[プロレス観戦記復刻版] 九州プロレス「わっしょい筋肉まつり」(2011年2月20日・於:北九州パレス)

九州プロレス「わっしょい筋肉まつり」観戦記(2011年2月20日・於:北九州パレス)

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イントロダクション

この日は九州プロレスとがむしゃらの通し券が出ていて、なんと先着100名は3000円で見られた。つまりがむしゃらは実をいうとただ!これは太っ腹すぎだろう!まあ、もう正直おなかいっぱいだったんでこのまま帰ってもよかったんだけどなかなか縁がなくて初観戦になってしまった、また九プロにとっても初の北九州開催だし、社会人があれだけの興業やってのけてプロとしては黙っていられまい。

この九州プロレスは全国でも例のないNPO法人団体でもある。しかし博多には老舗の華☆激があり果たして、いくら大都市博多であっても2団体(FNWをいれれば3つ)は多過ぎではないか?という懸念はあった。具体的に華☆激と明確な違いを出さない限り存在価値も問われる。

がむしゃらが押したので、すべてが10分遅れとなった。入場してみたらがむしゃらのリングはそのままでマットだけ張り替えていた。一転白のリングにいつの間にかスクリーンが用意されていた。入りはがむしゃらほどではなかったがまま、はじめてにしてはよくやったほうかな?気が付くとがむプロメンバーは自由席の最後方に陣取って目立たないよう観戦していた。

オープニング

でスクリーンで筑前が挨拶をして入場式。この日使われた映像はこの日のためだけに作られた、使いまわしではない本格的なもの。もうビッグマッチ仕様の興業だったのだ!これで今までの流れを説明していたので、こっちはこっちで凄いワクワク感があった。

「やっと!やっと!北九州に来れました!」と筑前感無量の挨拶。本当はもっとなんか言いたそうだったが時間がもう始まった時点でマキマキなんで早めに終わって試合開始。

第一試合・.バチバチ北九狂想曲 20分1本勝負

×田中純二(11分27秒 ジャーマンスープックスホールド)若鷹ジェット信介○

バチバチ対ハッスルというあおりVがでていたが純二がバトラーツ出身って知ってるのって確実に40前後以上のファンかよっぽどのマニア^^ハッスルっていっても今のハッスルが何なのか?はこっちには全くわからない。ただジェットが福岡県近郊の大会に(福岡出身なんで)よくでるんで、こっちでは彼=ハッスルなのだ。

しかし、昨年久々に見て思ったのだが山笠時代の方が好感もてたんだよなあ。リング降りればとてもいい感じの好青年なんだが、リング上ではチャラく見えてしまう。おまけに去年までいざゆけ!若鷹軍団で入場してたのになぜか今回は「ロッキー4」の「ハーツ・オン・ファイヤー」だし。これっていろんな選手が使いまわしてて新鮮味がないんだよなあ。まあ新しいファン層はしらないと思うし、過去テーマ曲が被った例はたくさんあるが、マイナスな選曲だと思う。

試合は一見張り手やチョップ、キックと打撃戦でジェットが攻勢を握り優勢。まあ純二はグランドで勝負するタイプなんで受けて付き合うつもりだったのかもしれないが今時ドラゴンスクリュー→4の字という流れは逆にもう流行から大分遅れてるっていうか、ちょっと逆に新鮮だった^^

中盤はグラウンドで盛り返した純二だったが若さで押すジェットは再びスタンドに戻して畳み掛ける。最後はハイキック2連発からのジャーマンで、純二から金星・・・という見方はあってるのかな?

第二試合.暴風勢力拡大中 20分1本勝負

○台風2号(11分20秒 台風スピン)旭志織×

1月のバトルエスパシオで、田中純二から大金星を奪い、勢いに乗る台風軍団1号2号。なんでも相島とも抗争してるそうで
言葉は甲高い声で叫ぶブラックハーツっぽいキャラで台風だけに渦巻マスクマン・・・古いファンならマスカラス兄弟次男「シコデリコ」といった方がいいか。使う技も台風だけに回転揺り椅子固めなど回る系の技が得意らしい。ちなみに後でわかったが1号は相島に肩を折られて欠場中らしい。

今回は、KAIENTAI-DOJO屈指の実力者、旭と一騎打ち。わざわざ真裏でやってるホームのK-DOJO興業を休んでの参戦。
九州出身で親交団体の興業とはいえ用意された相手が台風って!!台風2号がコールされると雨合羽に傘といういでたちで奇声をあげながら登場。いきなり物凄く胡散臭い空気になった!これは旭もやりにくかろう。と思っていたら選手コール後、リングアナにメモを渡し、読み上げるよう要求する台風2号。そこには「私、台風は現在、勢力を拡大中です。もし、私が旭選手に勝ったら、旭選手は台風軍団の手下になれ。」

これを見た旭は「いや思い切り日本語だし」と突っ込むと「これでは一方的すぎ」と条件をきりだした。「かまわんですけど、逆もありでいい?もし私が勝ったら、福津軍団(旭の地元)に入ってくれる?」というなんかその場のノリで決めたようなアピール。よく考えたら旭は千葉がホームなんで、そうしょっちゅうこっちにきてるわけじゃなし・・・まあいいや^^

こうして、敗者がとりあえずどっちかの「手下」になるというルールで試合は始まった!

