イベント試合/ファーストチャリティフェスタ観戦記(16.4.3日 山口リフレッシュパーク)
イントロダクション
山口のファーストホームが手掛けているチャリティフェスタは2013年くらいから毎年開催されているらしく、今年は日曜の開催。入場無料で地域の皆さんがご家族で楽しめるように行われているらしい。山口市もなにげに遠いので、下関市からはやっててもなかなかいくことはない。でも新日でも来ないとまず行くことのないリフレッシュパークには約16年ぶりにいっておきたかったし、お祭り自体もみてみたかった。
しかし今年は日曜開催にしたせいなのか?前年に比べても観客動員が半端なかったらしい。実は同じ山口市でサッカーJ2のレノファが試合(サッカーは午後からだけど)しているのに、朝10時前からリフレッシュパーク前は大渋滞!そして見たこともないくらいすごい人の列!いくら県内有数の企業が協賛しているとはいえ、これはびっくり!
午前の部、がむしゃらプロレス提供試合
七海 健大 & トゥルエノ・ゲレーロ & ×パンチくん vs ○林祥弘 & マスクドGWO1号 & YASU
山口県のおかしいところは市内移動するだけで2時間かかる場所があるかと思えば、山口市内と宇部が15分で行けたりする。距離と移動時間が比例しないのだ。
その宇部出身の林にとっては山口大会はまさに凱旋となる。今回は周南市にある総合格闘技ジムの毛利道場で、その中でプロレスを教えている大向美智子さんが、コメンテーターしているローカルテレビ番組の絡み?で、その番組スポンサー?の会社が主催するチャリティイベントに、がむしゃらプロレスが呼ばれた格好になる。
従ってリングは毛利道場の総合格闘技兼用のリングになるため、通常のプロレスのリングより硬い。そのため、1発技を受けた時のダメージも違うわけで、少し勝手が違うようにみえた。
勝手が違うといえば、リングアナはYABの柘植アナウンサーだし(しかも実況までしていた)、レフェリーはなんと大向美智子さん本人!さすがもと選手だけあって、選手にも被らないし、反則も厳格。ポジショニングも所作も完璧!いつもなら割と反則絡めていくのに、場外戦以外は各選手ともレフェリーの指示に従っていた。
目を引いたのはやはりジュニアふたりの攻防。今回ばかりはgWo対チーム凱というより、がむしゃらジュニアの闘いを山口の観客に見せつけようとしていたのかもしれない。林と健大のチョップ合戦、一号とパンチくんのお笑いチックなからみ、どれも普段通りのがむしゃらプロレスだった。試合は地元に錦を飾るべく奮闘した林が久々にパンチ頭をみせたパンチくんを仕留めて無事凱旋勝利を飾ったのだった。
お客さんのノリもよくて、選手にもいつも通り熱い試合を出来た満足感があったようにみえた。試合後はプロレス教室。こちらも大向さんがついてのものに。なんか北九州で見るのとはまた違うノリで見ていて楽しかった。
子どもたちが、プランチャやるにしても怖がらないのは凄いなと。もちろんがむしゃらや毛利道場の選手がしっかり受け止めたし、場外でも見てはいたんだけど、セカンドロープ登るだけでも抵抗あるだろうになあ。大したもんだ。
休憩
ということで第一部終了。本当は帰るつもりだったが、俄然毛利道場の試合に興味が出てきたので、午後の部も残ることに。
しかし、第2部までかなり時間があるため、リング内が子どもたちで溢れて無法地帯に。たまりかねて YAB山口朝日放送の柘植アナウンサーが注意するくらいのありさまに。主催側としては、やはりケガはしてほしくないしねえ。道場の人ももう数人常時いるくらいでないと、万が一の場合に対処できないかもしれない。そのくらい凄かった。
実際プロレス教室の熱の高さも半端なかったし、この中から将来のレスラーが出てくるかもしれないと思うとみていてわくわくしてきた。
午後の部 タッグマッチ(15分1本勝負)~毛利道場・Egoistプロレス
×土屋クレイジー & モミチャンチン vs ○ドラゴンウォリアー & 影狼
さて、まだ見ぬEgoistプロレスとは一体どういう選手たちの集まりなんだろうか?大向さんが教えているとはいえ、未知数は未知数。山口といっても周南と下関では新幹線駅3つ分違うし、情報もないに等しい。実際生で見ようと思ってもそう簡単にいける場所ではないのだ。しかし登場した4選手ともすごいグッドシェイプされた体つきでまずこれにびっくり。そして両者とも実にレベルの高い攻防を展開。みたところドラゴンウォリアー組がベビーで土屋クレイジー組がヒールということらしい。
そして二番目にびっくりしたのはグラウンドレスリングのレベルの高さ。よくある総合ベースのどこが決まっているのか、お客サイドからはよくわからないグラウンドではなく、攻防が客席からしっかり見える展開。スピード感もあるし、クオリティも高い。本当に度肝を抜かれた。
ただ、やはり本人たちの実戦経験のなさだけはいかんともしがたかった。あの体つきから想像するに相当真面目に練習を重ねてきてはいるのだろうが、試合開始5分くらいで一回息が上がっているのが4選手ともみてとれた。たぶん体がそのリズムを覚えてしまっているのだろう。プロレスは基本インターバルがないので、タッグとはいえ、一回スイッチが切れてしまうと結構見ている側にはわかってしまう。
そこをうまく場外戦につないだりして、一時はなんとかしのぎかけたんだけど、問題その二が発生。セコンド陣がいないため、休憩中にリング調整ができていなかったのだ。加えてぎりぎりまで子どもたちにリングを開放していたので、ロープがゆるゆる。そのせいで、土屋が場外ダイブに行こうとしたときに一瞬バランスを崩してしまったのだ。幸いなんとか態勢をたてなおして成功はしたものの、ひやっとした場面だった。
あれは一歩間違うと大事故につながるので、本当にリング調整だけはきちんとしてほしい。人手が足らないなら毛利道場側が、がむしゃらプロレス勢にお願いしてもよかっただろう。将来リング上では敵対するかもしれないけれど、リング外ではお互いできることをサポートしあってもいいと思う。
とはいえ、がむしゃら勢もはじめて呼ばれていった場所で、勝手もわからないので、わかってはいても手は出せなかったと思われるので、ここは毛利道場の責任者サイドが手を打つべき問題だと思う。事故があったらイベントそのものがなくなってしまうので、ここは細心の注意を払ってほしかった。
試合はやや押され気味だったドラゴン&影狼がタッグワークのよさを発揮し、モミチャンチンと土屋を分断。ドラゴンが一度は返されたフィッシャーマンを二度目はビシッと決めて土屋からフォール勝ちを収めた。
後記
Egoistプロレス についてはもう選手のレベルの高さが想像を軽く超えていたので、これは将来が楽しみだ。正直山口にこうしてプロレスが根付いている事実を知ることができただけでも本当にきてよかったと思う。あとは本当にサポート体制をきちんとして、選手が安心して試合できる場を道場側が提供してほしい。それにしても毛利道場Egoistプロレス 、おそるべし!
帰りに維新公園のそばを通ったら、こっちもすごい盛り上がり。本当にレノファ旋風が吹き荒れているんだなあと実感させられた。なんか私が知ってる地味で静かな山口市とはあきらかに様子が違ってて本当にびっくりした。しかしその盛り上がっているサッカーを裏に回して、あれだけの動員ができるチャリティフェスタもすげえなと思った。