[プロレス用語辞典] (サ行)しょっぱい
元々は大相撲用語
今回のプロレス用語辞典は「しょっぱい」です。
元々は、大相撲の世界で始まったもので、塩が撒かれる土俵に這ってばかりいる、すなわち「弱い」ことを暗に表す形容詞です。
プロレス界でも
後に大相撲から転じた力道山選手によって、プロレス界でも使われるようになった経緯があります。
プロレスの場合は主に、観客を満足させるに足りないような試合や、舞台内外で観客を満足させるパフォーマンス能力に欠けるプロレスラーに対して「しょっぱい」という評価が下されます。
見栄えが地味だと
プロレスでは、試合で弱くてもヤラレっぷりの良さやマイクパフォーマンスの面白さから人気を集めるレスラーも存在します。
他方、技術があるレスラーや勝ち星の多いレスラーでも、試合運びが単調であったり技の見栄えが地味だと「つまらない」と観客の顰蹙を買うこともあるのです。
英語圏では
ちなみに英語圏のプロレスを見ているとたまにこうした場面に遭遇します。
向こうでは「退屈だな~」や「つまらない・・・」を「boring」(ボーリング)といいます。
収拾がつかない
正確には「(試合がつまらないから)退屈しているんだ」という意味で使われているようです。
会場が「boring」「boring」の大合唱になってしまうと、ちょっと収拾がつかない感じになってきます。
日本だと「やめろ」コール
「boring」にコールに包まれた試合というのは、なかなか壮絶なものがありますね。
日本だと「やめろ」コールに包まれた試合が昭和新日本で、暴動と共に語り草になっていますね。
「しょっぱい」にまつわるセリフ
このように、プロレスでは大相撲本来の用法と異なり「しょっぱい=弱い」とは言えないのです。
「しょっぱい」にまつわるセリフでは、新日本プロレスの平田淳嗣選手がマイクで放った「しょっぱい試合ですみません」が有名です。
隠語ではなくなった
1994年10月30日新日本プロレス 両国国技館大会SGタッグリーグIV決勝戦後に飛び出した「しょっぱい」はもともとレスラー間の業界用語でした。
そんな「しょっぱい」が公式に?ファンの前で語られた最初の出来事だとされています。
これを契機に「しょっぱい」は隠語ではなくなったと私は解釈しています。