[プロレス観戦記] DRAGON GATE TRUTH GATE開幕戦(2014年1月31日(金)福岡・小倉北体育館)

せかぷろ

DRAGON GATE TRUTH GATE開幕戦

(2014年1月31日(金)福岡・小倉北体育館 観衆:850人(超満員))

写真はこちらから

イントロダクション

1月31日は15年前に闘龍門が日本へ逆上陸した国内旗揚げ記念日だったんだそうである。そういえばドラゲーとしては小倉での観戦は今回初。前回行ったのが闘龍門2000だからどんだけいってないんだ?^^行かない理由は明確で、テレビ西日本でTV放送があるドラゲーには希少価値が無い。下関でもみられる。それだけ。メジャー最大手の新日は北部九州・山口をあわせて年1回。ドラゲーは二カ月に一回。希少価値の差がわかるだろうというもの。

今回は下渡がむしゃら後援会長のご厚意で観戦させていただいた。会長、ありがとうございます^^

オープニング

「ただでも行かない」と「ただだったら行く」という差はどこにあるのかなと思ったけど、やっぱドラゲーは試合スピードが速い。クオリティも悪くない。だから時間さえあえば行ってみようかなという気にはさせてくれる団体ではある。しかし、有料で見てる下関大会との差異をたくさん発見できたので、今回はそれと比較しながら観戦記を進めていこうと思う。体調悪いなりにかける観戦記もあるんで^^今回はそのバージョンです^^

そうそう、ドラゲーで開幕戦みるのもはじめてだな。いつも博多大会のあとにくる下関では選手が疲弊しまくっているのが如実にわかるのでその差もみてみたかった。

第1試合:タッグマッチ

サイバー・コング&Kzy VS ドン・フジイ&ドラゴン・キッド
×Kzy(12分35秒、バイブル)ドラゴン・キッド〇

もう、最近の抗争はいちいち情報拾わないので誰がどこに所属してるのか全く把握してない。ゴング前から吠えるサイバーはモモまでの黄色いショートタイツ。悪役なんだけど黄色?これは意外と新しい。そしてフジイさんの試合がみられるというのも何年ぶりだろう?

この第一試合を見てて思ったのは、リング下でセコンド業務してる若手が結構いるよなと言う点。博多はTV入る分地方大会の枠にはいれないけど、いわゆるハウスショーであるなら今までのドラゲーの「第一試合=つかみ」的な役割はもういらないような気がするので、彼らの試合を一試合組んで将来のスターをみる楽しみを我々に与えてはくれまいか?
そうすると無駄に疲弊したスター選手のつかみよりはぐっといいものがみられそうな気がする。新しいプロレスを標ぼうする団体が、従来型興業に回帰するのは勇気がいると思うけど、地方巡業のお客の前で試合するのって、後楽園やホームの神戸とは違う経験値になるはずだからだ。今後クレージーMAXのデビュー時を超えるような鮮烈な若手ももしかしたら生まれてくるかもしれないし。でも今は見慣れた安心感だけでカードを組み立てている感じしかしないから、冒険心が伝わらないのだ。

とはいえ、もちろんこの試合が悪かったわけではない。開幕戦だけあってみな動きも「キレキレ」だった。でもこれだと「いつものドラゲー」の域を出てないんだよねえ・・・人間は贅沢になれると要求だけは厳しくなってくるのである^^

第2試合:シングルマッチ

YAMATO VS 琴香
○YAMATO(11分40秒、ギャラリアから片エビ固め)琴香×

なぜか対戦カード発表で一番人気だったのがこのカード。琴香が九州出身だからということではなく、単純にドラゲーのお客さんも「新しい風景」に飢えている感があるのかなと思った。琴香にこそ!それを見せてほしいんだ、と自分は願っていたんだけど、新風景を見せようとしていたのはYAMATOの方だった。あのとってつけたようなナルシスキャラ以外はいたって真面目に嫌味な悪役に徹していたからだ。

