[プロレス観戦記復刻版] 九州プロレス旗揚げ3周年記念大会「筋肉山笠`11」(2011年7月3日(日)福岡市・西鉄ホール観衆464名)

せかぷろ

九州プロレス旗揚げ3周年記念大会「筋肉山笠`11」

(2011年7月3日(日)福岡市・西鉄ホール観衆464名)

イントロダクション

この日は小倉について満員だったさくらを飛ばしてのぞみに乗ったら余裕で着いたし、博多に着いたらむしろ北九や下関よりも凌ぎやすかった。西鉄天神駅にはいって、エスカレターを伝っていくと上からアリマティ選手がおりてきて「お疲れ様です」とあいさつしてくれた。

オープニング

試合前の前説は今回地元アイドルのLIN-Qが務めた。

まあこういうショーアップされたところが九プロの特徴でもある

。歌は9割口パクでしかも知らない歌だったんで会場全くノってなかったけど。OPフィルムではめんたいがハッピーバースディ―をうたいながら入ってきたら、なぜか純二にダメだしされて「祝いめでた」と混成の変なお祝いがはじまって、いよいよ選手入場!

入場式→公開抽選

ここでマイクもって一人一人挨拶していくのだが、若鷹いわく「師匠の7回忌興業よりこっちを選びました」っていってたけど、あんたゼロワンやめてるしねえ。そして今回はついにやってきた九州討伐団との完全決着戦。公開抽選が綱引き形式で行われることになった。維新軍対正規軍以来面々と受け継がれたスタイルである。

九州プロレス選抜メンバーは筑前、めんたい、そして、遂に正規軍入りを果たした台風、さらに、台風と共闘?するKAIENTAI-DOJOの旭志織が助っ人に加わった。ご丁寧にお客さんの一人に綱をいじってもらって完全抽選式でスタート。

しかし討伐団リーダー相島は不満たらたら。

いわく「最強メンバー集めるって千葉の兄ちゃん(旭)と渦巻(台風)いれてなにが最強だよ!山(阿蘇山)やふんどし(純二)はどうした?」といちゃもんつけまくる。あげく台風をうっかり人間呼ばわりしてしまった筑前の言質をとって「お前今こいつ(台風)を人間っていったよな?台風じゃねーのかよ!」と舌好調の相島マイク!

しかし右手は包帯でぐるぐる巻き。れは本当に状態が悪いのか三味線なのか?

さらに九州討伐団は、相島、ディアブロ、黒影に続くXを呼び込む。「お前な!みちのくプロレスにフラッグとか送ったよな。残念だったな。お前の好意は無駄になったよ」とXがみちのくの使者であることを明かす。その正体は九龍で暴れている野橋太郎だった!ただ同じスキンヘッドなんで「弟じゃねえぞ」と相島。

そして両軍、それぞれが綱を引いて組み合わせが抽選された。が・・・。その結果、旭vs黒影、台風vs相島!!!!めんたいvs野橋、筑前vsディアブロに決定した!

「なんで俺の相手があいつなんだよ!」と頭を抱える相島。しかし怨敵相島を迎え撃つ台風はやる気満々。こうしてメインのシングル4連戦は決定した!

第一試合

肉追い山ならし20分1本勝負

○田中純二(5分43秒 箱崎浜からの片エビ固め)クルメンひろせ×

筋肉山笠11のオープニングマッチは、山笠男、田中純二がクルメンとの一騎打ちに臨んだ。両方とも実力者同士なんで、安心してみてられたがまずクルメンは序盤からスピーディーな攻撃で純二を翻弄すれば純二はクルメンのスピードを封じるため左足に集中攻撃。

特に途中で極めた逆エビはしっかり膝殺しにでてるのがはっきりわかった。クルメンは左足を引きづりながらも、ミサイルキック、619など得意のクルメンムーブでなんとか対抗していくがいつものキレがイマイチ。さらに、マヒストラル、ウラカンラナなど様々な丸め込みを連発していくがいずれも決めてにならず!

