『GAMSHARA HEATS』~新時代宣言~(2013年2月10(日) 北九州パレス)
イントロダクション
がむしゃらプロレス年明け一発目の大会。なんと北九州市政50周年の当日にぶつかって「混雑するかも」と少し早めに家を出たが大して混まずに到着。
列作って並んでると、マスターにバレンタインの差し入れが多数^^見てきた限りではとなりの林選手より多かった^^さすがイケメン三銃士^^
今回は連休でもあり、またイベント事が重なったせいで出られないスタッフ・選手も多数いたにもかかわらず大会が開けてしまうというこの層の厚さががむしゃらのすごいところ。
しかも事実上プロがいないのに超満員。
オープニング
前回の大会で4つに分裂したチームを前説でSHIGEKICHIリングアナと今回はレフェリーのKAG大塚、そして正統派レフェリー転向を宣言したBEE那須の三人で解説。
そしてリング上で今春デビュー予定の大型新人タシロショウスケが紹介。身長195センチでバスケをやってた文字通りの大型新人。前日ラジオデビューも果たしている。
挨拶は至極丁寧で好感ももてた。しかしそれもそこそこに、各ユニットが入ってきて勧誘合戦・・・・となったのだが若手軍のオーバーザリミット(OTL)以外はタシロをスルーする有様。二番目に出てきたLOCは昨冬に引き続いて野本を勧誘。三番目のクレイジークレバー
(CC)に至ってはマネージャーのCluminが「お帰り!このチェリーボーイが」と言い放ち、タシロを勝手に帰してしまった。
こっちはなにわ愚連隊の6号こと陽樹(ようじゅ)にアプローチ。愚連隊とは一触即発のムードになったがここへ登場したのがベテラン軍。なんとももいろクローバーZの曲にのって全員がダンスしながら入場・・・ってこれがむスターズでもやってたよね?^^しかも、今何故ももクロなのか?
しかし平均年齢が高いユニットが喜々として踊り狂う様はやはり圧倒。というかそれまでのユニットを食う存在感。
そして肝心のチーム名は週末レスラーがむしゃらクローバーZに決定!・・・・まあ、ほもクロを見慣れてる分違和感はないけど、多分にマスターの趣味が反映されてるような感じが^^
確かにSMITHが言ったようにこの時点で印象に残ったのはがむクロだけではあったんだけど^^しかしこのメンツにあのブルート健介が加わったところをちょっと見てみたいとは思った^^何色になるんだろう???
第一試合:▽因縁勃発!男のケジメ
●TOSSHIvs○鉄生
二人きりのLOC対そこを裏切ったCCの対決。勢いはCCにあるが、しぶとく生き残ったLOCもなにげに侮れない。確かに陽樹やタシロやKAGなどの新勢力はいるがこの鉄生とて昨年は超新星として破竹の活躍をし、今やがむしゃらになくてはならない存在になってしまったのだから。
実は体重以外にそれほど体格差がない両者。キャリアでいえばTOSSHIのほうが少し上。体重がない分攻撃が軽いかといえばそうではない。特に相手選手が口を揃えて嫌がるTOSSHIのチョップは鋼鉄の胸板をもつ鉄生にしても嫌だったろう。受けて耐えて必殺の鋼鉄のど輪
にいけるかどうかが鍵だった。
よく考えるとでも相手の攻撃を受けるだけ受けて耐えて勝つというのはベビーの戦い方なんだけどこれをヒールの鉄生がやってるのが面白い。おまけにCC勢はセコンドのジェロニモの介入もあって鉄生コールに包まれる会場。
しかし昨年のGAM1で厳しい野本の蹴りをこれでもかとくらった鉄生にしてみればそれを糧にしてる分反則込で攻めてくるTOSSHIの攻撃は「耐えて勝てる」範囲だったのかもしれない。逆に言うとTOSSHIはもっときつい攻めをしてもよかったと思うがカード的にヘビー対ジュニアのシングルをそう多く経験してないTOSSHIには鉄生の急成長が計算外だったのかもしれない。
最後はすべてを受けきった鉄生の鋼鉄のど輪がざっくり決まって勝利!やっぱLOCはこの男がいる限り簡単には消えそうにない。
第二試合:▽なにわの実力者vsがむプロの実力者対決!!
