[プロレス用語辞典](ラ行)ラウンド制
プロレスにも
今回のプロレス用語辞典は、ラウンド制です。
ボクシングや総合格闘技などでは当たり前に見られる試合形式ですが、プロレスにも存在します。
ヨーロッパで
基本は通常のプロレスルールですが、異なるのは5分(場合により時間は異なります)を1ラウンドとして、それを複数ラウンド行うというスタイルになることです。
ヨーロッパのほうでは頻繁に行われていた方式で、YouTubeとかで古い動画を漁ると出てきます。
競技性を高めて
私が見る限り、反則やダウンカウントも厳密に行われており、より競技性を高めているように思えました。
さしずめキックのないUWFという感じでしょうか。
非常に掴みづらい
ボクシングみたいな一撃必殺とは違って、プロレスのラウンド制は、あと一歩のところで終わってしまい、自分のペースが非常に掴みづらいと言われています。
プロレスの試合では、基本的な技の組み立てからのフィニッシュムーブという事が多いのですが、ラウンド制では1ラウンドごとにリセットされるため、慣れない選手は焦るわけです。
厄介なインターバル
このインターバルというのがまた厄介で、相手にダメージを与えても回復する時間や、考える時間を与えてしまうため、闘う選手は、ラウンド制に合わせた戦略を練らなくてはならないのです。
ラウンド制プロレスについてはこの戦略の部分が非常に大切になってきます。
戦略を楽しむ
したがって見る側としては、選手がどういう戦略で試合に臨んでいるのか?それを想像しながら楽しむわけです。
ラウンド制は1990年代まではヨーロッパでも盛んに行われていました。
振り方によっては
ドイツのオットー・ワンツ派が仕切っていたCWAでは、3分10ラウンドの試合形式が主体だったようです。
先程ラウンド制は競技性が高いと書きましたが、振り方によってはエンターテインメントにもなりうる試合形式です。
ある意味危険
変わったところでは、ラウンドごとのインターバルで、ショットでテキーラとウイスキーを、一杯ずつ飲み干さなくてはいけないというものもあり、飲みきれないと負けになってしまいます。
当然、ラウンドが進むにつれて酔いが回っていくので、ある意味危険ではあります。
2010年あたりまで
言い換えればデスマッチと呼んでいいでしょう。
こうしたドランカーマッチは例外としても、ラウンド制自体は2010年代あたりまでは普通に残っていたようです。
多様性に富んだ
しかし全米侵攻を終え、世界進出を目論むWWEがヨーロッパに進出してからは、アメリカンプロレスに淘汰される可能性もなくはありません。
プロレスはさまざまなルール、人種、思想などなど非常に多様性に富んだ稀有なジャンルです。
ラウンド制は残ってほしい
その土地土地にあるスタイルも本来であれば、尊重されるべきなんでしょう。
いくらWWEが巨大企業として成功しているとはいえ、プロレス界全体が「右にならえ」してしまったら、それはそれでつまらないものになるでしょう。
そうならないためにも、ラウンド制はヨーロッパを代表する試合形式として、今後も存続して行ってほしい、と強く願う次第なのです。