逆に純二はパワーボムで切り返し、バックドロップと畳み掛け。必殺、箱崎浜できっちり3カウントを奪った。

いや純二に確実にここまでくらいつくクルメンの成長ぶりが伝わった試合だった。

第二試合.日×米大怪獣バトル チョコレートショップ超限定商品チョコレートチョップ争奪タッグマッチ

30分1本勝負

○阿蘇山&若鷹ジェット信介(11分12秒 万トーンからの片エビ固め)クラッチ×&オックス(バーキン・スパイダース)

昨年の筋肉山笠で九州初上陸したクロクモ・クラッチ。九州プロレスに復讐するため、今回は、本来のパートナー、オックスを引き連れ、バーキン・スパイダーズとして再来日したという。そう九プロではかなりなレアもの外国人選手。しかもロードウォーリアーズのパチモンっぽい雰囲気からくり出される日本語が怪しさ倍増!果たして実力はいかなものか?

怪獣のくくりでまぜられた若鷹は多少気の毒だったが。九州一のパワーファイター阿蘇山のタックルにもびくともしない初来日のオックス。逆に阿蘇山を軽々投げ飛ばしてガイジンパワーを見せまくる!

いいね!こういう埋もれた実力者!!怪しい魅力があってしっかりプロレスできるってところがいい!!一発で虜になった。ジェットも、大型外人コンビの迎撃に大ハッスル。クラッチにはコーナーでのパンチの雨あられ、オックスに強烈な張り手のラッシュ。阿蘇山、パワーではオックスに太刀打ちできないとみるや、ミサイルキックや、トップロープからのチョコレートチョップなど飛び技で対抗して盛り返した。

最後はクラッチを捕獲し、強烈なパイルドライバーからの、万トーンで完全KO!巨大な黒船から無事、九州を守り抜いた。試合後、阿蘇山&ジェットには、チョコレートショップから勝利者賞として、巨大なケーキ「チョコレートチョップ」が贈られたのだがなんかマスク越しにやたら嬉しそうな阿蘇山。実は阿蘇山、無類のスイーツ好きでしかもグルメらしい。道理でえらくはりき
っていたわけだわ。

ここで休憩。

なんとここで会場にプライベートで東京から某芸能人が自費で観戦にきてる事が発覚。これはびっくり。しかも本当に関係者芸能人コネなしで見に来てたらしい。大したものだ。

第3試合.

筋肉山笠~九州プロレス×九州討伐団4vs4シングル全面戦争~

○旭 志織(5分18秒 反則)黒影×(※毒霧)

九州プロレス対九州討伐団の4vs4シングル全面戦争の初戦は、助っ人参戦の旭と黒影の一騎打ち。九州討伐団が全勝すれば、相島がNPO九プロ理事長就任という条件を飲ませたのであった。初戦から気合い入りまくりの黒影はあおりVでも散々旭を挑発!

その黒影がいきなり奇襲の打って出た。場外戦では、鉄パイプを持ち出すも、ケニー中村レフェリーに厳しく制止される。特に今回レフェリーは厳格に反則をチェックしていたようだ。まあ相手がなにするかわかんないからね。

リングに戻ると、黒影はパンチのラッシュ、串刺しラリアット、Wアームと畳み掛け。そこを起死回生のニールキックで脱した旭は、マードックばりのカーフブランディング、そしてはいり方が独特な卍固めで締め上げる。しかし、これに指噛み付きで逃れる黒影。会場大ブーイング。

怒った旭は、阿吽から場外に逃れた黒影に一度目は失敗したプランチャを成功。とどめとばかりにコーナーにのぼった旭に、黒影、強烈な毒霧を大噴射!厳格なレフェリングをしていたケニー中村レフェリーがもろに見ていたため即座に反則裁定で試合をストップした。

第4試合

筋肉山笠~九州プロレス×九州討伐団4vs4シングル全面戦争~
×台風7号(8分3秒片足フォール)相島勇人○(※垂直落下式ブレーンバスター)

