新日本プロレスレスリングどんたく2012(12・5・3 於:福岡国際センター)
イントロダクション
ざっと数えて何年ぶりのレスリングどんたくだろう?ぶっちゃけ今までだと最高で棚橋対中邑でメインというのが一番のカードでこれしか切り札のない新日にはあまり興味が沸かなかった。おまけにこの時期体調もきついし・・・と思っていたんだがそれを翻意させたのは誰あろうレインメーカー。
一過性のブームで終わるか?それとも後藤に王座を渡してまた持ち回り式の複数スター制で無難にことを進めていく気なのか?そこのところの新日の腹積もりが知りたかったのだ。
で、なんとか無事にこの混雑を乗り切って国際センターへついたはいいがG1の時と違って凄い人・・・マスターは所用でこられないと聞いていたんでチケット引き換え所で3000円のチケットを購入。ところがいないはずのマスターが現れてチケットがダブってしまったんであわてて窓口に戻って一枚キャンセル。
あぶなかった・・・・・
中に入るとあの混雑の中で一月にがむしゃらで試合した堀田さんと偶然遭遇。こっちもびっくりだが堀田さんもびっくりしてた。どういう確率なんだよ^^
チケットの売り上げに反して出足は鈍かったが、中盤には9割埋まっていた。カード的には一枚オチなんだが今の新日の勢いを感じさせるものがあった。
オープニング
大会開始前、尾崎仁彦リングアナウンサーが、デイビー・リチャーズの欠場(空港へ向かう際に交通事故に遭って負傷)対戦カードの変更を発表した、これに伴いIWGP Jrタッグ戦は消滅。王座組はタイトル剥奪となった。
その後、元・九州朝日放送のアナウンサーで、テレビ朝日「ワールドプロレスリング」の実況も担当していた福岡市の高島宗一郎市長が、「博多どんたく港まつり」で使用される衣装で登場。
「皆さん、博多どんたく港まつりへようこそ! 福岡市の高島宗一郎です。この2日間で230万人。国内・海外から、このゴールデンウィークでは日本で一番人が集まるお祭りが、この博多どんたくです。その祭りのド真ん中に、いま、セルリアンブルーのマットがあります。さあ!レスラーたちよ、その鍛え抜かれた肉体で最強のファイティングスピリットを見せてくれ!! 『レスリングどんたく2012』、開幕!」ともとアナらしい最高の前ふりでオープニングスタート。
この人もアナ時代は自費で関東方面まで観戦にいってたほどのプロレス好きでH下大阪市長ほどではないが結構人気もあるのだ^^
第1試合20分1本勝負
●タマ・トンガ&キャプテン・ニュージャパン&ストロングマン 対 ○石井 智宏&邪道&YOSHI-HASHI
(7分12秒垂直落下式ブレーンバスター→片エビ固め)
この第一試合と第2試合の選手コールを声優の橘田いずみさんが担当したんだが発声はともかく迫力不足でなんでこんな人選したんだろう?市長に残ってコールしてもらった方がよっぽどよかった。
試合は、キャプテンと邪道の先発でスタート。いきなりキャプテンがフライングボディアタックで先制し、トンガと一緒になって邪道をいたぶる。これで邪道は、タッチを求めたままの姿勢でダウンしてしまうお得意芸を披露。
すると、早くもキャプテンがキャプテンチャージを開始するが、後ろからYOSHI-HASHIが妨害。そのまま串刺しラリアットなどを浴び、動きが止まってしまう。もうキャプテンってあれだな。「レスリングができる勇者アモン」状態だとしか言いようがない^^お客も半ばからかい半分でキャプテンコールしてるし^^どんだけ試合がしょぼくても前向きな所は似てると思う。
替わった石井がマスクに手をかけ、キャプテンはますますピンチに陥る。が、窮地を脱してストロングマンにスイッチしてお役御免になってしまった^^
しかも石井はパワースラムでさらにかわったトンガを雪崩式ブレーンバスターで追撃。するとトンガは、ウラカン・ラナで流れを引き戻し、前後の連続リープフロッグからドロップキックを見舞っていくが軽量故の悲しさか、耐えた石井がカウンターのラリアットで逆襲~垂直落下式ブレーンバスターでトンガから3カウント。
まあ第一試合らしいしょぼい試合だったというか・・・これならヤングライオン同士の試合の方がまだよかったかな?いつか勇者アモン対キャプテンの対決を見てみたいものだ。あのキャプテンが激怒する事必至だろうけど^^
第2試合20分1本勝負
●KUSHIDA&田口 隆祐 対 ○タイチ&TAKAみちのく(08分16秒・タイチ式外道クラッチ)