ハイテンションの台風は意外にも旭と互角の勝負になった。台風思ったより体もできていて技も切れる。かなり練習してるのは一目瞭然だが、キャラにも徹底的になりきってるんで、傘を額に当てぐるぐる回るパフォーマンスで、目を回さない無意味なアピールまで見せる。

5分すぎから、台風ヒップアタック4連発、マスカラスを意識した?クロスチョップで試合をリード。これで焦ったかはたまた
勝負と見た旭は阿吽を繰り出すも、台風はキャッチしそのまま場外戦へなだれ込んだ。場外でいったん優勢に立った旭は、お客2人を立たせてイスを台風の上に載せ「そのまま座ってください。動かないでね」と、台風を下敷きにして先にリングイン。
とここでなぜか旭も負けじと同じパフォーマンスでぐるぐる回りだした!余裕を見せつけるはずが当然目が回ってるわけでこれがまさかの命取りに!!

なんとか危機を脱した台風はここにつけこんだ!台風クレイドル(というらしい)の餌食となり、さらに目を回す旭。そして追い打ちの台風スピン(何回転も回してからの逆さ押さえ込み)で旭からもまさかの大金星を奪ってしまった!

試合後、旭に約束の「台風マスク」を差し出す台風2号は嫌がる旭に無理やりマスクかぶせてしまった。いや試合後のマスクはぎは何度も見てきたが「マスクかぶせ」というのは初めて見たぞ!!とうとう客席から何度も「台風~」や「3号」コールまで発生
する始末^^に困惑する旭。。。いや台風3号^^

旭「台風じゃねーよ。違うんですよ!俺は素顔が売りなんだ!だから台風じゃないってば!」とあわてて火消にはいるが台風コールはやまない^^しぶしぶ立場を認めた3号^^は今度は責任をリングアナになすりつけはじめた「だいたいリングアナがそんな無謀な条件飲むのが悪い!確かに余裕こいて俺がOKした!だが納得いかん!」そこで、リングアナに髪とマスクをかけた
マスカラ・コントラ・カベジェラ戦を突如要求!

「俺が勝ったら、リングアナは坊主!俺が負けたら、潔くマスクを脱ぐから!」という3号だがこれはさっきより強引な要求じゃないのか?^^そうこうしてるうちに強引に、ゴングを要求し、急遽、台風3号対古賀野リングアナの覆面はぎマッチがはじまってしまったのだ。しかし相手は素人!しかもなんのメリットもないのに負けたら坊主・・・ってひどすぎね~か^^

×台風3号(0分11秒 コブラツイスト)古賀野リングアナ○

だがゴングがなると、3号はリングアナに無理矢理コブラツイストをかけさせ高速でギブアップ!!敗れた台風3号は「潔く」マスクを脱ぎ、もとの旭に戻ると喜んで逃げるように退場していってしまった…。あんたの方がよっぽど台風じゃろ!

第三試合 わっしょいスペースワールド 30分1本勝負

○めんたい☆キッド(11分18秒 めんたいクラッチ)クルメンひろせ×

北九州のスペースワールドにちなみ、九州プロレス随一の空中戦の使い手でプロレス教室の先生もやってるのがめんたいキッドである。で、この戦いの裏テーマはめんたいと久留米ラーメン、どっちが福岡一の名産か?という本当にどうでもいいローカルなメンツがかかっていた^^

でも後で知ったんだけど初対決になるそうで面識のない分、露出の多いめんたいにやや分がありそうな気はしていた。ただひろせ食堂の名を借りたラーメンマスク、クルメンも互角の渡り合いを見せなければ、わざわざシングル組んだ意味がない。場外に落ちたクルメンにめんたいがトペを狙うも、素早く帰還したクルメンは、ドロップキックで迎撃。逆に場外へ落ちためんたいに、トペコンヒーロで追撃。さらにミサイルキック、619、フットスタンプとめんたいをどんどん追い込んでいくのだ!
なんだ!こいつすげえじゃん!!

やっぱ九州は人材の宝庫だね。こんな実力者がまだまだいるんだから大したものだ!!ただめんたいもやられっぱなしでなかった。逆襲に転じ、背面アタック、ソバット、コーナーからミサイルキックを連発し、会場を盛り上げる。そう4試合(まあ勝手に一つ増えたけど^^)中、このカードはセミファイナルなのだ。だからまあ位置的に白熱して当然といえば、なじみのない
胡散臭げなマスクマンが意外に実力者だとみてるこっちはお得感十分!これは全然アリだ!!!