YAMATOは手を差し出し正々堂々をアピール。悩んだ琴香は手を叩き弾いたが、YAMATOはロックアップから琴香を押し込みクリーンブレイク。再度のロックアップは琴香が押し込み嫌みたっぷりに胸を叩きブレイクするが、YAMATOはこれを拍手で称える余裕を見せると、セコンドの土井、ハルク、Kzyに対して「ワールドワンだ」と握手。琴香にも手を差しのべるが琴香はまたもや拒否すると、豹変。「大人しく握手してりゃいいんだよ」と制裁開始するといったあたりが、嫌味というより理不尽な感じもするんだけど、試合の主導権を必死で作っているYAMATOの努力は伝わった。

YAMATOはコブラツイストで絞めあげると、その体勢から叩きつける変形ストレッチボム
そしてコーナー際に追い込んだ琴香にフロントハイキック。怯まない琴香に「いい目してるな」と持ち上げる。このあたりもうまいところ。琴香はこれを張り手で逃れ、YAMATOを場外に出すとトペで追撃!琴香はさらにブレーンバスターからダイビングフットスタンプと連続で放ち、起き上がったYAMATOにランニングエルボーと、琴香にとっては唯一勝利のチャンスがあったかなという場面もYAMATOの余裕をかき消すには至らず。冷静にエルボーを叩き込み垂直落下式ブレーンバスターからギャラリアで3カウントをとったYAMATOは手鏡にうつる勝利者の姿[自分]に見ほれながら退場・・・でもこのキャラ長続きするのかなあ???

第3試合:タッグマッチ

T-Hawk&ヨースケ・サンタマリア VS ジミー・神田&Mr.キューキュー“谷嵜なおき”豊中ドルフィン
×ヨースケ♥サンタマリア(12分38秒、インプラントからエビ固め)Mr.キューキュー“谷嵜なおき”豊中ドルフィン〇

ミレ二アルズは昨年の下関ではまだ登場しておらず、今回が生では初観戦。やはり新しい光景に飢えているものからすると、期待値は高い。しかし、「Mr・キューキュー」コールはもう見飽きたというか、新鮮味がない。あれだけやってる「H・A・G・E」や「サイクリングヤッホー」なんかいまだに飽きないのにこの差はいったいなんだろう?

さて、ミレ二アルズがどういう立ち位置なのか?いまいち把握できないでみていたんだけど、ヨースケのキャラはメキシコのルチャドールにありがちなオネエキャラということでいいのかもしれない。やや下品ではあるが、このくらいの方が面白い。でも新風景かどうかというと、やっぱ散々そういうのはみてきてるわけだし、最近でいうとマキシモあたりとかと比べるとかわいそうだけど役者が違うんで、新しさはない。一方のT-Hawkにしても、かつていた近藤修司や今のサイバーコングの域には達してないパワーファイターという感じ。メキシコから逆輸入して一時CIMAまで加入させて売り出した割には、やっぱ新人の域をでていない、というのが私の現時点でのミレ二アルズの評価である。

試合は神田が玄人芸で流れを上手に作ってるなあというのだけが印象に残った。

第4試合:タッグマッチ

土井成樹&B×BハルクVS望月成晃&Gamma
〇土井成樹(11分32秒、V9クラッチ)Gamma×

MAD BLANKEYの奇襲でゴング。戦場が場外戦になっていく。この日はベテラン軍が好調でGammmaは亡き冬木弘道ばりの奇声ストンピングをやっていたり、モッチーの蹴りも鋭さに磨きがかかっていて、土井・ハルクが若手にしか見えないくらい頑張っていた^^
だが、好事魔多しというか、つば攻撃にこだわったGammaが、それで墓穴を掘った感があった。セコンドのKzyがイエローボックスで援護すると、即座に土井が丸め込んで3カウントとってMBの勝利という結果に。まあでも土井の勝利は、「セカンド土井」時代なら大ニュースだけど、今ではフロックでもなんでもないからねえ^^意外と場外戦以外印象の薄い試合になったという結果の方が問題かもしれない。そういう意味では悪役ユニットとしてのMBにもまだなんらか改善される課題があるということなんだろう。

メインイベント・第五試合:6人タッグマッチ

吉野正人&鷹木信悟&戸澤陽VS堀口元気H.A.Gee.Mee!!・ジミー・ススム・斎藤“ジミー”了
〇鷹木信悟(20分12秒、MADE IN JAPANからエビ固め)ジミー・ススム×