なぜか鈴木軍はタイチのテーマの前奏に風になれのインストを使ってた。この曲は嫌いではないがやっぱYAMATO PART4がいいなあ^^
鈴木軍は正規軍を完全に見下していたが田口が口火を切って続くKUSHIDAがTAKAをドロップキックで場外へ追いやリ先制。しかし、場外からタイチが脚を引っ張って妨害。そのままTAKA組がKUSHIDAを捕まえ、トレイン攻撃、急所攻撃などでいたぶり続ける。その後もTAKAのランニングニーアタックを食らうなどローンバトルになったKUSHIDAだったが、延髄斬りでTAKAに逆襲し、ようやく脱出に成功。替わった田口は、ミサイルキックでTAKAを吹き飛ばし、スリーアミーゴを敢行。
流れを引き戻す。しかし鈴木軍がKUSHIDAに狙いを絞っていた。田口が場外のTAKAにプランチャを繰り出すも、かわされて自爆してしまうあたりから雲行きが怪しくなってきた。それでもKUSHIDAは、バズソーキック、バックブリーカーでタイチに追撃し、コーナー最上段にのぼる。ところが、TAKAがタイチをどかして自らが寝そべり、KUSHIDAのムーンサルトプレスを浴びるという献身的犠牲のおかげでタイチが蘇生。
そうとは気づかないKUSHIDAはそのままフォールに行くが、カウントは入らず。その隙をついてタイチが外道クラッチでKUSHIDAを丸め込んだ。この試合はタイチの頭の良さとTAKAの受けの強さばかりが目立った試合だった。ここぞというところで強みを発揮する鈴木軍の二人はただの腰ぎんちゃくではないのだ。KUSHIDAの若さがいいように利用された感じだった。
第3試合20分1本勝負
○タイガーマスク&獣神サンダー・ライガー 対 ●外道&ロッキー・ロメロ(07分50秒・飛びつき回転十字架固め)
デイビー・リチャーズの欠場で王者組の王座返上が決まり、通常のタッグマッチに変更となったんだが、せっかくここまでJrタッグ挑戦を掲げ、シリーズを戦ってきたライガー組にしてみれば、とんだとばっちりだろう。
それはロメロの同じで「フォーエバー!!」などと叫びながら激しく抵抗したが、最後にはベルトを手放した。
怒り心頭のロメロはタイガーのマスクに手をかける。今回執拗にタイガーはマスクを狙われてたが、もともとこういう作戦だったんだろうか?一方タイガーもがカウンターのローリングソバットからトペスイシーダで追い討ちして反撃。
しかしタッチしたライガーも孤立してしまい、外道の顔面踏みつけ攻撃やチョーク攻撃、ロメロのコブラツイスト、連続串刺しラリアットなどでさんざん痛めつけられる。が、窮地を脱したライガーは両腕ラリアットで外道とロメロをなぎ倒す。そして、エプロンからのトペコンヒーロでロメロを分断。
それでも外道は、マンハッタンドロップ、パンチで逆襲。そして、ロープへ走るものの、かわったタイガーが飛びつき回転十字架固めで電光石火の3カウン。
試合後、ロメロがタイガーのマスクを完全に剥ぎ取ってしまう。激怒したライガーは、「オイ!ロッキー・ロメロ、よく聞けよ!今日のこの日! この国際センターで俺とタイガーマスクが、オマエたちのタッグのベルトに挑戦する! それを応援に来てるファンが、どれだけいることか!福岡よ、俺は誓う!! 俺とタイガーマスクが組んで、必ずIWGPのJr.タッグチャンピオンになって、この国際センターで必ずタイトルマッチをやるんで! 応援よろしく!!」とマイクでアピールしてやっと溜飲をさげた。
まあしかし計算通りにいかないのがプロレスとはいうもののやっぱ暫定王者決定戦にするとか方法はあったと思うんで、ちょっとこのカード変更はいただけなかった。試合内容もぱっとしなかったし・・・・
第4試合60分1本勝負
IWGP Jr.ヘビー級選手権試合
●プリンス・デヴィット対○ロウ・キー(21分01秒キークラッシャー99)
※ロウ・キーが第63代Jr.王者となる。
あおりVで昨年5月14日ニューヨーク大会のリターンマッチとなったデヴィットとロウ・キーのIWGP Jr.ヘビ級選手権試合にいたったいきさつが語られたがこれは親切かもしれない。
流れとして至極まっとうな理由でロウ・キーは挑戦者になったわけで、実力もある。ましてやシリーズ通してデヴィットの脇腹を徹底的に破壊し続けたロウ・キーの頭脳派ぶりはすべてこの日のためのもの。
その執念たるやすさまじい。果たして今の体調で王座防衛なるのか?
