プロレスリング華☆激・交通遺児支援・こども夢応援プロジェクト・チャリティープロレス(昼の部)(2022年1月16日・日:さざんぴあ博多:)
イントロダクション
2022年最初の観戦は、DDT西鉄ホール大会の前に、さざんびあのプロレスリング華☆激に決定。
急遽発表された昼夜興行だったが、夜はDDTと被るので、昼のみの観戦になった。
華☆激といえば昨年4月の大会もそうだったが、一寸先はハプニングが付き物である。
今回も昼の部に出場予定のアズール・ドラゴンが微熱のため欠場(当然DDTも欠場)。
昨今のご時世を考えると、やむを得ないのだが、二転三転した末に、カードは前日発表。
事前に過去の華☆激観戦記をアップしている時に気づいたのだが、私は割とちょいちょいアステカ不在の華☆激を観戦に行っているみたいで、図らずも今回またそうなってしまった(アステカは夜の部のみ)。
まあ、昔みたいにアステカが、華☆激の一枚看板だった時代ならまだしも、今の華☆激はアステカの代わりになる選手も出てきているし、あまり無理してまた欠場して欲しくないので、それほどがっかりしているわけでもない。
オープニング
あいにく朝から小雨混じりの肌寒い中、小倉→博多→天神→雑餉隈と乗り換えて、さざんびあへ。
博多→天神間は100円バスの方が安いけど、雨に濡れたくないし、荷物増えるのが嫌で傘も持たず出たため、地下鉄経由にした。
割とギリギリで会場入りしたら、ちょうどアステカ&タコス☆キッドの前説が始まるところだった。
大会開催決めた割にアステカはヘルニア、キッドはウロボロスに首を折られて試合ができないとか言い出して、野戦病院と化したプロレスリング華☆激。大丈夫か?
前説でも言っていたが、この大会には覆面議員が二人いるのだ!全国に三人しかいない覆面議員が、なぜか集結しているさざんびあ!
ちなみにタコス☆キッドは、本日に関しては、レフェリー復帰(レフェリー時代は素顔)するため、第一試合で、太宰府市議会議員が、大分市議会議員の試合を裁くという図式が実現してしまった!
第一試合 20分一本勝負
スカルリーパーA-ji & ◯ヒロ田北 対 岡崎恭也 & ●神崎ユウキ(ジャンピングボディプレス→片エビ固め)
この顔ぶれはほぼプロレスリングFTO提供試合の様相に近い。
とはいえ、なかなかタイミングが合わずに行けないでいるFTOの若手たちの試合が見られるだけでもありがたい。
この中では岡崎が最年少キャリアになるかと思うが、骨折を推して出場するスカルリーパーA-jiにどれくらい爪痕を残せるか?注目したい。
さて、いざ試合が始まってみると、岡崎は基礎はできているものの、やはり田北と比べるとキャリア面での経験不足が否めない。
加えて同系のパワーファイターである田北が相手でも分が悪いのに、A-jiに爪痕残すところまで行かなかったのは残念だった。
一方でキャリアで勝る神崎に一歩も引かず、自力勝利をもぎ取った田北は、以前よりかなり成長していた。
とはいえ田北も最初からできていたわけではない。試合数重ねて練習積んでここまでになったのだ。
FTOといえばA-jiと馬之助しかいないと言われて久しかったが、こうした若い世代が台頭してきているのは非常に頼もしい。
一時期は高齢化が進んでいた九州のプロレスシーンも田北や岡崎、メインに出たザックソンらが、次の時代を築いていくのであれば、安心できる。
神崎はローンバトルになり、ブランクも長かったけど、この程度で終わる選手ではない。ぜひ若い世代にもうひと泡吹かせてもらいたいものである。
第二試合 20分一本勝負
●ウロボロス 対 ○ニ代目上田馬之助(ラリアット→片エビ固め)
これは正直力の差がありすぎとは思うが、ウロボロスは負けて失うものはないので、ガンガンぶつかっていってほしい。
一方の馬之助は百戦錬磨のヒールだが、初代がやっていたように、序盤でじっくりした攻めをみせ、後半で極悪ファイトに転じるような、オールドスクールヒールを見せてくれるかどうか?