●なにわ6号(陽樹)vs○野本一輝
11月の大会で鮮烈デビューを飾ったなにわの秘密兵器6号こと陽樹が初のシングル戦に挑んだ。相手は小倉一番星の野本一輝。特に因縁があるわけではないが、シングルなんで陽樹個人のスキルに興味があった。
しかしデビュー二戦目とは思えない堂々たる試合運びは新人離れしてる。体格だけでなく試合度胸、厳しい攻めを耐え凌ぐ肉体と精神力。やはり陽樹は大したタマだった!張り手やチョップだけでなく頭突きを食らわせていくあたりに「負けたくない」気持ちが伝わったし、呼応した野本が藤原組長ばりの一本足頭突き!
さらに陽樹のラリアットをカウンターで脇固めに取るなどこっちも一歩も引かない。
そこへきて愚連隊を介入させる頭のよさももってるから厄介なことこの上ない。鉄生の時は受けて立つ感じだった野本が結構必死になっていたところからも、愚連隊の助けがなくても
そこそこいけていただろう。
最後はやっぱ蹴って蹴ってけり倒した野本がお得意のゴッチ式パイルでけりをつけたが野本が望んだ闘いはここに確かにあったと思う。刺激的な一戦だった。
第三試合:▽2013年初のがむプロおまけの疲れん程度一本勝負
●ガムコツくん&ブラック☆スティックvsアリマティ&○パンチくん
なんとうさミミで登場のアリマティ組は袋を持参。中にはチョコが入っていて一足早いバレンタインのサービス。
ガムコツくんは多分だけどデビューしたときの中身の選手ではないかと思う。動きが酷似してたし、だいたいパンチ君がかなりきつい攻めをしてたので、試合は疲れん程度といいながら結構白熱していた。黒棒がそもそも素顔の時にしか見せないような関節技までやってたし^^やっぱ目の前でバチバチやられたらそりゃ火がつくよね^^
しかしそれでも普通の試合にならないのはそこにアリマティがいるからでこれは結構でかかったと思う。一人で3人にぼこられたり、Tシャツ破りからのアリマティバスターといい、Tシャツ破くと出てくるテーピングやシップだらけの体が痛々しくなくて逆に笑えるというのは案外得点高いと思う^^
試合はパンチくんが容赦ない攻めでガムコツくんを葬ったが、ダメージでかそうなのはどう見てもアリマティだった^^
第4試合:▽新旧世代対決!!
○林 祥弘vs●ニコラス今中ジョリー
一見オーバーザリミットという立場で林が先輩越えをする・・・・という感じのテーマになりそうなこの試合、実は今の林を追っかけてるのがベテランのニコラスであるというねじれ現象がおこってるのがミソでもある。ブランク後、波はあるもののここ数カ月は順調にきてた感はあるニコラスだが彼のいないあいだに上位に食い込んできた選手との対戦はそんなにしてない。
ということもあって立場はほぼ対等。というか打倒SMITHを心に誓う林はニコラスで躓くわけにはいかないしかといってニコラスもかませ犬では終わりたくない。
どっちにも意地があったのだ。見てる側からすると多少ニコラスに余裕があったように見えたけど、やっぱムーンサルト系の技を返されてしまうと次の一手がないニコラスと、一回
返されても意地でファルコンに持っていこうとする林のまさに「執念」が明暗を分けたといっても過言ではないだろう。悔しさを顕にしたニコラスは飛び技を超える新技開発を宣言したが、追うベテランが今度はオーバーザリミットする番になったことで確実にリングの風景が変わっていきつつあるんだなと思わされた一戦だった。
第5試合:▽GWA無差別級タッグ選手権試合(60分1本勝負)
○[王者]七海健大&ジャンボ原vs●ジェロニモ&TA-KI
