イベント試合:門司港レトロ大会(北九州ラーメン王座選手権 2019)(2019年3月17日(日):会場/門司港レトロ親水広場(旧門司港税関横) 時間/(第1部)12:00~・(第2部)15:00~
イントロダクション
前日、実家から帰る際、関門トンネルが恐ろしく渋滞していた。土日に開催されるラーメン選手権の影響は明らかなんで、当日は門司駅近くに車とめて、電車で門司港入り。かつてまちおこしに関わっていた時代は、下関から毎日のように門司港へは通っていたもんだが、すっかりご無沙汰してしまった。しばらく来ないうちに門司港駅も新調されており、そのためのイベントも行われていた。
だが、どんなに疎遠になろうが、プロレスがあれば話は別!そこにプロレスがある限り、私は出向くからだ。したがって私にブランクなどはない。幸い前日までの悪天候が嘘のように…とまでは言わないが、まあまあ程よく晴れた!先週のチャチャタウンとはえらい違いである。
オープニング
さて、前回のラーメン選手権では、ハーバーデッキだったがむしゃらプロレス。今回はラーメン選手権が開催されている中央広場のすぐ近くの親水広場。注目度は前回の比ではない。更に先週参加が叶わなかったエゴイスト勢にプラス、岩国プロレスから初参戦するシドニー・昌汰・スティーブンスが気になるところ。
昨年私は松江だんだんプロレスの広島大会で、セコンドについていたシドニー選手を目撃している。巨体に似合わない俊敏な動きと、キビキビしたセコンドぶりが印象に残っている選手だった。今回は岩国プロレスと交流があるAllマイティ井上選手の推薦でもあるという。やはりニューフェイスは、未知なる部分がたくさんある分、こちらもワクワクしてしまうのだ。
ラーメン食べて少し早めにきて席も確保したので、しばらくリング上の練習をみていた。イベント試合はこういうのが見られるのがいい。下の動画に関してはジェロニモ選手本人に許可もらって掲載した。これだけ出来ても実戦では結果が残せないのだから、プロレスはホントに難しい。
☆第一部☆
さて、この日の門司港レトロは、ラーメン選手権、コスプレピクニック、門司港駅開業イベント、フリーマーケット、トロッコ列車とゆるキャラの競争などなどイベントが多重に重なりかつてないくらいにカオスな状態になっていた。
がむしゃらプロレスのプロレス教室にも一部・二部共にコスプレイヤーさんも参加。やはり運動はイマイチでもポージングはさすが!としかいいようがなかった。
▼スペシャルレトロBattle!!
①ダイナマイト九州 with ○セクシーロージィ vs ×パンチくん with セクシーモーミー
(9分25秒)
久々登場のセクシーロージー!数年ぶりのリング登場なのに、相変わらず人気は高い。対するパンチくんは、例の任天○から怒られそうなテーマ曲を流したものの、格好はいつものパンチくんだった。
そしてパンチくんに帯同しているセクシーモーミー…。カツラがあってもなくても髪型が大して変わらないのだが、それは・・・・
そして、ロージーもモーミーもセコンドのはずなのに、いつのまにか試合に介入して、タッグマッチになるのか、と思いきや、こちらはこちら同士でセクシー対決を始めてしまう。こうなると試合の主役がどっちかわからなくなる有様。だが、セクシー度でもパワーでもモーミーを子ども扱いするロージーの前に、モーミーはタジタジ。
試合はほとんど活躍していない九州が、ロージーの八面六臂の大活躍で勝利をもぎとった。ともすれば省エネ試合とも揶揄されかねないが、九州には二部で大役があるので、これは仕方ないかな?
▼ユニット対抗6人タッグレトロBattle!!
②HIROYA & トゥルエノ・ゲレーロ & ○SMITH vs ×TOSSHI & KENTA & 鉄生
(14分41秒)
先週は解散のかかった直接の相手gWoで、今回はドリームチューバ―。LCRとしては、今回の方がヒール色を出せるという意味では、やりやすいのかもしれない。ともかく勢いに乗るHIROYAあたりは「つぶしておきたい」ところだろう。
ところが、ただですら連携に難があるLCRは、なかなか自軍のペースに持ち込めない。序盤こそゲレーロに狙いをしぼってヘビー級のパワーを見せつける鉄生とKENTAだったが、ひとしきり技を受け切ったゲレーロがボディアタックで一矢報いると、代わって登場したスミスが流れをがらっと変えてしまう。
LOC側としてはスミスを出させないというのが「絶対条件」だったはずだが、こうなってはどうしようもない。串刺しラリアットからテキサスクローバーで鉄生の足を破壊していく。ここでロスしたLOCはなんとか挽回しようと三人がかりでHIROYAを狙いだすが、またしてもKENTAと鉄生が誤爆!当然仲間割れしていては勝てるはずもない。
結局、TOSSHIをまたしても見殺しにする形でLCRは先週に続いて、不穏な空気を流したまま黒星を重ねてしまった。
▼タッグレトロBattle!!