戸澤がいつものようにコーナーに上がってアピールしたが、勢いで崩れおち金具にコメカミ?をぶつけてしまうというアクシデントが発生!ここで全部戸澤がもっていってしまった・・・・でも戸澤は正統派の方がいい感じはする。憎まれない悪役よりどじっこ?という立ち位置の方がなんか似合うというか^^

ここで今まで誰もマイクをもたなかったのだが、初めて吉野がマイクを持った。「小倉の皆さんこんばんわ!ノリがいいですね?ノリが良すぎて試合前にマイク持っちゃいましたよ。
まぁね、戸澤くんは先週体調不良で欠場してましたけど」とアピール。長く見てるとわかるんだがビッグマッチ明けのドラゲーの地方大会は全試合にマイクがあってしかも長い・・・でもまあここは戸澤がおいしいところを用意(偶然だけど)したので当然戸澤に話がふられる。「今は大丈夫ですか?」と問う吉野に「金具にぶつけたぐらいで(笑)」とかえす余裕すら見せる。

吉野はテーピングを外して堀口の頭部にダメージを与えると、斎了の“フリ”からターンバックルのマジックテープ部分で頭部を攻撃するおなじみの髪攻撃でも大活躍。それでも“H.A.Gee.Mee!!”を受けてコルバタで切り抜けた堀口がゴムパッチンを要求、ゴムこそ奪われたが堀口が外して吉野は豪快にこれを受け切った・・・・とはいえ、ゴムの長さはもう少し長くてもよかったかな?

一方サイリョウは「小倉で今年初のサイクリングヤッホー決めにいきましゅ…」と大事なところで噛んでしまうと吉野が起き上がっていた、というところでまたしてもサイクリングヤッホーは未完成?と思ったら優しい吉野がサイクリングヤッホーをかけさせてあげるという展開に。これに気をよくして油断した斎了にMONSTER EXPRESSが攻撃
ススムを倒し、コーナーに上がった戸澤だったが追走され雪崩式エクスプロイダーから斎了がダイビングボディプレスで反撃。しかし鷹木がカットでススムにパンピング弾。ススムも鷹木にジャンボを放ったが鷹木がMADE IN JAPANでサイリョウをふりきって3カウント!
試合後のマイクもなめらかで「よ~し小倉勝ったぞぉ!戸澤くん、コーナーから落ちた甲斐があったね。メイン勝てましたよ~!まぁね、小倉から始まって佐世保、博多と続きます。博多ではツインですか?3本のベルトが1本にならないようにね、いやぁね、小倉はノリがいいし女の人は可愛いしキレイだし、男の人はかっこいいし、小倉にどこに欠点あるんですか。」とどこの土地でもやってるんだろうアピールをやる吉野。でもこれがどの土地行ってもすらっといえちゃうところがドラゲーのスキルの高さと旅慣れてるメジャーの底力だと思うのだ。

吉野は「僕は両親が九州ですから、生まれは大阪ですけど九州は故郷に帰ってきた感じなんですよ」といって「ただいま~!」と会場にいうと「おかえり~」でかえされるアットホームな感じで幕が降りた。

後記

メインはさすがにはずしなしというか、まあいつものドラゲーではあったんだけど、違うのはコンディションのいい時にみるとドラゲーは普通に面白い団体だなあということ。それは間違いない。

割引券や招待券をばらまいて、次の有料集客につなげるのではなく、固定収入(割高なグッズ、囲い込んだファンクラブシステムなど)につなげ、コアなファンの囲い込みには成功してるドラゲーは団体としては成功してるんだけど、自分らみたいにかやの外にいる人間が足しげく通う要素がない。

もっとあるとなおいいんだけど・・・・今のやり方だとプロレス界全体には還元されないよねえ、というのがドラゲーのシステムなんでメジャーの一翼を担う団体としてはどうしても物足らないし、年一回でいっか、という感じになってしまう。まあ、それでもいいというんであれば、何もいうことはないんだけど・・・・

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松江だんだんプロレス主催試合「BATTLE DIMENSION 5」Inスサノオカフェ (2016年3月6日(日)会場/スサノオカフェ特設リング) イントロダクション 松江だんだんプロレスは総合格闘技団体「YAMATO」を母体として派生した






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