昨年12月から続く、台風と相島の因縁抗争。遂に一騎打ちが実現!しかし、相島はノア参戦で負傷した右腕をギプスで固定した満身創痍の姿。最初はふかしこいてるとばかり思っていたが実はこれはガチの怪我だったのだ。もともと相島は右ひじに爆弾を抱えている。セコンドの黒影がコールドスプレーを手にしたときは「なんかするのでは」という不安もあったが・・・

一方台風はチャンスとばかりに相島の負傷箇所を冷酷に集中攻撃。相島は片腕での試合を強いられてしまう。渾身のラリアットも「右」で打ってしまい、苦悶する相島。台風は、一気に勝負をかけ、全身全霊のアームバーへ移行。これを噛み付きでなんとか脱出する相島。

それでも諦めない台風は、台風クレイドルで相島を回す。台風チャンス!さらに台風ラナでフォールを狙うもカウント2で相島に
返される。負傷している右腕で相島はラリアットをさらに2連発。畳み掛けて垂直落下式ブレーンバスターで台風から完全3カウント。星を五分に戻した。

黒影のアイシング受けてた相島の苦悶の表情からは辛勝してしまった悔しさがにじみ出ていた。右腕ラリアットはせめてもの意地
のあらわれだったのだ。ちょっと感動したかも。

第5試合

筋肉山笠~九州プロレス×九州討伐団4vs4シングル全面戦争~

×めんたい☆キッド(7分10秒逆打ち)野橋太郎○

九州プロレスvs九州討伐団。ここまでで1勝1敗のイーブンになってしまった。九州討伐団の「X」は、みちのくプロレスからの「お礼参り」、九龍の野橋太郎。

実は、めんたいと野橋は、メキシコ闘龍門修業時代共に過ごた関係だと、試合前のめんたいのコメントで明らかになった。いわば同門だったのだ。お互い手の内を知り尽くした両者は闘龍門出身者らしい高度な超ハイスピード攻防を展開。ただ決して大きくないめんたいよりも、さらに小さい野橋はその体型から想像できないような重たすぎる攻撃を繰り出してめんたいを追いつめた。

めまぐるしく動きまくる激しい試合に会場大盛り上がり。早々フィニッシュ狙いにきためんたい。野橋のバックを取るも、強烈な急所蹴りの餌食に。さらに、レフェリーの一瞬の隙を見て、強烈すぎる一斗缶攻撃を食らってしまう。意識朦朧のめんたいに追い打ちをかけた野橋は逆打ちで完璧な3カウントを奪う。この結果で九州討伐団の2勝1敗。

しかしいつものめんたいにしてはやや勝ちを急ぎすぎたか?らしくない結果に会場んもざわついていた。

第6試合

筋肉山笠~九州プロレス×九州討伐団4vs4シングル全面戦争~

×筑前りょう太(7分4秒 片エビ固め)ディアブロ○(※悪魔首折り弾)

4vs4シングル全面戦争のトリは筑前とディアブロという黄金カード。筑前にとって、ディアブロとの一騎打ちは前身博多ぶらぶらの裏切りから、待ちに待った完全決着のチャンス。ところがディアブロは筑前に握手を求める。最初は拒む筑前に「握手もできないのかよ」とディアブロ。応じた筑前の手を握り返すディアブロ。こうして一見クリーンに試合はスタートしたが・・・

しかし、やはりディアブロはディアブロだった。筑前のコーナー倒立からの攻撃を、膝を立て急所打ちで迎撃し、本領発揮。怒りの筑前は、強烈なチョップに、ハイアングルパワーボム、渾身のスピアーから、とどめの「とぶばい」へ。だが、これもキックアウトしていくディアブロ。

ならばと筑前ボディプレスで3カウントを狙うが・・・カウントを取るレフェリーの足を黒影が場外へ引っ張り下ろす暴挙にでた!ついに討伐団が最後の最後でなりふり構わない攻撃にでた。レフェリー不在の中、九州討伐団全員による集団公開処刑開始。
フラフラの筑前に、悪魔首折り弾withチェーン~悪魔首折り弾2発を叩き込まれ、筑前、九州プロレス旗揚げ以来、シングルマッチで初の3カウントを聞く最悪の結末に。さらに好き放題、暴れまくる九州討伐団。ディアブロは、筑前をチェーン絞首刑に。

