怒り、苦しみ、破壊し、創造する！世界プロレス式コミュニケーションガイド研究所所長の体験談ブログ（32)私が博愛主義をキライな10の理由（2）
2016/10/28
博愛＝平等愛ともいいますね。全人類を平等に愛するというのは一見すると非常に聞こえがいいのですけど、そんなことは基本不可能です。日本語にはいい表現があってこういう人のことを「八方美人」と呼んだりもしますね。そう、八方美人というのは実をいうと本当の友愛や博愛とも違うと思うのです。あなたは博愛主義者でしょうか？それとも八方美人な人でしょうか？ちょっと考えてみてくださいね。
「博愛主義者」と「八方美人」は一見すると両方とも多方面といい関係が築けるようにも見えます。しかし、その動機のところは両者で全く異なります。
博愛主義者とは・・・・
自分の損得を越えて誰にも差別無く愛を注ぐ人で、基本的には奉仕の精神で成り立っています。
一方の八方美人は・・・・
自分の損得のために、ある時は一方の人に、ある時はその反対の人にと、へつらう節操の無い人のことを言います。基本的には利害で動いているわけです。
意味が近い分ごっちゃにされやすいし（私もごっちゃにしてます）、実際勘違いしやすいところではありますが、私はこう考えています。
①一般的な博愛というのはやはり八方美人的な意味合いで使われている
②八方美人には筋が通ってない。
➂基本、博愛はあくまで理想であって現実の行動に落とし込むには無理がありすぎる
ではどういうことかをみていきましょう。
①の博愛と八方美人を混同しているというのは、実をいうと普段それほど違いを意識をしていないもので、どっちがどっちなのかわからなくなることもたびたびあると思います。一時期私も広く人を愛することに憧れていたのですが、それは多分自分が責任をとりたくないという利益をえるための方便だったような気がします。つまりは博愛のつもりで八方美人を演じていたわけですね。実に滑稽な話です。実は人間愛という言葉も博愛同様、結構都合よく使われてるなと思うことがあります。人間愛とは、人間性の尊厳と無限の発展性とを確信し、すべての人間を信じ、尊重し、あたたかく慈しみ優しく思いやり、育むことで、博愛ともとても似てますね。
人間愛とは人と正面から向き合い付き合っていく普遍的な愛の精神で、すべての人間の可能性を信じ尊重しあたたかく慈しみ、優しく思いやり、育むことによって生まれるそうです。すべての人間は伸びる可能性を持っているということ信じることも大切なんだそうです。開かれた人間愛は、誰に対しても成立するので、それは相手がどのような特殊性や障害を抱えていようと、異文化のもとでの理解し難い人であろうと、その一人一人の存在を大事にしようとすることに他ならないそうです。
ですから②の八方美人がそもそも筋が通っていないというのはまさにこの点によるもので、人間愛自体が最初からなくて利害のみで動くからぶれが生じるわけです。筋が通っていないのです。
でもやはり➂で書いたようにそれを理想として自分が実行するにはやはり相当な無理があります。いかにあなたが優れた奉仕の精神を持った方でも、さすがに自分の命を懸けられるかといったら迷いが生じると思います。決してたどり着けないけど、理想として目指すなら落としどころもありますが、博愛精神も行き過ぎたら身を滅ぼします。
博愛精神というと、世界のすべての人の罪を背負って磔になったというキリストが有名ですけど、そんな真似ができるとしたらやっぱ神様しかいないよねとしか私には言いようがありません。でもカウンセラーの道を志す前の私は、この似非博愛主義の八方美人でした。そして今もそういう傾向が非常に強くあります。本当は全ての人に愛など注ぎたくもないし、奉仕の精神など持ち合わせてもいないのです。自分の都合のいい相手を好きになり、都合をあわせられない（つまりは私を好きでない）相手を恨み、そねみ、自分の八方美人を棚に上げて他者を恨むというのがこれまでのパターンでした。当然相手も自分も許せていないので、いちいち愛だの博愛だの奉仕だの貢献だのといった言葉に対して過敏に反応し、反吐が出る感覚を長い間味わってきたのです。
そのくせ理想だけは一人前に高くて、自分があたかも神にでもなれるかのような錯覚をして、自分を厳しく厳しく追い込んでいった結果が、私の現在の姿なわけです。本当は博愛という言葉には罪などありません。それに対して反応している自分に問題があるだけなのです。
