[アニメ感想] 2017年秋アニメ完走分感想文 血界戦線&BEYOND
かつてニューヨークと言われた街は、異界と人界とが交差して一晩で変わり果て、これにより異界ならではの超常日常・超常犯罪が飛び交う「地球上で最も剣呑な緊張地帯」となった街、「ヘルサレムズ・ロット」が構築される。この街は深い霧と超常現象により外界と隔離されているとはいえ、一歩間違えば人界は不可逆の混沌に飲み込まれてしまう。
そんな中、この街のいつ破れるとも知れぬ均衡を守るために秘密裏に活動する者たちがいた。クラウス・V・ラインヘルツ率いる「秘密結社ライブラ」である。彼らはさまざまな能力を駆使し、「血界の眷属(ブラッドブリード)」を筆頭とする異界の住人と日夜戦っていた。
半年前の事件で異界のものに遭遇し、妹が自ら差し出した彼女の視力によって救われた少年、レオナルド・ウォッチ。妹を救うすべを求めてヘルサレムズ・ロットを再訪した彼は、「ライブラ」の新人と間違われたことをきっかけとして、魔神による無差別襲撃事件に巻き込まれる。異界のものから与えられた「神々の義眼」の力で事件を解決し、正式に「ライブラ」の一員に迎えられた彼は、クラウスらとともに様々な事件(あるいは異界ならではの日常)へと挑んでいくのだった。(あらすじはwikipediaより)
一期で監督がオリジナルストーリーに針を振り切りすぎて、すっかりオシャレモードのアニメにされてしまっているが、もともとは原作者曰く「技名を叫んでから殴る漫画」なんで、もっとシンプルでもいいとは思っていた。
二期は一期のストーリーを踏襲しつつ、原作にも寄せてきた感じがした。だいたい1話完結のストーリー進行もテンポが良かったし、最終回はこれまた血界戦線らしいラストに仕上がっていた。
やはり前期から引き継いだ音楽性の高さはアニメ独特の持ち味だと思うし、この作品はそれをささえる楽曲にも非常に恵まれている。
今期は、ユニゾンのオープニングにDAOKO&岡村靖幸のエンディングが神がかっていたのはもちろん、作中の劇伴も素晴らしく、久々にアルバムを買いたくなるくらいクオリティが高いものだった。特にエピソード終盤にエンディング曲である「ステップアップラブ」がながれだすタイミングは、かのシティーハンターの名曲「ゲットワイルド」のイントロが流れ出す高揚感に匹敵する素晴らしさ!
今やエピソードの幕引きにエンディングのイントロをかぶせる演出は当たり前になったが、岡村靖幸はその演出の元祖たる「シティーハンター」でもエンディングテーマであるスーパーガールもてがけており、まさに満を持しての再登板ともいえるだろう。
時代を超えて名エンディングを残したという点で作品数は少ないものの、インパクトと相性という点では、アニメと岡村靖幸の楽曲は意外にも親和性が高いということが、今回の「ステップアップラブ」で証明されたと思う。
やはり、実力あるアーティストというのはタイアップ関係なしに自分の世界を自在に表現しながら、アニメにも寄り添えることを雑作もなくやれてしまう。このエンディングをみるだけでも価値があるとさえ私は思う。
もちろん音楽性の高さだけではなく、非常に完成度の高い作画と、ベテラン勢中心の安定した演技力をほこるキャスト陣が織りなす高いレベルのクオリティをキープし続けていた事実も忘れてはならないだろう。
是非とも原作が続く限りアニメ化を希望したい作品である。