[プロレス観戦記] DDT Audience 2021 TOUR in FUKUOKA(昼)

DDTプロレス観戦記

DDT Audience 2021 TOUR in FUKUOKA(昼)(2021年5月29日土・西鉄ホール・観衆:113人)

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イントロダクション

5月は、新日本、スターダム、DDTなど福岡で複数大会開催する団体がたくさんあり、しかもなぜか同じグループでスターダムと新日本がバッティング。

個人的には、父の転院問題があり、ゴールデンウィークは、入居する施設探しに奔走していたため、プロレス観戦はなしにして、DDT一本に絞った。

決め手は、一月の大会を膝の手術のため欠場していた秋山準が参戦していること。レジェンドの扱いが丁寧なサイバーファイトが、間近にせまっているサイバーフェスに向かって、何を見せるのか?興味はつきない。

幸い父の使節入所が思いの外早く決まり、DDTは見に行けることになった。13時試合開始は意外とタイトなんだが、無事小倉で鍼治療して、そのまま新幹線→地下鉄で西鉄ホールへ。

オープニング

中に入るとちょうど前説がはじまるところだった。今回のオープニングコールはThe 37KAMIINA。しかし、のっけから勝俣が福岡と熊本(翌30日・日曜開催)を間違えて挨拶してしまう。

そこへ、The 37KAMIINA入りを懇願している小嶋が乱入。ユニット入りのチャンスを与えたものの、岡谷に敗れたことを、勝俣が指摘すると、小嶋は逆ギレ。

あげく勝手に「DDT博多大会スタート!」と勝手にオープニングコールをしてしまった!小嶋もだんだん食えないキャラになってきたなあ。

 

第一試合:しぇからしか!DDTバラエティ班名物タッグマッチ

高木三四郎&● 飯野雄貴(8分7秒 体固め)男色ディーノ&7○アントーニオ本多
※地獄門送りから押さえ込む

ALL OUT解散後、立ち位置が定まらない飯野は、昼の部ではバラエティ班入り。これはこれで難しい試合ではある。なんせ簡単にお膳立てしてくれるような甘い対応は、ディーノもアントンも決してやらないだろう。

要はこの中でどれだけ存在感を示せるか?それがこの試合での飯野の課題になりそうだ。

飯野に寄せてこないのでは?という当初の予想を裏切って、飯野以外の三人が飯野のキャラに寄せてきたせいで、序盤は想像以上に騒がしくなった。

しかし、これだと当然飯野が目立たなくなる。なんとか持ち前のパワーとハカエルボーで、飯野ワールドに持ち込みたいところだが、ディーノのリップロックで流れを変えられてしまう。

しかし飯野も、男色先生とアントンが合体したアナルぎつねをかわし、自らの肘をディーノのアナルに差し込んで、アナルエルボーを決めようとするが、間違って味方の大社長に誤爆。そのままフォールするまで間違いに気づかない飯野を、アントンが丸め込んでフォール勝ち。

やっぱり慣れないことはするもんじゃないのかな?とはいえ、やはりDDTバラエティ班は一筋縄ではいかないわけで、飯野がこの道を極めるならば、まだまだ修行が必要な感じがした。

 

第二試合:

樋口和貞& 坂口征夫& ○赤井沙希(7分51秒 ケツァル・コアトル)大石真翔&岡田佑介&●中村圭吾

イラプションに対するは、準烈リーダーの大石と、DDTに入団した岡田、そして若手の中村。相手が相手なんでふざけてはいられないだろうけど、鍵は岡田が握ってそうな気がする。

岡田の姿勢に中村が発奮していくと面白くなるが、イラプション的にはそれほど旨味がないカードなので、樋口が全力全開でくると、短時間で終わりかねない。

なぜか、にわか面をかぶって入場してきたまこりんは「九州ば元気にするバイ」ポーズを決めるが、松井レフェリーは「アステカ?」とボケる。わかる人にしかわからないネタだよな(笑)

中村がネタなしで試合してるのも久々にみた。赤井に逆ケツァル・コアトルを決めようとしたり、意欲は買うけど、やはり手足が長い赤井沙希には、ロープに逃げられてしまう。

イラプションは身長のある赤井沙希を軸に、坂口と樋口がサポートする流れ。岡田と樋口、岡田と坂口あたり、今後実現したら面白そうな顔あわせも実現。

結局、本家ケツァル・コアトルで赤井が中村を葬り去った。ただ個人的には、純粋に準烈対イラプションで見てみたかった試合でもあった。

 

第三試合:

○高尾蒼馬(8分33秒 急所打ち→エビ固め)●納谷幸男

ちょっと前なら若手の急先鋒だって高尾蒼馬も気づけば、若手を迎え撃つ立場になった。個人的にはもう一花咲かせてほしいのだが、上野とのタイトル戦に敗れたばかりだし、次のチャンスまでまた虎視眈々とターゲットを探すごとになりそうだ。

