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拗らせた同世代

今回は趣向を変えて、音楽の話でもしてみようと思います。世代的に私は尾崎豊やザ・ブルーハーツがど真ん中にあたり、彼らとは同世代にあたります。

しかし、ブルーハーツはまだしも、尾崎豊は同世代として「不良を拗らせたかっこ悪いオトナ」にしか見えなくて、ずっと敬遠し続けてきました。有名な「15の夜」に出てくるような盗んだバイクで走り出したり、校舎のガラスぶち破ったりするヤカラは、現実にゴマンといましたからね。感覚が麻痺していたとも言えますが、私らより下の世代が彼をカリスマとして祭り上げる感覚がわたしには未だに理解できません。

世代的には上になりますが、長渕剛の歌にも私は「拗らせた感」があって好きにはなれませんでした。ただ、彼のラジオは好きでよく聞いていましたし、ラジオでしゃべる彼は等身大の気のいいにいちゃんという感じでしたので、歌と喋りは別物として受け入れてました。

受け取り方が変わった

尾崎豊の話にもどると、私の中で若いころと今とでは受け取り方がガラリと変わった作品があります。それは「僕が僕であるために」という曲です。

歌詞の中で「正しいもの」がなんなのかわかるまで「勝ち続けなければならない」というフレーズに私はずっと違和感を感じていました。もちろんカウンセラーの勉強をしたあとも違和感は残り続けました。

「〜ねばならない」を「〜したい」にかえるのがカウンセリングでやる主なミッションですが、仮に「勝ちたい」に変えてもやはり別な違和感がでてきます。

正しさというのは、人によっても、変化した先の自分によっても大きく異なるものです。昨日まで信じていた正義が明日には変わるかもしれません。正しさが一つではない限り、正しさを追求し続けていけば行くほど、何が正しくて何が間違いなのか、わからなくなるのではないか?と私は思うわけです。

ですから「正しいものがなんなのか、わかるまで」という状況は、下手すると永遠に続いていく可能性も高いわけです。こんな生き方が果たして楽なんでしょうか?そうまでして勝ち続けていかねばならないものとは何だったのでしょうか?

実は同族嫌悪?

実は最近になって「僕が僕であるために」に感じていた違和感の正体は「同族嫌悪」なんじゃないか?という推論が私の中で生まれてきました。

私にも私が信じている「正しさ」があって、正しさを極めるために勝ち続けなければならないという拗らせ感がたしかにありましたし、そのために尾崎豊とは表現が異なるものの、肩肘張って強くあうとして生きてきました。

冷静に考えたら人間が勝ち続けることなど不可能に近いわけですし、それほど勝ちにこだわらないところは、尾崎豊と私のいちばんの違いではないか?と自分では思っています。

ただ、勝ち続けるのも負け続けるのもシンドイことには違いなく、それを同世代の同性に言われても違和感以上のものを感じなかったのです。

しかし、2000年代になって大きな変化がおこりました。原恵一監督のアニメ映画「カラフル」で「僕が僕であるために」が主題歌になったのです。当然尾崎豊は早逝したため、担当歌手は違う人間になりました。

miwaという女性歌手が歌う「僕が僕であるために」からは、アニメ作品との相乗効果もあったのでしょうけど、尾崎豊が強くこだわっていたであろう、「正しさのために勝ち続ける」違和感が私にはだいぶ薄らいで受け止められました。

「カラフル」には、ブルーハーツの「青空」も使われており、miwaさんの歌声を通してはじめて私は等身大の尾崎豊やブルーハーツに触れた気がしたのです。

尾崎豊もこの世にはおらず、ブルーハーツも解散して久しい今の時代になって、昔受け入れられなかったものが受け入れられるようになれたのは、ある意味幸せなことかもしれません。

〜しなければならない生き方

のちにブルーハーツの楽曲はテレビアニメ「ローリングガールズ」で、代表曲がカバーされますが、これも主人公たちを演じた女性声優さんたちのカバーによって、私の中に落とし込める歌に生まれ変わりました。

今更ながら正しさのために、勝つにしろ負けるにしろ、「〜しなければならない」人生ってキツイだけだったんだな、と思います。

「キツければやめればいい」とあなたは思うかもしれません。しかし、問題しか見えなくて視界が狭まっている状態ではそれすら不可能に思えることだってあるのです。

もっと早くに自分の限界がわかっていたら、もう少し楽に生きられたかもしれないんですけど、今にしてそれがわかったからには、これからの人生が少しでも楽に生きられるようにはしていきたいな、と私は思っているのです。









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