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[映画鑑賞記] 劇場版響け!ユーフォニアム 誓いのフィナーレ

2019/04/20

昨年度の全日本吹奏楽コンクールに出場を果たした北宇治高校吹奏楽部。2年生の黄前久美子は3年生の加部友恵と、4月から新しく入った1年生の指導にあたることになる。全国大会出場校ともあって、多くの1年生が入部するなか、低音パートへやって来たのは4名。一見すると何の問題もなさそうな久石奏。周囲と馴染もうとしない鈴木美玲。そんな美玲と仲良くしたい鈴木さつき。自身のことを語ろうとしない月永求。サンライズフェスティバル、オーディション、そしてコンクール。「全国大会金賞」を目標に掲げる吹奏楽部だけど、問題が次々と勃発して……!? 北宇治高校吹奏楽部、波乱の日々がスタート!(あらすじはアニメハックより)

テレビシリーズの正当な続編

前日に脇見運転で切符切られて凹んでいたため、このまま実家に戻りたくなくて、どこかで断ち切りたく、劇場に足を運んだ。もっとも交通違反しようがしまいが、公開されたら即・観に行くつもりではいたけど、メンズデーに公開合わせてもらえるのはありがたい。

さて、響け!ユーフォニアムの主人公たちも無事二年生に進級し、新たに一年生を迎えて最初のエピソードになる。「リズと青い鳥」がやや番外編的な扱いになっていた。石原監督がサポートにまわり、テレビ版シリーズ演出の山田尚子監督のカラーが十二分に出ていた名作だった。

だから、実質本作がテレビシリーズの正当な続編といっていい。テレビシリーズと同じく石原監督が再登板し、主人公・久美子たちの新たなる物語が、年度替りの四月に、平成が終わるタイミングで公開されるのは感慨深い。テレビシリーズから劇場版まで、追いかけ続けてきた私にとっては、万感の思いでいる。

劇場に入るとメンズデーということもあり、潔いくらい女性客がいない!年齢層は幅広いが、やっぱ京アニ好きそうなメンツがいる感じがする。朝一なのに、スーツ着た人もいたし、こうしてみると我々のように小汚いオタク層って少なくなったもんである。

黄前久美子=中間管理職

さて映画本編だが、主人公・黄前久美子らが進級し、新たなる一年生メンバーを加えての物語である。最下級生から、先輩になる過程が丁寧に描かれている。石原監督がインタビューで「映画の久美子は中間管理職」というコメントをしていたのだが、先輩と後輩の板挟みになる二年生というのは、まさに社会人でいえば中間管理職!言い得て妙な比喩である。

テレビシリーズの一期・二期にあったような人間関係のどろどろした部分ももちろんあるのだけど、どっちかというと爽やか青春路線にいっている感じもする。雨の中で本音をぶちまけたり、夏祭りを楽しんだりといった部分が、意外と今までになかった部分のように私は思う。

一言でいうと「青春だよなあ」ということになるけど、体験したことのない青春の追体験ができるのもフィクションの素晴らしいことろで、「誓いのフィナーレ」はその要素を十分に満たしている。

最高の音響空間を使った贅沢な音楽

TVシリーズのような潤沢な尺がない分、原作の続編を「リズと青い鳥」と「誓いのフィナーレ」に分けたやり方は十分功を奏しているのではないだろうか?山田監督の色で料理された「リズ」と石原監督の味付けで描かれた「誓いのフィナーレ」。それぞれ特色があっていい感じがする。

テレビシリーズ3期という選択ではなく、劇場版2作という形で続編をアニメ化した最大の利点は、映画館ならではの音響にある。映画「幼女戦記」でもそうだったが、劇場という最高の音響空間を使った贅沢な音楽は、特に「響け!ユーフォニアム」のような吹奏楽を扱った作品では特に有効だったと思う。

とはいっても、原作が続く限り映画でもテレビでもいいので完全に映像化できるところは映像化していってほしいと思う。時間がリアルタイムで動いていく以上、黄前久美子もいずれ卒業していくかもしれないが、北宇治高校吹奏学部の物語は、永遠に続いていってほしいとさえ私は思っているのだから。

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