はたまたいつも通り、序盤から狂乱ファイト全開で行くのか?どっちにしろウロボロスには試練である。
果たして実力差をウロボロスは口喧嘩で埋めようとしてきた。まだキャラクターに固執するには早いと思うのだが、案の定口でもグラウンドでも馬之助に転がされる展開に。
それでも体格差がありながら、打撃で立ち向かおうとした姿勢は、幾分昨年よりは進歩したかもしれない。
しかしながら、馬之助が狂乱ファイトに走る前に試合が決まってしまったのは、埋めがたい実力差があったから、としか思えない。
やはり、これから上を目指すのであれば、こういう試練のマッチメイクはこれからも組まれるだろう。
ウロボロスがどうなっていくのか?もう少し見守ってみたい。
第三試合 20分一本勝負
◯HANAOKA 対 ●トゥルエノ·ゲレーロ(外道クラッチ)
がむしゃらプロレスから参戦のトゥエルノ・ゲレーロは、2021年9月にシークレットベースに入団したHANAOKAとのシングルマッチ。
ホームのがむしゃらプロレスではタッグ王者でもあることから、ゲレーロのシングルマッチは今や貴重。
HANAOKAは初めてみる選手だが、あのDOUKIがメキシコ時代に所属していた、PERROS DEL MAL の日本人別働隊「Japones Del Mal (ハポネス・デル・マル)」の主要メンバーでもある。
現在は、2021年よりシークレットベースに所属している、いわばバリバリの日本人ルードなのである。
入場から既に「Japones Del Mal 」のメキシコ版Tシャツで入場するHANAOKAに対して、久々にルチャができるワクワクが全身から溢れているゲレーロ。
メキシコでプロレス武者修行をしてきたゲレーロにしてみたら、これほどのお膳立てはそうそうないだろう。
序盤は少しお笑いモードに走りつつ、微妙にゲレーロのリズムを崩しにかかるHANAOKA。メキシコ人ではないが、ルチャとなれば、彼の独壇場でもある。
若いのでノセると怖いというのは、なんとなく実戦勘みたいなものが働いたのかもしれない。
ゲレーロもルチャのリズムで気持ちよくなっていたが、結局レランパゴも不発に終わり、気がついたらHANAOKAの外道クラッチでカウント3つ。
とはいえ、東京から遠く離れた福岡で、MY WAYに続いてルチャの風を感じたHANAOKAも気持ち良さげ。最後は両者クリーンに握手して、ハグ。
ルチャリブレの世界は実に奥が深い。私の中でHANAOKAはまた見てみたい選手になった。
第四試合 20分一本勝負:『交通遺児支援チャリティー試合』
小川聡志 & ◯新泉浩司 対 バトル·シャーク & ●フリーザックソン(ランニングエルボー→片エビ固め)
こちらは第二試合同様、華☆激対FTOの対決。バトルシャークはかなり久々に見る気がする。
フリーザックソンは初めてかな!
まあ、それを言えば華☆激自体が昨年4月以来なんだから、全員がひさしぶりなんだが、現博多ライトヘビー王者の小川と、その小川の一代前のチャンピオン・新泉が組んだチームというのも、なかなか強力である。
これに対して新進気鋭のフリーザックソンが孤軍奮闘。小川のパワーと新泉の打撃に怯むことなく向かっていく姿勢は素晴らしいものがあった。
ただ、前から気にはなっていたんだが、バトルシャークはちょいちょい技をミスることがあり、今回もコーナーに座らせた新泉に雪崩式フランケンをきめようとして自分だけ落っこちてしまった。
二度目のトライでは成功させていたが、正直難易度の高い技で怪我でもされたら、みている側も後味が悪い。
幸い、試合のほとんどはザックソンがでていたので、これ以上のボロは出なかった。
とはいえ、さすがにザックソン一人で、新泉と小川の相手は荷が重すぎた。最後は新泉のランニングエルボーが顔面に入り、ザックソンは力尽きた。
小川はいつのまにか安定した王者になっていたのも印象的だった。遅咲きの中年の星も、他団体で50代選手の活躍が珍しくなくなった昨今、違う売りでいかないと苦しいわけだが、それは杞憂に終わりそうだ。
試合後「プロレスリング華☆激は旗揚げ25周年。自分とアステカも銀婚式です」とマイクでいいだした小川。アステカと二人三脚でここまできたのは感慨深いことだろう。
色々仕掛けていくらしいので、2022年の華☆激には注目していきたいと思う。
後記
試合後、チケットの取り置きをお願いしたタコス☆キッドレフェリー(元々はレフェリーだった)に挨拶して、そのまま西鉄電車に乗り込み、次の会場である西鉄ホールへ向かったのだった。