ロウ・キーは、デヴィットの肩へ飛び乗り、脳天にエルボースタンプを投下。そして、デヴィットのボディをトップロープへ激突させると、場外マット上でボディスラム。
さらにリングに戻り、ロウ・キーが踏みつけ攻撃、エルボードロップ、コブラツイスト、卍固めと徹底的に脇腹狙いの猛攻。
なんとか一矢報いたいデヴィットは助走式ドロップキックでロウ・キーを場外へ追いやって、ノータッチトペコンヒーロで追撃しロウ・キーをコーナー最上段へ上げようとするが、ロウ・キーがこれを回避して、エプロンから変型ドラゴンスリーパーで逆襲。これでエプロン上の攻防となり、ロウ・キー
がデヴィットを突き飛ばして鉄柱にぶつけ、キック2連発で場外へ落とす。
なおもロウ・キーは、ミドルキックを浴びせてデヴィットを本部席に寝かせると、コーナー最上段からダイビングフットスタンプを敢行。だが、間一髪でデヴィットがかわして自爆。収納する鋼鉄製の箱でロウ・キーのボディを殴打。
ロウ・キーの後頭部めがけ、ダイビングフットスタンプをお見舞いしたデヴィットはここが攻め時。
リバースブラディサンデーで追撃してドリームキャストにつなぐものの、ロウ・キーが回避して浴びせ蹴りで逆転。
さらに、キークラッシャー99、変型ドラゴンスリーパーから打撃ラッシュを繰り出すが、デヴィットがまたしてもドリームキャストで反撃。そして、ブラディサンデーの体勢に入っていくが、ロウ・キーはこれを読んで前方回転して脱出。さらに、ショートレンジドロップキックでデヴィットを吹き飛ばし、コーナーへ激突させた。
ここでロウ・キーはコーナー最上段にのぼり、フェニックススプラッシュを敢行するが、デヴィットが両膝を立ててブロック。
そして、ダイビングフットスタンプからフォールに行くものの、カウントは2。展開としてはここが山場だったと思う。
デヴィットは再三のブラディサンデーをかわされ焦りがあったのかもしれない。逆さづりになったデヴィットにロウ・キーがボディへダイビング
フットスタンプを投下、もう1度キークラッシャー99で3カウントを奪取した。
試合後ベルトを抱きしめ涙する新王者。そのなみなみならぬ決意が非情な攻撃を生んだのだからやっぱただもんではないよ。
第5試合60分1本勝負 IWGPタッグ選手権試合
●小島 聡・天山 広吉 対 ○矢野通・飯塚高史(16分47秒 鬼殺し→片エビ固め)※矢野&飯塚組が第59代タッグ王者となる。
矢野と飯塚に奪われたベルトを奪回するべく、天山と小島がテンコジ警察として登場。煽りVではやたらやられてるのにテンコジ警察という響きがいかにもな感じでさっきまでの身を削るような試合の余韻が一気にアットホームなムードに^^
そんなテンコジ警察の2人はまず矢野に襲い掛かり、さらに飯塚も2人がかりで蹴散らすが、小島のロープワークを矢野が場外からイス攻撃で妨害。
たちまち場外戦となり、飯塚が天山、矢野が小島に大ダメージを負わせる。
これで矢野組が小島を捕まえ、ラフ殺法で徹底的に痛めつける。小島のローンバトルに天山も介入の機会を見失ってしまう。このあたり名タッグでも分断してしまう矢野・飯塚の頭の良さが光った。
矢野が小島を突き飛ばしてマーティー浅見レフェリーと激突寸前にし、背後から急所攻撃を食らわせ、裏霞で丸め込む。その上飯塚が、天山が持参した手錠を持ち出し、天山の腕を場外の鉄柵に固定。
一方、リング上では小島が矢野の後頭部へラリアットを叩き込み、右肘のサポーターを投げ捨ててラリアットをお見舞い。
そこからフォールへ行くものの、飯塚が浅見レフェリーを場外に引き込んでカウントを妨害。
レフェリー不在の中、飯塚がアイアン・フィンガー・フロム・ヘルを装備、
小島に地獄突き。さらに、矢野がCHAOSチェアーで小島の頭を打ち抜き、最後は鬼殺しで3カウント。
これではテンコジ警察も形無しである。頭のよさとここまで因縁をひっぱってきた矢野たちの計算が最後でずばりあたった格好でこれではテンコジも浮かばれまい。しかしこの悪党王者
意外とできる!
