくなってしまう。そういう危機感は常に抱いているのだ。
そういう点でいうと、磁雷矢校長が始めたジャベ・リブレには非常に興味があって何とか生で観たいとかねがね思っていた。事前に異色な試合になるのはわかりきっているし、校長は若い時から飛ぶルチャドールではなかったから、このメインイベントは極めて妥当なところ。
それだけに、ツバサという実力者が相手になるというのも興味深い。ツバサはどちらかというと、飛ぶ選手だが、ベテランだし、オールラウンダーでもある。
このルールを簡単に内容を表現すると、キックのないUWFといった感じ。いわゆる新日本道場の練習「決めっこ」に近い感じかなと私は思った。
やはりこのスタイルは校長には向いているし、飛ばないルチャを広めるにはこれ以上ないものだと思う。ただ、ジャベポイントというのがわかりにくい。加えてロープエスケープがフリーになっている点も解せない。
5カウントでジャベが「有効」になるのは面白いなと思ったけど、ただ、問題はその伝え方。
選手個人はとても素晴らしいスキルをもっている。これはもう疑いようがない。私もひさびさに食い入るように試合を見させてもらった。ジャベは本当に奥が深くて面白い!せっかくこれだけの内容でありながら、伝え方にはまだまだ工夫する必要もありそうだ。
例えば実演でルール説明があるとかすれば、もっと伝わったのではないだろうか?だからこそ、改善していかないといけないところはいくつもある。
まずレフェリー。この試合だけMr.Suuではなかった(Mr.Suuはリング下でサブレフェリー的な役割をしていた)のだが、メインレフェリーは、ジャベポイントを判定する側なんだから、最低限ジャベが決まっているかどうかは把握しておかなければならない。人間間違うことは誰にだってある。だからこそ、それを防ぐためにもサブレフェリーやジャッジをおいてもいいかもしれない。
この試合でジャベが決まったという意味でレフェリーが「ジャベ」とコールしていたが、リング下のMr.Suuに「まだ決まってない」と指摘されて取り消すなど、誤審寸前の場面があった。一番の理想は校長自身がレフェリングしてしまうことだが、そうなると選手として校長の試合が見られなくなる。で、あるならば、やはり同士を増やしてその中からレフェリーを育成していくほかない。
あと、先程も書いた通り、ロープエスケープがフリーなのはやはりいただけない。5カウントでポイントが入るルールは斬新だが、ロストポイント制の方が、見ている側はよりワクワクできる。見る側が勝ち負けに興味がいきにくいという点では、加点方式はプロレスにもルチャにも向かないのかもしれない。
何より試合後ツバサが言っていたように「俺はギブアップしていない」という形でアピールされると、勝者の価値が下がってしまう。もっとも得失点差というのはプレイヤー自身にも負けた実感が薄いのだろう。ということは、観ている側には余計実感できない。決められていて「痛そう」と観客におもわせる「伝え方」は選手の側も考えていく必要がある。可能性がある分、まだまだジャベリブレは発展途上の競技なのだろう。
それでも、ジャベについては達人の域にある校長とツバサだけに、お客にわかりやすく見えやすい決め方を心がけていたのは好感がもてる。試合内容は文句なかった。ジャベリブレは確かに面白い!だからこそ、普及させるためには、プレイヤーが当たり前だと思って省略しがちなところまで丁寧なかみ砕いた説明が必要ではないだろうか?
後記
レアルに関しては選手の意識改革もさることながら、ルール面の整備、進行の手順などまだまだやるべきことがたくさんある。これだけの人材がいるんだから、皆で知恵を出し合えば、きっとよりよいものになるに違いない。学校だからといっていつまでも校長や教頭におんぶにだっこではいつまでたっても未来は見えてこない。
改善点がみえるからこそ、ここで立ち止まってはいけない。レアルは大会の出来不出来が激しいけど、今回みたいな大会を積み重ねていけば、きっとより将来も明るくなるだろう。期待しています!