一方、2世キャラで一応立ち位置は確保しているものの、納谷にしてみたら、まだまだ上を目指さねばならない立場。

序盤は高尾がペースを握り、場外でたっぷり間をとったり、納谷がロープをくぐろいとしたら、すかさず攻撃したりと、ヒールらしい試合運びで納谷を翻弄。

しかし、心なしか以前なら動きがもっさりしていた納谷も少し体型がシャープになったようで、以前みたいなバラバラな技をだすだけの試合はしていなかった。

中盤でみせた拷問コブラは、長身の納谷がやると実に映える。もっともまだ習ったことをそのままやってるだけ、という感じはしたので、まだ自分のものにはなってない感じがした。

結局、ダメージは最小限に食い止めた高尾の辛勝という感じだが、まだ試合をコントロールするには、納谷にはキャリアが必要かな、と思った。これ以上の積み上げがないと、シングルのタイトル戦線にはなかなか食い込めないのではないだろうか。

第四試合:

●上野勇希& 勝俣瞬馬(11分51秒 首固められない変形レッグロック)○彰人&相島勇人

夜の部でユニバーサルタイトルの防衛戦を控えた上野は、同じユニットの勝俣と組んで、夜のタイトルマッチでぶつかる彰人との前哨戦。

様々な難敵を退けてきた上野だが、彰人はまた今までの挑戦者とは一味違う個性をもつ。特に卓越したレスリング技術は、何度も大物食いを実現してきた。

だいたいタイトルマッチ前の前哨戦で、チャレンジャー側が勝つと、本番では負けるというジンクスは、プロレスあるあるなんだけど、序盤は勝俣&上野の連携に手を焼いていた彰人が、グラウンドになると、やはり強さを発揮してきた。

特に要所要所で炸裂するドラゴンスクリューは非常に効果的で、勝俣と上野を2人まとめて1人ずつにドラゴンスクリューをお見舞いするなど、中盤以降は完全に彰人ペース。

これに相島がサポートしていくわけで、急造チームながら、彰人&相島は、なかなか穴がない。しかし、上野はあーみえて手の内を晒さなかった感じがしたし、最後フォールを狙いにいって、彰人の足関節にタップアウトしたのも、タイトルマッチに向けてダメージを最小限にしたのかもしれない。

そう考えると、なかなか上野というチャンピオンは、若いながら強かではあるわけで、夜の部メインで、これが上野の作戦か?本当に彰人に追い込まれたのか?その答えがでるわけだ。

 

セミファイナル:DAMNATIONvsDISASTER BOX!

佐々木大輔& ○遠藤哲哉& 火野裕士(11分3秒 旋回式トーチャーラックボム→エビ固め)大鷲透&吉村直巳&●平田一喜

熊本でKO-D6人タッグ挑戦が決まっているDISASTER BOXはお笑い抜きでDAMNATIONに挑んでいった。

遠藤のコール終わりで、襲いかかり乱闘にもちこむが、場外はDAMNATIONのナワバリで、あっという間に形勢逆転。

見どころはやはり火野対大鷲、火野対吉村。特に吉村は火野を意識しまくりで、激しい肉弾戦を挑むが、こちらもDAMNATIONには一日の長がある。

機動力という点でもカリスマを加えたトリオは非常に連携がスムーズで、ここぞというタイミングでは、必ずダブル、もしくはトリプルで攻撃を加える。

最後は遠藤が旋回式のトーチャーラックボムで、平田を沈め「思い出づくりのために挑戦してくるな!」と、DISASTER BOXにマイク。

呼応した吉村がこの3人で本気でタイトル獲りするというアピールをしたあと、火野に対して戦線布告。火野ばかりみていると足下をすくわれかねないが、果たして博多の敗戦が熊本につながるかどうか?

 

メインイベント:天神名物!親不幸スペシャルタッグマッチ

HARASHIMA&△クリス・ブルックス(60分時間切れ引き分け)竹下幸之介&△MAO

6.6サイバーフェスで秋山のKO-D無差別に挑戦するHARASHIMAとしては、秋山との前哨戦以上に、今後を見据えた上で、現在調子をあげはじめている竹下とのマッチアップは非常に意味があると思われる。

しかし、この試合の伏兵はMAOだった。試合中盤にエプロンでHARASHIMAに、パッケージドライバーを突き刺し、HARASHIMAを戦闘不能にした。

これで、約15分くらいクリスがロンリーバトルを強いられる形になり、HARASHIMA &クリスは早くも大ピンチ。

しかし、難敵2人を相手にクリスが孤軍奮闘。HARASHIMAが復帰するまで耐え抜いたため、試合は混戦模様に。

竹下側としたら、竹下の主武器を封じられ、HARASHIMA側も蒼魔刀決めるタイミングを逸した事で、終盤時間切れになりそうな予感はしたが、これは両チームの粘り勝ちという感じがしないでもない。

試合後はノーサイドで、6.6に向けてDDT代表として、サイバーフェスに挑む竹下らが思いの丈を述べて、最後はHARASHIMAが「鍛えているからだ!」で締め。

後記

前半は淡々としていたけど、メインは流石の内容だった。2大会連続でやると、はじめの大会は敬遠されがちだが、試合内容によっては、今回みたいに昼の部でアタリをひく事があるのも、ナマモノならではの魅力と言っていいだろう。

カードや参加メンバーだけで見ない判断すると、こういう試合は見逃してしまうモノなのである。

たしかに昼大会は入りがよくなかったけど、個人的には楽しめた。さあ、夜大会が楽しみになってきた!

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