[プロレス用語辞典](ヤ行) ヨンドン
ヨンドンとは
今回のプロレス用語辞典は「ヨンドン」です。
ヨンドンとは、かつて横浜市鶴見区に存在した屋台村の名称です。
屋台村プロレス
このヨンドンを活動拠点としたプロレス団体がありました。その名も「屋台村プロレス」。
簡単に言うと屋台みたいなのが会場の中にあって、酒を呑みながらプロレスを見るというスタイルの先駆けでした。
いつの間にか
当時、気になっていたものの、横浜だし、しかも遠くて行きづらい場所だったようで、あれこれ迷っているうちに、いつの間にか屋台村は潰れてしまいました。
90年代に南原清隆さんがMCをつとめていた「リングの魂」と言う番組でも特集されていた記憶があります。
屋台村の中心人物
屋台村プロレスの中心人物は、高野拳磁。1981年に新日本プロレスでデビュー後、全日本やSWSなどを渡り歩いたプロレスラーです。
当時の高野拳磁選手が率いていた団体「PWC」は、所属選手の大量離脱に見舞われ、デスマッチ路線に活路を見出そうと将軍KYワカマツさん率いる宇宙パワー軍との抗争を開始します。
野良犬
その中で、何故か拳磁選手は、両手を手錠で掛けられ紐で繋がれてしまい、ワカマツさんにそのまま夜の街中を引きずり回されるパフォーマンスを披露し、一部の熱狂的なプロレスマニアには支持されました。
あまりの奇天烈な試合内容から、いつしか高野拳磁選手には、ファンによる「野良犬」コールを受けるシーンが定番化してい記事ました。
ナルシストな世捨て人
この「野良犬」という呼び名は、宇宙パワー軍との闘いに敗れた後のマイクアピールで、「リングは盗まれ事務所も閉鎖、みっともなくて情けねえよ。だがよ、俺は飼い犬にはならねえ!!」と高野拳磁選手か絶叫したことによります。
前述の「リングの魂」出演を契機に、高野拳磁選手は、ナルシストな世捨て人風に人生観を語る独特のキャラクターで人気を獲得するなど、プロレスファン以外にも知名度を上げました。
実業家として
この当時「ピザーラ」のCMにも起用され、「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!」にも度々出演していましたが、いつの間にかフェードアウトしてました。
2006年頃まで映画やVシネマに出演した後はアメリカへ行き、2009年には実業家として法人を立ち上げているそうです。
屋台村の同人誌
さて、私は週刊プロレス投稿常連会プレッシャーに所属しており、現在も交流がある関東のインディ団体好き会員から「屋台村の同人誌を作りたいので、協力してほしい」と持ちかけられました。
とはいえ、地方住まいでヨンドンには行ったことがなく、知識も乏しい私は協力を約束はしたものの、途方に暮れていました。
架空の小説
結局、少ない資料から同人誌の表紙と、屋台村のDNAがG1クライマックスに出場するという架空の小説を寄稿させてもらいました。
余談ですが、この屋台村同人誌を企画した会員は、現在関東近郊のさまざまなインディ団体でリングアナをやっています。
リング復帰の意思?
そして、最近になって長年の沈黙を破り高野拳磁選手がリング復帰の意思を示したという噂も飛び込んできました。
現在、アメリカ在住でもあり、本業も持つ高野拳磁選手が野良犬に逆戻りするとは、にわかには信じがたいのですが、屋台村愛を貫いたくだんの会員が、いつか高野拳磁選手のコールをする日がきたら、それはそれで「ヨンドンドリーム」なんじゃないか、と思ったりもしています。