第6試合30分1本勝負 スペシャルタッグマッチ
永田 裕志・●真壁 刀義 対 高山義廣・○鈴木みのる(13分43秒ゴッチ式パイルドライバー→体固め)
因縁の永田・みのる決着はここで着くのか?と思ったら意外にも鈴木軍の標的は真壁だった。
セコンド含めた集中砲火にさらされた真壁は試合中盤パワースラムで高山に逆襲して永田にタッチ。
永田と高山の絡みではキック合戦もみられたが、高山は腰の入ったキックうてないくらい体調悪そう。さすがにU系がキックの打ち合いで負けちゃダメでしょ・・・・
しかし、鈴木が追走式キチンシンクで巻き返し、高山と一緒になって真壁にキック連射を浴びせる。そして、高山のバックドロップから、鈴木がスリーパーホールド。真壁の力が抜けると、鈴木はフォールに入るが、カウントは2。
苦しくなった真壁は、鈴木と高山を1人で蹴散らし、ラリアットで鈴木を倒す。そして、ジャーマンスープレックスを狙う高山を、永田が延髄斬りでカットする。
永田と高山のもみ合いにマーティー浅見レフェリーが巻き込まれる。この日はやたらレフェリー受難だったなあ。しかし不透明決着を恐れない新日もなにかがかわりつつあるのかもしれない。
場外からタイチがイス攻撃で真壁を妨害し、鈴木のスリーパーホールドから高山がジャーマンスープレックスホイップ。そして最後は、鈴木がゴッチ式パイルドライバー。高山が動けない分タイチとTAKAがいい仕事をしてた。まあしかしビッグマッチの露払い的カードだったなあ・・・
第7試合30分1本勝負 スペシャルシングルマッチ
●“ザ・マシンガン”カール・アンダーソン対 ○中邑真輔(12分15秒 ボマイェ→体固め)
レインメーカー登場によって一気に立ち位置が怪しくなった中邑。
必要以上にオカダともからまないし、孤高の道をいってるといえば聞こえはいいが、要は使い勝手の悪い選手になりはじめてる。同じ同門である以上オカダには挑戦できないし、ベビーターンも考えにくい・・・・
一方のアンダーソンはなぜか中邑戦に思い入れがあるらしく、このスペシャルマッチはアンダーソンのための試合だったようだ。
アンダーソンは、中邑の蹴り脚をキャッチしてトップロープへ固定し、背後からジャンピングフロントハイキック。そして、低空ドロップキックで中邑を場外へ蹴落としボディスラム、「ゴメンナサーイ!」と叫んでのセントーン、ジャンピングフロントハイキックと怒涛の攻めで中邑攻略に挑む。
ボマイェもアンダーソンがかわしてコーナーに激突させ、ジャンピングフロントハイキック・ランニングパワーボムで追撃すると、コーナー最上段からダイビングリバースガンスタンを敢行しアンダーソンは踏ん張った。
しかし、中邑がかわしてアンダーソンを自爆させ、飛び膝蹴り、リバースパワースラムで逆転。
立ち上がれないアンダーソンに襲い掛かってグラウンドで膝蹴りを連射。
一度は反撃したアンダーソンだったがバッククラッカーで逆転した中邑は
後頭部へボマイェを叩き込むと、正面からもボマイェを食らわせ、粘るアンダーソンをしとめてみせた。
第8試合30分1本勝負 スペシャルタッグマッチ
内藤 哲也・○棚橋 弘至 対 ●高橋裕二郎・田中将斗(13分59秒 ハイフライフロー→片エビ固め)
だいたいは棚橋と内藤の正義の二枚看板が悪のコンプリをやっつける構図になってないと成立しないと思うカードだが、その内藤が、高橋の噛みつき攻撃で失速し、場外戦に引き込まれてしまう。
鉄柵攻撃&鉄柱攻撃を食らった内藤。田中は竹刀攻撃で棚橋をも痛めつける。
ここから田中組が内藤を孤立させ、代わる代わるの攻撃で追い詰めていく。
棚橋がプランチャで田中を分断する中、内藤は雪崩式フランケンシュタイナーで高橋に追撃。
そして、スターダストプレスを敢行するものの、高橋にかわされて自爆。
この日の内藤は悪い時の内藤がでてたみたいで棚橋と比較されて俺がやらねば!意識が完全に裏目にでていた。
そこへいくと棚橋は相手の技を受けて受けてスリングブレイドで逆襲。
しかしピン同士でタッグ組んでる棚橋組は連携が悪すぎた。
苦しくなった棚橋は、高橋のラリアットをキャッチし、ダルマ式ジャーマンスープレックスホールド。さらに、TWELVE SIXに繋ぐと、最後はハイフライフローで勝負を決めた。
試合後、内藤が悔しさをあらわにし、棚橋を至近距離で睨みつけて、荒れ気味で敗者側の花道を引き上げていったがその気持ちを試合で出せなかったもんかね?
