[プロレス観戦記] DDT レスリングとんこつ2021~もつ鍋~(昼の部)

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夜の部はこちらから

昨年4月に東京女子との2部制で発表さるた西鉄ホール大会。春の緊急事態宣言を経て、秋に延期されたはずが、いつのまにか中止になり、年明けにDDT単独で開催発表されたら、また緊急事態宣言。

ライブのプロレス開催にはリスキーな時代になってしまったが、いつもなら開催には慎重になるDDTが、地方大会を決行するというのは、個人的には嬉しい反面、心配でもある。

しかし、配信主体の時代とはいえ、生観戦の灯を消してほしくはない。色々考えた末に昼夜両方行くことにした。翌日実家に戻るのなら、観戦自体をやめていたけど、月曜は幸いその予定はない。

ならば、一回の交通費で2大会見られるなら、見られるうちにみておきたい。昨年は、いくつかチャンスがありながら、見逃した大会もあるし、年間5回というのはプロレスジャンキーには厳しすぎる。普段はつとめて節制しているので、どこかで爆発するはけ口は必要なのだ。

というわけで、2021年初のプロレス観戦はDDTでスタートすることになったわけである。

○オープニングマッチ 30分一本勝負

○岡田佑介 vs ●小嶋斗偉(8分38秒 逆エビ固め)

年頭の後楽園大会で参戦を直訴した、元・全日本プロレスの岡田。若手とはいえ、キャリアは4年になるので、小嶋には胸を貸す立場。

しかし、小嶋は秋山がDDTでコーチ就任してからデビューした新人。要するに新旧の秋山イズムが、DDTのリングで激突するわけで、DDTの未来を占う意味では、大切な試合になる。

見ていくとキャリアの浅い小嶋は習った事を必死でやろうとしている感じ。身体の使い方や、試合運びまで頭が回らないのは、このキャリアでは致し方ない。

対する岡田は、秋山イズムの上積みとして、自分で考えて動けている。この差は意外とでかい。度重なる小嶋への腰への集中攻撃は、全日本で培ってきたものが確かに感じられた。

第一試合としては申し分ない内容だったし、小嶋も岡田もいい試合をしたのだが、DDTではまた違った頭の使い方が求められる。小嶋はしばらく基礎が身につくまでこのままでいいけど、岡田は上の選手相手にした時が試練の始まりかもしれない。

第二試合 30分一本勝負

●平田一喜&アントーニオ本多&赤井沙希 vs ○高木三四郎&男色ディーノ&大鷲透(9分34秒リフトアップ・スピコリドライバー→体固め)

限定参戦になった大社長をライブで見るのは、本当に久しぶり。サイバーファイトの大社長としての面ばかりがクローズアップされがちだが、やはり現役選手としての大社長もまだまだみていたい。

とはいえ、このメンツだと従来のDDTの風景にはなるだろう。どう考えてもシリアスな内容になるわけがない。

案の定、大鷲班長は普段チームメイトである平田に「お前がいるせいで、真面目な試合ができない!」と八つ当たりするし、大社長は赤井相手にルチャコールを煽り、フライングクロスチョップをヒット!しかし、619は赤井にかわされて空振り。

そうこうしているうちに、アントンのごんぎつねが、コーナーに控えた男色先生の地獄門に突き刺さり、謎のエネルギーが注入されて大暴走。これに対して平田の手刀も地獄門パワーで威力が倍化するという謎の展開で、結局この暴走のどさくさに勝ちを拾った大社長チームが勝利した。

いやあ、通常のプロレスルールでここまでやるか、DDT!楽しかったなあ。

第三試合 30分一本勝負

○高尾蒼馬&アズールドラゴン vs 彰人&●中村圭吾(9分42秒 スライディング・エルボーパット→片エビ固め)

博多大会には欠かすことのできないアズールドラゴン。昨年は華☆激もなかったし、FTOにもいけてないので、生で試合みるのは、本当に久しぶりになる。

アズールと、彰人との絡みも興味深くみせてもらった。ある意味レスリングマスター同士の組み合わせは、見応え十分。これだけでも元が取れるというものである。

やっぱりこの中でキャリアが浅い中村が狙われるのは仕方ないが、なんとか上位陣に食い込んでいこうとする気概は十分に感じた。私が記憶する限り、今のところ自力で勝利したのは、岡谷からの一勝だけのはずだから、中村も必死だ。

特に高尾へのエルボー連打は気持ちが乗っていたし、勝ちたい意欲も伝わってきた。だが、それだけではまだ金星奪取にはいたらない。

高尾のジントニックを切り返したところまでは良かったが、ふとした間ができた瞬間に中村に叩きこんだ、高尾のランニングエルボーはえげつなかった。この辺が伊達にキャリアを重ねてはいないところ。

特に自分のフィニッシャーを捨て駒にして、エルボーの倍返しというのは、さすがというほかなかった。高尾の場合は、これがチャンピオンチームや、上位陣にも繰り出せるとなおいいんだけど。

