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200%元気になる心理学的音楽徒然草(4)愛よファラウェイ

今回ご紹介する「愛よファラウェイ」は、葦プロダクション(現:プロダクション リード)が製作し、1985年4月5日から1985年12月27日まで、TBS系列で放送されたアニメ「超獣機神ダンクーガ」の初代オープニング曲でした。 歌い手は当時アニメにも声優として参加していた藤原理恵さん。のちに彼女はCCガールズとしてスター街道を歩みますが、このアイドル時代とCCガールズ時代とでは別人のように声が変わっていて、びっくりしたものです。

ちなみにアニメは放送開始当初は全52話を予定していましたが、商業的に振るわず全38話で打ち切りとなりました。しかし、ファンの熱意ある支持とキャラクター人気に後押しされ多数の続編が作られました。

まあ、ドラマ重視のストーリーの煽りを食らって、主役機であるダンクーガが、物語中盤でやっと初登場したり、予算の関係かスケジュールの都合か?TV本編では武器はほぼ使わず、格闘と突撃しかしてなかったり、メカデザインそのものが「ぶっちゃけビッグモス(獣戦機隊のメカのひとつ)がお面かぶって下駄履いただけ」と揶揄されたり、今考えると「そりゃ打ち切られるよなあ」という要素が揃ってました。

ちなみにこの作品では、ヒロインの歌が物語のキーになっていました。が、それは「ハーモニーラブ」という挿入歌で、「愛よファラウェイ」はほぼ物語の中身とは関係ありませんでした。

多分レコード会社の思惑とも乖離していたんでしょうね。一年の半分を「愛よファラウェイ」で掴んで残り半年では、セカンドシングルの「ほんとのキスをお返しに」で勝負をかけるという感じであったのかもしれません。

しかし、「愛よファラウェイ」はまだしも、「ほんとのキスをお返しに」はお世辞にもシリアスな本編に似合う曲ではなく、しかも打ち切りとアニメ制作の遅れにより、ほんのわずかしか放送では流れませんでした。ファンの間でも一年通しで使われたエンディング曲「バーニングラブ」の方が印象に残ったらしく、こちらの人気は未だ根強いものがあります。

しかし、藤原理恵さんのアイドル時代における稀少曲として、「愛よファラウェイ」はCD化されていますが、「バーニングラブ」はダンクーガのBGM集が限定生産時だけCD化されたのみです。

タイアップが今ほど確立されておらず、またいろんな大人の事情が垣間見えるという点ではやや迷走気味であった80年代を象徴している曲てあったことは間違いないと思います。

余談ですが、藤原さんはイラストも達者でダンクーガのムック本に作品を披露されていますが、そういう才能も今ならさしずめオタク層にアピールできる武器になりえたかもしれません。そういう意味でも時代性に恵まれなかったといえるかな、と私は思います。

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