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[心理×びっくり映画] 万国びっくり映画鑑賞記・宇宙戦争ZERO

2016/10/18

DVDのパッケージにある、インディペンデンスデイ+スターシップ・トゥルーパーズ+宇宙戦争という謎の公式に目を奪われてつい購入してしまった。

もちろんそんな要素なんか最初から期待していない。そもそもこのコピー考えた人は「混ぜるな危険」という言葉があるのを知らないのだろうか?

仮にこの公式通りに作られた映画からは地雷臭しかしないと私は思うのだが…

で、実際見てみたら確かに宇宙戦争の要素はあるが、他の二作の要素はほぼない。強いて言うなら西部劇+宇宙戦争かな?

しかし、この公式通りなら意外と斬新かもしれないし、やりようによっては大作にはならないにしても佳作くらいにはなりえる。

そう思って見ていたのだが…

確かに出来は佳作レベルなんだが、全体的に痒いところに手が届いてない感満載な作品だったのだ。

まず、地球人を襲うエイリアンの動機が弱すぎる。目的がウランであり、攻撃意思がなければ人間を襲わないというのは、侵略者としてはあまりに平和的すぎる!

冒頭で凄惨な惨殺しておいて、いざ人間と対峙すればスルーという展開が多々あり、なんだかなあという感じ。

で、エイリアンがウラン目的で来襲しているので、基本登場したはいいが、採掘のためか?すぐ穴掘って地下に潜ってしまう

これで地中からいつ地上の人間が襲われるかわからないスリルを演出すればいいものを、ウランにしか目がないエイリアンはここもスルー!

せっかくエイリアンがウラン鉱石を銃弾の如く早撃ちするという西部劇風味な能力もあまり活かされず、ひたすらエイリアンの潜った穴に、人間がダイナマイトを投げ入れ、個別撃破するという地味な退治の仕方を繰り返すので、エイリアン対人間のバトルによるカタルシスが皆無なのだ。

UFOやエイリアン自体のCGもクオリティが高く、外敵感は半端ないのに、人間を能動的に襲わないという致命的な設定の欠陥が全てを台無しにしている。実にもったいない!

仲間割れ担当の女賞金稼ぎも、ここじゃないタイミングで、賞金首の主人公を裏切ろうとするし、銀行強盗を繰り返して、死刑が確定していた主人公が、不殺主義という設定も無理がありすぎる。

その賞金首が一応生き残り組のリーダー格になるのだが、うまくすれば彼中心にまとまったり争ったりする人間模様でかなり盛り上がれるはずなのに、ここらへんもツメが甘い!

だから、先述の賞金稼ぎが裏切るシーンにしても、特に意味がないため、ちっとも盛り上がらない。

結局誰を相手になぜ闘っているのかという肝心要な部分がボンヤリしているので、エイリアン対人間というシンプルな対立構図が平板なまま進み、緊張感も山場もないまま唐突に話が終わる…。

実にもったいない話である。やりようによっては盛り上がりそうな可能性がある素材をマズイ調理法で、万国びっくり映画にしてしまったとしかいいようがない。

余談だが作中でジュール・ベルヌが引き合いに出されているのだけど、宇宙戦争の原作はHGウェルズなんだよなあ。エイリアンが月から来たという描写もないし、月世界旅行とも特に因果関係は見出せなかったし。

なお、「アルマゲドンシリーズ」同様、さも当然のようにトム・クルーズが出ない「宇宙戦争シリーズ」があるらしいので、是非他の作品もみてみたいと思っている。

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