 

○第四試合 30分一本勝負

竹下幸之介&○勝俣瞬馬 vs 大石真翔&●渡瀬瑞基(12分25秒 ¡Hasta la vista!→片エビ固め)

秋山の欠場で、準烈揃い踏みが見られないのは、大変残念。今の流れからいうと、秋山のレンタル移籍は、延長もしくは正式にサイバーファイト移籍になりそうなんで、次がありそうな気がしないでもない。

一方、その秋山にシングル2連敗を喫し、どん底にいるはずの、竹下はALL OUTではなく、 DDTサウナ部として楽しそうにしている。3度目が遠くなった事実は理解しているんだろうが、サウナ部の中でもオリジナルALL OUTの勝俣とのチームで、秋山のいない準烈にどう立ちむかっていくか?

竹下&勝俣はやはりサウナ部仕様。大石を上手に挑発しながら、渡瀬に主導権を渡さない。どん底まで落ちた竹下には、サウナ部はいい気分転換になっているんだろう。

一方の準烈は、もう一つコンビネーションに難があると言うか、秋山に心酔しているまこりんと、隙あらば秋山の寝首をかきたい渡瀬の連携が、今ひとつしっくりこない。

そのせいか、大石と渡瀬の分断に成功したサウナ部が、渡瀬を沈めて快勝という結果に!

さすがにALL OUTからのサウナ部で以心伝心の竹下&勝俣には、及ばない部分で、準烈がユニットとしてどういう方向に向かっていくのか、気になる試合だった。

 

○セミファイナル 博多名物!せいもん払いスペシャル6人タッグマッチ 30分一本勝負

遠藤哲哉&○佐々木大輔&火野裕士 vs HARASHIMA&クリス・ブルックス&●納谷幸男(12分20秒 クロス・フェースロック)

火野との対戦でこれ以上ない屈辱を味わったはずの納谷が、再起をかけて火野に挑めば面白くなるが、今までの納谷をみていると、まだそこまで火がついているようにはみえない。やる気はあるようなんだが、空回りしているようにみえる。

個人的にはクリスと遠藤が絡んでも面白いが、直近で秋山の挑戦が決まっているので、KO-D挑戦には即繋がるわけではないから、このあたりは顔あわせ程度になるのかな?

出番にはやる納谷を抑えたHARASHIMAが、同じく先発を買って出たカリスマとじっくりした試合展開でスタートさせるも、いざ、納谷にスイッチすると、待ってましたとばかりに、遠藤と佐々木の連携で、あっという間に納谷を孤立させる。

十分いたぶり抜いたあとに、場外に待つ火野に渡してパワーの洗礼…とダムネの攻めにはとにかく抜け目がない。

結局、納谷はやっとでかい身体がコントロールできかかっている段階なんで、このままだと火野とのシングルでもよい結果は出せないだろう。

覚醒した樋口みたいに、テクニックをパワーで黙らせるくらいのことが見せられたなら、まだよかったんだけど、納谷はまだその序の口にも辿り着けてない。

本人的には千載一遇のチャンスを逃すまいと必死になってはいるんだろうが、まだまだ目の色変えないと、この先も厳しそうだ。

 

○メインイベント Eruption vs DDTサウナ部! 30分一本勝負

●樋口和貞&坂口征夫 vs ○MAO&上野勇希(20分32秒 垂直落下式洗濯バサミ→体固め)

こちらはDDTユニバーサル王座狙いの坂口と、王者・上野の前哨戦。サウナ部が本格的にユニット始動するんなら、KO-Dタッグの前哨戦にもなりえたはずだが、今の流れからだと、ユニバーサルをめぐる上野と坂口が火花を散らし合う試合になりそうな感じはしている。

試合はさすがにタッグ王者らしくイラプションが、常にリードする形で、上野もMAOもタジタジになる場面が多々見られた。

しかし、この若さで三味線ひく小狡さがあるのが上野とMAOでもある。何考えているかわからないMAOと、そもそもDDTに入るまでプロレスを知らなかった上野は、ちょいちょいプロレスの常識から外れたことをしてくる。

その上、若さと驚異的な回復力があり、坂口と樋口のフィニッシャーだけは完封してくる狡猾さが、次第にイラプションの歯車を狂わせていく。

最後は、パワーを完封された樋口がサウナ部の連携につかまり轟沈。タッグ・シングル二冠を目指す坂口には痛い敗戦になった。

後記

入り自体は、非常事態宣言下において決して芳しいとは言い難かった昼の部。しかしそれでもDDTは大会を決行し、素晴らしい試合をみせてくれた。本当に感謝しかない。

帰りにサイン会の列に並んで平田選手にサインをもらったら、私がきているAEWパーカーにめざとく気づいてくれた。こういうとこがDDTの選手って抜け目がないんだよなあ。常連さんの顔はしっかり覚えてるし。

ということで、夜の部も楽しみだ!

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