これで内藤のIWGP再戦は遠のいたとみた。
メインイベント・IWGPヘビー級選手権試合:60分一本勝負
(第57代王者)○オカダ・カズチカ 対 ●後藤洋央紀(24分55秒 レインメーカー→片エビ固め)※オカダが2度目の防衛に成功
正直顔見世程度の地方大会ではレインメーカーの実力ははかりかねたものの
シングルならばそうはいくまい・・・と踏んで見に行ったこの試合。
大当たりだった!!!!
なんせ余裕で相手の技を受けているのがわかるのだ。
しかも相手に先に得意技を出させそれをことごとく跳ね返していく。攻めれば必殺レインメーカーに繋ぐ徹底した首攻撃。理詰めで完璧な試合運びはとても24歳とは思えない。最初古のNWAタイプの王者になるかと思っていたがそのもくろみのはずれだったようだ。
確かにヒール王者として、対戦者に声援が飛ぶようしむけ、自分はとにかく汚い手を使ってでも絶対防衛するということをしない。相手の格をさげないで自分の格をあげていく全く規格外の王者だったのだ!
確かに声援は挑戦者に飛ぶのだがそれはオカダが強すぎるからで、しかもそれがじわじわ浸透してお客に伝わっていくのだ。これは鳥肌もんだった。
しかも相手の後藤は先輩で格上でもある。その後藤を手のひらに載せてしまっているのだ。
全てを受け止めたオカダが、膝で後藤の頭を蹴って脱出。そして、
素早く懐に潜り込み、一撃必殺のレインメーカーでカウント3!
何度も後藤の厳しい攻めをかえしてしまうオカダ。そう、観客はいつしか応援してる後藤より凄いオカダの実力にのまれていったのだ。それは対戦してた後藤もそうだっただろう。
これがバケモンでなくてなんだろうか?いやはや今のオカダでは正直倒せる相手がみつからないよ・・・・
棚橋が次期挑戦者に名乗りをあげ外道ではなくオカダに肉声で意思表示を
要求。しかし、王者・オカダは「IWGPは遠いぞ!」と“逆”警告で一歩もひかない。ついに口でも先輩を凌駕しはじめたレインメーカー!
正直これほど鳥肌が立つ試合はそうそうお目にはかかれない。それがみられただけでもよかったと思う・・・・
だいたい悪党王者が防衛となれば棚橋がなんらかの形で出てきて締めるのが常だったのが昨年までの新日。しかしこの日棚橋の再登場は次回予告でしか
なかった。しかも鉄板カードのオカダ対棚橋を最低年内にもう一回やるという新日の意思表示でもある。これで二回続けて棚橋が負けたらレインメーカーはブームではなくなる。かたや棚橋が勝てばレインメーカーが今まで築いてきたものが吹っ飛び、時計の針が逆進してしまう。
だがここまでオカダ対棚橋にプレミア度がつくとはだれが想像しただろうか?
いまの新日は困った時に連発してた棚橋対中邑に頼らなくていい団体になっていた。それは老舗でメジャーでありながら変貌を怖れないという証で、ここに新日の真の恐ろしさを見た気がした。いやお見事だよ!レインメーカー!!
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