③×力 雷汰 & ドラゴン・ウォーリアー 久保 希望 vs シドニー・昌汰・スティーブンス & 豪右衛門 & ○土屋クレイジー
(12分26秒)
この試合はシドニ―と力の負けた方が「汰」の字を使えなくなるというルール。どうせなら字だけでなく[「た」コントラ「た」]にしてしまえばよかったのだが、シドニーは汰がなくなったところで「昌」だけでも格好いい。対して力雷汰は「リキライ」になっちゃうので、むしろそっちの方がおいしかったと思う。
まあ、そうはいっても岩国プロレスの選手にそんなリスキーな真似をさせるわけにはいかないので、当然結果は始まる前から決まっていたも同然。その証拠に観客からは試合中からもうすでに「リキライ!」という声援が飛ぶ始末。
それに「まだ早い!」と反応しつつ、果敢にシドニーにぶつかっていく力だったが、いかんせん体格差はどうにもならない。ましてや守護神?のテキーラもないわけで、体格差に勝るgWoが劣勢に回ることはほぼなかった。
そのシドニーだが、久保希望と当たっても当たり負けしない体格と、見た目以上に素早い動きには、目を見張った。でかいだけでなく、動けてパワーがあるとなると、これは脅威以外の何者でもない。多分実戦経験を積んだら大化けしていくだろう。
こうなるとナスティの分が悪くなるのは当たり前。最後は孤立した力を土屋がリングに叩きつけてカウント3つ。次回より力 雷汰は「汰」の字が使えなくなってしまった。
☆第2部☆
一部が終了したのが、13時半。二部開始が14時半で、ラーメン選手権が終わるのが16時。この1時間の間に二杯食べるというのはなかなかハードなミッションになった。選手権の行列は途切れることなく続いていて、もはやラーメンで吟味するというより、行列の多い少ないで決めるしかない。
というわけで下関と北九州以外の参加店舗で、行列の少ないお店を回ってどうにかミッションクリア。慌ててプロレス席に戻り、プロレス教室のスタートから観ることができた。こちらには、スパイダーマンのコスプレイヤーさんが参加。ゲレーロと並んだらマスクマンタッグチームみたいにみえた(笑)
▼ユニット対抗6人タッグレトロBattle!!
①×モミチャンチン & ドラゴン・ウォリアー & 久保 希望 vs ○HIROYA & トゥルエノ・ゲレーロ & SMITH
(13分47秒)
一時はベルト総取りも目前だったドリームチューバーと、ジェロニモ加入前のオリジナルメンバーが久々の揃い踏みとなったナスティ。ナスティは悪役っぽいというだけで、厳密には悪役ではないのだが、やはりどう見てもベビーフェイスなドリームチューバーと比べたら悪役っぽくなってしまう。
そこは機を見るに敏な久保が、パンダの被り物をスミスにかぶせて攻撃したり、2対1でゲレーロを蹂躙したりと、いつもよりヒール色を強めに出してくる。
なかなか見る機会がなかったオリジナルのナスティだが、このトリオは非常にバランスがいい。モミチャンチンのパワーとドラゴンの機動力も生きていたので、中盤までは拮抗した展開になっていた。
ただ、ナスティの泣き所は、モミチャンチンのブランク。結局、ドラゴンにゲレーロがトぺを敢行。一番小うるさい久保をスミスが捕獲すると、リング上ではモミチャンチンとHIROYAの2人に。キャリア的にはモミチャンチンが勝ってもおかしくはないのだが、HIROYAの成長ぶりはキャリアではどうにもならないくらいのスキルになっていた。
フィニッシュに行く際、HIROYAがもたついたにもかかわらず、ナスティはカットにも入ることができず、結局モミチャンチンが雪崩式ブレンバスターの餌食になって万事休す。
ベルト総取りに王手をかけていたドリームチューバーと、野本一輝のインターコンチ戴冠(尾原毅の戴冠はドリームチューバー時代)のみというナスティ。最後に明暗を分けたのはチームの総合力だったのではないか、と私は感じた。
▼6人タッグレトロBattle!!
