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[アニメソング] アニメ的音楽徒然草 SILENT SURVIVOR

 北斗の拳は名曲揃い

今更ながら北斗の拳は名曲揃いで、いつか取り上げたいと思いつつ、ズルズル時間ばかり過ぎていったのですが、今回は、その中からいわゆるラオウ編にあたる第四期オープニング、KODOMO BANDの「SILENT SURVIVOR」をご紹介します。

このOPで印象的だったのは、なんといっても冒頭で千葉繁さんのナレーションが入り、北斗七星が輝く夜空をバックに中国風の鎧を着た二人の男がそれぞれ竜と虎に乗って一騎討ちを行うイメージ映像から、黒地をバックに白い明朝体で大きく書かれた「世紀末救世主伝説」の文字が右から左へと流れていき、タイトルロゴが登場するといった大仰なイントロですね。

そこからSILENT SURVIVORのギターイントロにつながっていく流れが、私的には大好きで、歴代「北斗の拳」のOPの中では一番気に入っている所以でもあります。

ラオウ編自体、なんといってもケンシロウとの激闘はアニメ史に残る名シーンだと思っていますし、北斗の拳の中でも一番好きなエピソードがずらっと並んでいるのも個人的にはポイント高いところですね。

SILENT SURVIVORは、2007年にはシングル「SILENT SURVIVOR(21st century ver.)」としてセルフカバーでリリースされていますが、これはCR「北斗の拳」に、SILENT SURVIVORと、アニメのエンディングだった「DRY YOUR TEARS」が起用されヒットしたことによります。

パチンコのヒットは結局、北斗の拳の再アニメ化や、前日譚である「蒼天の拳」のアニメ化にもつながっていくので、これらがなければ、現在まで語り継がれることはなかったでしょう。私個人はパチンコが嫌いですし、新作のアニメ北斗も微妙だったので、この流れはあってもなくてもよかったとは思っています。

 後世に語り継がれた名曲

とはいえ、2008年には『北斗の拳』誕生25周年を記念した企画CD『トランス北斗の拳』で「SILENT SURVIVOR」を桃井はるこさんが、「DRY YOUR TEARS」を今井麻美さんがそれぞれカバーしています。こういう副産物によって、SILENT SURVIVORという名曲が後世に語り継がれたので、悪いことばっかりではなかったのだなとも思っていますけどね。

そもそも、KODOMO BANDと北斗の拳との関わりは「劇場版・北斗の拳」の主題歌である「Purple Eyes」と挿入歌「Heart of Madness」が最初になります。この劇場版を受けて、テレビ版の主題歌を担当することになったのですが、当時「笑っていいとも」のテレフォンショッキングに出演した、ロッカー時代のうじきつよし(KODOMO BANDのヴォーカル)さんが、ケンシロウのフィギュアを前において、さりげなく関係性をアピールしていたのを思い出します。

まあ、この当時「キャッツ・アイ」や「タッチ」などのヒットがあったとはいえ、まだまだ一般アーティストがアニソンを普通に歌うという時代でもなかったですから、うじきさんのこうしたアピールは、私のような当時のヲタク的には嬉しいことには違いありませんでした。

80年代~90年代初頭に活躍したバンドのメンバーは音楽などにとどまらず、タレント業や俳優業にも進出していき、だんだん音楽活動が減っていく傾向にはありました。音楽専業で、時代を乗り越えていくというのはなかなか難しいものです。

KODOMO BANDの場合、うじきさんが後にタレントや司会業、あるいは俳優としてテレビに残ったこともありますが、結果的に北斗の拳も生き残ったことで、セルフカバーも出せたことですし、音楽面でも「生き残った」という点では、まさに「SILENT SURVIVOR」だったんだなと思います。

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