MASK DE 41 マスク・ド・フォーワン(2001年・日本・上映時間:113分)
あらすじ
2005年11月11日観賞。
倉持忠男(田口トモロヲ)は41才、自動車会社に勤める平凡なサラリーマンだ。妻恭子(筒井真理子)はフラワーアレンジメントの先生に夢中、長女春子(伊藤歩)は彼氏と家出、次女ハルカ(蒼井優)は遊びに夢中、と家族は崩壊寸前。また、勤務先自動車会社では不景気の中いつリストラされるかと不安な日々を過ごす忠男にとって、プロレス仲間の集まる「カフェアリーナ」で過ごすひとときが唯一の心のオアシスだった。そんなある日、忠男は大学時代に学生プロレスでタッグを組んでいた蛯脇(松尾スズキ)と再会する。次回オリンピック期待の女子アマレス選手であった浜田京子(川津春)をゲット! 彼女を看板に新団体を立ち上げる! と意気込む蛯脇に、忠男は眠っていたプロレス魂を呼び覚まされる。同僚が次々と希望退職していく中、忠男は突然、南アフリカの工場への異動を命じられる。(あらすじは映画comより)
コントのような
やっと見たMASKDE 41 。結構良い時間に放送されていてびっくり。衛星放送とは言え、現実のプロレスよりいい時間にでて来るんだからまだまだ捨てたモノじゃない?まあ録画してみてりゃ意味はないんだけど。
何か設定と言い、お話と言いラーメンズのコントといってもおかしくないような色合い(ご本人がでているから言うわけではないけど)なのが、なんとも言いようがない。
いっそそっち方向に針を振っていたらとんでもない怪作になっていた可能性も否定できない(笑)
さじ加減は難しい
で、プロレス映画はなるべくなら現実のプロレスを想像させないモノの方が個人的には好み。マスカラス映画とか一部の例外はあるけれど、どうしても現実のプロレスを想像してしまうと映画の世界に集中しづらい。
かといって現実のプロレスをある程度想像できないと、思い入れのとっかかりが掴みづらいという事もあって、ここらへんのさじ加減は難しい所。
実際の試合を挿入
ついでに言えば試合などの直接表現抜きでどれだけプロレスを語ることが出来るかという、ある種現実のプロレス頼みでない、よっかかり度の小さいモノの方が、より勝負してやろうという意気込みを感じやすいのではないかと思っている。
そういう意味では実況を流すのみにとどめた猪木対ホーガンの挿入の仕方は秀逸だったと思う。本筋にしても、リストラされた元学プロ出身の親父が一念発起してリングで試合してバラバラだった家族の絆を取り戻すというごく真っ当な話をちゃんと作り上げていたのは素晴らしい。
カラーが似ている
おかしなモノで監督は違うのに、主演の田口さんの監督作「アイデン&テイティ」にとてもカラーが似た印象を受けた。
夢ばっか追っているだめ人間が結局自分のやりたいことに正直になったときが一番輝けたという点で共通項があるように思えたのである。
音楽とプロレスというまるで違うものを扱っているのに。
試合も演技も
映画内プロレスとしてはカット割りにしろ、船木タイガーの試合ほどではないにしろ試合そのものもよく出来ていたと思う。
田口さんの演技も良かったし(息子との別れ際のロックアップのシーンはよかったなあ)、娘役二人も素晴らしい。
蒼井優さんは「だめ家族をシニカルに見続けるしっかりもの系の末娘」という役所を他の映画でも見たんだけど、はまり役なのか実にしっくりしていたし、以前とはまた違う感じがしたし。
FMWの影
オチも昔ならいざ知らず逆に今なら現実にあってもおかしくない。
でもやっぱり現実のプロレスが少なからず絡んでいるとどうしてもそっちに気を取られてしまう。
考えまいとはするんだけど、なくなった荒井社長や冬木、半身不随のハヤブサ選手の元気だった頃の姿は目にはいるとどうしても悲しい。FMWの影がやたらちらつく作品でもあった。
ジョージ高野も
こうなってしまったから言う訳じゃないんだけれど冬木さんのプロレスはあまりに時代を先取りしすぎていた。
実在の選手の演技も悪くなかっただけ、逆にそれが現実を想起させられてしまうのがどうにも辛すぎたのである。
なお、余談ながらこの作品には、ミル.マスカラス役でジョージ高野選手が出演している(体型で選ばれた?)。
友人も出演
彼はマスクマンとしては鮮血のヘルという悪役レスラー役でテレビ特撮「プロレスの星.アステカイザー」にも出演している。
また観客の中にプロレスファン仲間が混じっていて、テロップでも確認が出来る。見つけたときはそのことをすっかり忘れていたので、ちょっとびっくりしたけど(^^)