必殺のめんたいスプラッシをカウント2.9で返すクルメン。なかなか見ごたえあり!!勝ちにこだわったフォールの奪い合いを展開。回転エビ、ラ・マヒストラル合戦の応酬はどっちに勝利が転んでもおかしくない展開に!最後は、めんたいクラッチで丸め込み、わっしょいスペースワールドはめんたいキッドの勝利。これはいいものを見せてもらった!

第四試合 わっしょい筋肉まつりメインイベント

6人タッグマッチ九州討伐団対九プロ正規軍
60分1本勝負
筑前りょう太&○阿蘇山&桜島(19分53秒 片エビ固め)相島勇人&ディアブロ&黒影×
※マグマスプラッシュ

画面ではかつて華☆激をも制圧した九州討伐団が画面を圧倒。ノアのこっち方面の常連でメジャーからも引きがきらない相島は
相変わらずコンディション抜群。華☆激を離れて久しいディアブロも全く変わってない悪党ぶりで、これにどう九プロ勢が対抗しうるのか?黒影にしたって別に二人に劣るところはないし、デビュー間もないという桜島だけが心配の種か?さすがに凱旋
帰国を果たし、新日マットも経験済みのエース筑前と安定感のあるベテラン阿蘇山は問題ないにしても相手が悪い。いろんな意味で^^

果たしてコールされるやいなや討伐団が正規軍を急襲!大乱戦の中ゴング!!!九州討伐団は、デビューからいたぶり続けて
いた新人・桜島ではなく、途中からベテラン阿蘇山に標準を絞り攻撃!!何度も救出に入る、筑前と桜島だが代わった桜島が今度はローンバトルに!!ここで体格では討伐団をうわまりながら、キャリアの浅さを露呈してしまう桜島。やはり心配した通りの展開になってしまった。討伐団としてはしてやったりなんだろう。

しかし相島は目的なしにメジャーに上がるより絶対ヒールが似合う。まあ相棒のディアブロや黒影がツーカーの中とはいえ、維新軍団ばりの太鼓の乱れうちも堂にはいっていてなかなか(まあ元ネタわかる方がもはや少ないだろうけど)。更に椅子を持ち出したディアブロは強烈なフルスイングで一撃。全く容赦ない攻撃はかつて華☆激を席巻していた時から衰えなし!!

さらに鉄パイプ、チェーンとやりたい放題の九州討伐団に防戦一方の正規軍。しかし桜島が何とかしのいでエース筑前にバトンを渡すと迫力ある体躯で3人を蹴散らしていく。ディアブロの「悪魔首折り弾」と筑前の「がつんといくばい」のラリアットの応酬は何度も相打ち。かつて背だけ高かった筑前も立派なパワーファイターに成長していた。華☆激時代からはやはり考えられない!!

阿蘇山も強烈なぶちかましをディアブロに見舞い、さらに強烈すぎるパワーボム!桜島、黒影にビッグブーツ、ミサイルキック、大きな体格を活かしたボディプレス。さらにそこへ、筑前の強烈な「とぶばい」!阿蘇山も間髪入れずマグマスプラッシュと畳みかけ黒影を完全KO!

納得いかない九州討伐団は、試合後も椅子やチェーン、鉄パイプを駆使して大暴れし収拾がつかない状態になった。そこへまたもや、打倒・相島に燃える台風2号が乱入。相方の「かたきうち」に燃える2号はどんなに返り討ちにあっても、執拗に相島を追い回す。

しばらく乱闘が続いたが本部席をジャックした討伐団の相島がマイクをとって「渦巻き!なんだお前!お前の相棒の方の骨折って悪かったな!」と発言。そうここではじめて台風軍団と相島の因縁が発覚したのだった。2号は、1号の敵討ちのために、
執拗に相島を襲い続けていたのだ。当然あのキャラのまま甲高い声で奇声を発するだけなのだが、いろもんと片づけるには惜しい人材だけにこれは嬉しい乱入。メインのストーリーにまさか台風軍団がからむとは!そして討伐団はなおも罵声をあびせて揚々と引き揚げ、2号も去りかけたところを筑前が、「台風…どうしたいんや? 九州ば元気にするバイ!お前も一緒にせんや?」

ここで台風コールがわき起こる。筑前は、台風2号とお客さんに「お約束」をレクチャー。全員で起立して「九州ば、元気にするバイ」を四方に向けて3唱!!

ラストは阿蘇山&桜島に、台風2号を加えて、「九州ば元気にするバイ!」で初の北九州大会を締めたのだった。

後記

いや2大会はしご。鬱になって長丁場の観戦は久々だったが充実した一日になった。しかし、自宅にかえってNOSAWA論外逮捕の報道をしるまでは、テンション高かったんだけどあれでがく~んと盛り下がってしまった。

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