プロレス的音楽徒然草 行け!タイガーマスク
3作品にしぼって
今回のプロレス的音楽徒然草は、「行け!タイガーマスク」です。
「行け!タイガーマスク」には、いくつかバージョン違いが存在しますが、今回はその中から「3作品」に絞ってお話しようと思います。
初代のテーマ曲
まず、オリジナルの「行け!タイガーマスク」ですが、こちらは主に佐山聡さんがプロレス復帰してから、「初代タイガーマスクのテーマ曲」として使用されています。
オリジナルの「行け!タイガーマスク」は、1969年10月2日から1971年9月30日まで、よみうりテレビ・日本テレビ系列で放送された「タイガーマスク」の主題歌です。
実際はタイアップ
しかし、現実に新日本プロレスで最初に登場したタイガーマスク(佐山聡)選手は、ワールドプロレスリングを中継していた、テレビ朝日系列の「タイガーマスク2世」とのタイアップでした。
したがって、新日時代のタイガーマスク選手は、「タイガーマスク2世」のテーマ曲である「タイガーマスク2世」が入場テーマ曲が(一時期)充てられました。
テーマ曲は二代目
ですから、佐山タイガーは、初代であるにも関わらず、テーマ曲は「二代目」のものだった事があったわけです。
そして、現実の二代目タイガーこと、三沢タイガーは全日本プロレスに登場しました。
カバーバージョン
当時全日本プロレスをテレビ中継していたのは、日本テレビでしたので、テーマ曲は晴れて「行け!タイガーマスク」になりました。
しかし、この時佐山タイガーに配慮したのかは定かではありませんが、二代目タイガーマスクのテーマ曲は、寺内タケシとブルージーンズが演奏するカバーバージョンでした。
ねじれは解消
結果的に、後年佐山タイガーがプロレス復帰する際に、オリジナルの「行け!タイガーマスク」を使用した事で、テーマ曲のねじれ現象は解消されたのでした。
ちなみに、寺内タケシ版「行け!タイガーマスク」は、アルバム「アニメ大百科~悪ガキ大集合」などのアルバムに収録されており、三沢タイガーのために用意されたものではありません。
非常に歌がうまい
しかし、三沢タイガー登場時、まだまだ知識の少なかった私は、寺内タケシ版を三沢タイガーのために演奏されたものだと思い込んでいました。
ところで、初代タイガーマスクこと佐山聡さんは、プロレスラーの中では非常に歌がうまく、「バーニングタイガー」をはじめ、数枚のレコード・CDも出されています。
声優大集合
その中に、メドレーですが「行け!タイガーマスク」と、アニメ「タイガーマスク」のエンディング曲だった「みなしごのバラード」を歌っているものがあります。
アルバムタイトルは「アニカバー・声優大集合 ノンストップミックス 愛と涙と感動のメモリアル・アニメ・ユーロビート」。
声優ではないはず
1997年9月に日本クラウンから発売されています。実は私店頭でこのアルバムをみつけて、新譜で即買いしました。
タイトルにもあるように、声優さんが昔のアニメソングをカバーし、それを当時のDJが紹介していくというコンセプトのアルバムです。
このアルバムのトップバッターを飾っているのが、声優ではないはずの佐山聡さんなのです。
CDジャーナルのデータベースによると、
『タイガーマスク』『宇宙戦艦ヤマト』から『アタックNo.1』までズラリと並んだ名作アニメの主題歌集。それをユーロビート風にアレンジし、古谷徹、富沢美智恵らが歌唱して収録。注目はプロレスラー、佐山聡という異色キャスティングだ。歌は一番上手いぞ。
となっています。
翌年が寅年だった
キャスティングの真意は不明ですが、どうもアルバム発売翌年の1998年が、寅年だったために佐山さんが起用されたのではないか?と私は想像しています。
確かに、アルバムが発売された1990年代後半は、日本でもユーロビートは流行っていました。
当時から香ばしい
しかし、この「アニカバー・声優大集合 ノンストップミックス 愛と涙と感動のメモリアル・アニメ・ユーロビート」は、当時からかなり「香ばしい」匂いがしていました。
そのせいか、Amazonの中古価格は2022年9月現在、989円という値段がついていました。
寺内版は
入手困難というわけではなさそうなので、興味をもたれた物好きな方はぜひ聴いてみてください(笑)
なお、三沢タイガーのテーマ曲だった寺内タケシ版「行け!タイガーマスク」は、寺内さんのアルバム以外にも、2022年に発売になった「格闘音楽大全プロレスQリターンズJack」にも収められています。
リマスターされた?
こちらは、以前発売された「格闘音楽大全プロレスQ2」にも収録されています。
音源は同じものですが、心持ち「格闘音楽大全プロレスQリターンズJack」版の方が音質的にクリアな感じに聞こえたため、おそらくリマスターされていると思われます。
入手しやすいのは「リターンズJack」の方なので、こちらも機会があればぜひご一聴ください。