OTL対CCの新勢力対決はベルトへの思いがどのくらいかを証明する対決になった。そもそも全盛期のLOCがベルトを勝手に贈与したあたりからタッグのベルトが軽くなってきてそこへきて林・野本の分裂劇を経て、原の長期欠場も重なりタッグ王座は色々災難な昨年だったわけだが、11月大会以降急速に価値が高まった?のかそれとも今の王者からなら取れると確信したのかLOCはじめ皆が虎視眈々とタッグ王座を狙い始めた。
しかしその「今なら取れる」と相手に思わせておいて実は堅牢なのが今の王者なのだ。そして私が見始めてから最もタッグベルトを大事にしてる(と思う)チャンピオンでもある。ベルトというと語弊があるけど、原・健大組には年齢とキャリアを超えた心の繋がり(あえてそれを絆とは呼ばないが)があって、そこをみおとしてるチームは自然と負けてるケースが
これまでの対戦でも多々あった。
キャリアで勝るCCは多分キャリアが下で年上の原狙いでみんな失敗してるんで七海狙いできたと思うけどここは作戦としては間違ってない。ただ、やるなら原も痛めておかないといけなかった。どっちかに的を絞るというのはタッグ戦の常套手段だが、それこそLOC時代ならセコンドの介入も辞さなかっただろう。でもまだ方向を模索してるCCにはそこまでできてなかった。
加えて「あれは俺のベルト」と執念を燃やすジェロニモに対し、チーム移籍でがむしゃら運営がいきなり王座挑戦というチャンスを与えた事への疑念を拭いきれないTA-KIとの温度差も若干あったような気がした。だからチームプレイという意味では十八番だったはずのCCよりセコンドも一丸となっていたOTLのほうが実は軸がぶれてなかった。
原がやられれば七海が、七海がやられれば原が。お互いが助け合う形でいつの間にかこのチームは理想的なタッグになっていた。終盤の合体技はCCも読んでいただろうに返せなかった。そこはやはりチャンプを甘く見すぎていた感があったかもしれない。
しかし試合後、懲りずにやってきたマスクドPTがタッグ王者を追い払うとなんと新メンバーの勧誘。一人は当然前から声かけてる野本だったが、もう一人は今年から本格復帰を決めてるガムロックキッドだった!「俺は新しい事が好きだ!」とTシャツに袖をとおし観客のなかには「着ないで」というこえも。
続いて野本は「106ある全国の社会人プロレス団体の頂点にがむしゃらプロレスが、自分がたつために」LOC入りを承諾。新LOCが誕生したわけだが昨年ちぐはぐな連携でタッグ挑戦し失点した野本と鉄生の関係が精算されてないままの状態では一抹の不安も隠せない。
そしてCCは陽樹を勧誘。なにわ愚連隊は協議を重ねた結果結論は出てないという。でも最終的には「お前のやりたいように」ということで陽樹はCCと手を組むことを受諾。そして「あんな綺麗な姉ちゃん(Clumin)がマネージャーしてくれるなら」という理由で^^なにわ愚連隊がCCと合体!
とここまですごい端折ったけど^^体もすっかり冷えてしまったであろう王者はこの30分間完全おいてけぼり。11月といい今回といいチャンピオンは蚊帳の外状態が続いてる^^まず一言「長いよ!!!」と文句を言うOTL。
後記
しかしカミカミながら林も七海もなんとか締めて無事大会は終了。まあ彼らが噛むのはもう周知の事実なんでそれこみで暖かく見守ろうというのがOTLの特徴かもしれない。若手ユニットというのは野心むき出しというのが通例だけどこういうのもあっていいと思う^^楽しいし^^
まあでも一時はお飾りになりかけてたタッグ王座をメインが務まるほどに価値を上げた王者組の功績はもっと褒められていいと思う。
来月以降も楽しみになってきた。