この筑前最大のピンチに、颯爽と救出に飛び込んで来た「助っ人」がいた!なんと、それはかつて華☆激で筑前の前身時代に共闘していた現大阪プロレスのビリーケン・キッドだった!!!九州討伐団を蹴散らすビリーはホームでのヒールぶりを封印。リングアナと手錠で結ばれてしまった旭の代わりに大暴れするビリー。

怒り心頭の筑前は、九州討伐団の反則ばかりの勝ち越しに納得できず「まとめてぶっ潰してやるよ!」と、急遽、ビリーを助っ人
に8人タッグへなだれ込んだ。

第7試合.ボーナストラック 8人タッグマッチ

○筑前りょう太&ビリーケン・キッド&めんたい☆キッド&台風7号
(7分51秒 片エビ固め)
相島勇人&ディアブロ×&黒影&野橋太郎
(※真っすぐ飛ぶバイ!)

ビリーケン・キッドが九州プロレス軍に入るかたちで急遽、8人タッグの総力戦へなだれ込んだ。試合は、両軍入り乱れての大乱戦。ビリー、七面六臂の大活躍。鉄柱超えのトペコンでディアブロを空爆。狙いはあくまでもディアブロだった。

追い打ちの台風トペ。さらに筑前の大型トペコン、ラストはめんたいの鉄柱からのケブラーダと空中弾4連発が目の前で行われたんで大急ぎで非難!

リングに戻ったディアブロに、九州プロレス軍の怒濤の波状攻撃が畳み込まれる!そしてビリーのミサイルキック、台風DDT、めんたいのめんたいスプラッシュ、さらに、筑前の「がつんといくばい!」そしてとどめの「真っすぐ飛ぶバイ!」でディアブロに反撃の隙を与えず3カウント。

これに納得いかない怒りの相島は「おい!黄色いパンツ!お前は誰だ?バカヤロー!」ビリー「みんなに聞いてみろー!」と会場から大きな「ビリーケン・キッド」の声!

「お前らいつもいつも違う助っ人用意して自分らじゃ勝てないのかよ!まあいい。黄色いの!お前俺たちの気に入らないリスト
に入ったからな」とすごむ相島に「光栄です」とかえすビリー。

形はどうあれシングル対抗戦で勝ち越したにもかかわらず総力戦での敗戦に納得できない相島は、さらに、九州プロレスへ
「誰がこのリングで一番強いのか、決めようじゃねえか!」と逆に挑戦状を叩きつけた。

完調ならば勝って当たり前と思っていた相島のこの言質を今度は筑前が取り返す。「いったな!よし!次はきっちりサシで勝負してやる。そして俺が優勝するからよ。決勝戦は討伐団しか残んねえからな。」と捨て台詞をはく相島に「たまにはいいこと言うやん、相島勇人。よーじ!一番の九州男児、決めようやないかい!」

この二人のやりとりで、「九州で一番強い男」を決めるという流れが誕生した。こうして九プロは新しい闘いのスタートを切った。

エンディング

で討伐団の去った後筑前のマイクは続く。「そして今日、大阪で一番になりたい男がここにやって来てくれた!ビリーケンキッド!・・・・なんで来るんやお前…。せっかく昨日、俺が貸しを作ったとこやったのに。」(前日、大阪で行われた大阪プロレスの大会に筑前が乱入し、ビリーを救出していた。)

「ははは、借りは返したぞ。」と笑うビリーは「ビリーも大阪で一番になるために、九州に来ました。いっとき、一緒に練習をして、また大阪に戻ってチャンピオンになる!彼はそういうつもりです!応援してください!」と筑前が「過去」の経緯を説明。

そう10年近く前彼らはともに華☆激で戦っていたのだ。懐かしい光景だった。あの頃は若手だった二人がともに団体の顔になってる・・・そして3周年記念大会のラストは会場の子供達をリングに上げて、筑前、めんたい、ビリーケン・キッド、台風の4人で「九州ば元気にするバイ!」5連発で大会を締めくくった。

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