②×シドニー・昌汰・スティーブンス & 豪右衛門 & 土屋クレイジー vs 力雷汰 & TOSSHI & 〇鉄生
(17分15秒)
gWo対LCRで、陽樹がいないだけでぐっと因縁めいたものが減るんだなと思った試合。陽樹がいないのもそうだが、LCRに力を混ぜたイベントらしいカードでもある。
ということで戦力的にはどうしても劣るLCRが奇襲して試合はスタート。当然「汰」をとられてしまった力はシドニーに猛然と突っかかっていくが、リングに戻されて、そこから先はひたすらローンバトルに。一生懸命やっているのはわかるのだが、試合の流れが完全に止まってしまったという点では、控えにいる鉄生&TOSSHIがイラつくのも無理はない。
見かねてTOSSHIが乱入して加勢するが、それでも流れがそう簡単には変わらない。そのTOSSHIにチェンジしてからも、土屋に蹴り足をとられてこれまたローンバトルになっていく。
ただ、シドニーにスイッチした時点でTOSSHIは自力で脱出!変わった鉄生とシドニーの大型パワー対決はこの試合での大きな見どころになった。肉体と肉体のぶつかり合いをするということは、鉄生としても願ったりかなったり。アキレス腱になっている足を攻められないうえに、自分の土俵でも勝負できる。
このあたりにシドニーの実戦不足な点が垣間見えたような気がした。こればかりは練習だけではどうにもならない。こうした弱点がタッグでも露呈するとなると、シングルだと余計に狙われやすいだろうが、一度シドニーのシングルマッチは見てみたいなと思った。
このシドニーとの直接対決において自力で流れを手繰り寄せたLCRは、TOSSHI&鉄生のスピンキックでシドニーを止めると、最後は鋼鉄ロケットランチャーで、「未来の怪物」を仕留めてみせた。
▼GWAインターコンチネンタル選手権 レトロBattle!!
③【挑戦者】×ダイナマイト九州 vs ○KENTA【王者】
(15分41秒)
カードに関しては当日発表となっていたが、唯一事前発表になっていたのが、GWAインターコンチ戦。まさかのダイナマイト九州の挑戦というのは、正直びっくりしたが、こういうイベント試合でないと実現しないカードではあるので、正直楽しみにもしていた。
入場時、ゲロQとしてパートナーになっているトゥエルノ・ゲレーロが、九州ののぼり旗をもって追随。マスクの下の目は若干緊張している感じだった。
試合もいつもの九州の展開ではなく手四つではじまり、グラウンドでもKENTAの流れについていくのはさすがキャリア13年の選手だけのことはある。ならばと打撃で活路を見出した九州は、KENTAの足をとると、悪役ばりに鉄柱に両足をうちつける。見かねたセコンドのTOSSHI&鉄生が抗議するが、まさかLCRのお株を奪うとは思わなかった。
ただ、らしからぬことをしていくと、調子が出ないのか。とうとういつもの「1.3.5.7九州!九州!」をやってしまった。当然、これが通じる相手でもない。だが、九州は秘策のレインメーカー式ヒップバットをお見舞い。次に正調レインメーカーと畳みかけてきた。
ところが、これが現在の九州の限界だった。KENTAもレインメーカーには不意を食らったものの、終始落ち着いていたし、自分のペースはしっかり守っていた。だから九州の秘策にあわてることなく、最後はラリアット合戦からのスーパーノヴァでフィニッシュ。
試合後のマイクも堂々としたもので、ベビー時代とは全然違う。ちゃんとまとめられていたし、これはやはり立場が人を強くするというやつだろう。インターコンチは煩雑に防衛戦があるけど、ほかはそうでもない(OPGに流出しているタッグは別にして)ので、そこらへんのバランスも難しいところ。
後記
今回は単なるイベント試合の枠を超えて、今後につながるものがいくつもあったし、青空のもと開放感のあるイベント試合で、大成功に終わったと思う。ラーメンも盛り上がっていたし、一見さんにもプロレスの魅力を伝えられたと思う。機会があればまたイベント試合はぜひやってもらいたい。