[アニメ感想] 2017年アニメ完走分感想文 メイドインアビス
人類最後の秘境と呼ばれる、未だ底知れぬ巨大な縦穴「アビス」。その大穴の縁に作られた街には、アビスの探検を担う「探窟家」たちが暮らしていた。彼らは命がけの危険と引き換えに、日々の糧や超常の「遺物」、そして未知へのロマンを求め、今日も奈落に挑み続けている。
ヒロインのリコは孤児院で暮らす探窟家見習い。アビスへの憧れが人一倍強い彼女は、母のような偉大な探窟家になることを夢見ていた。ある日の探窟で、リコは謎の存在に生命の危機を救われる。その何者かが放った熱線の跡を辿ると、そこには少年そっくりのロボットが倒れていた。(あらすじはwikipediaより)
今期のダークサイドアニメの最右翼。一見冒険ファンタジー風の絵柄にえげつないストーリーという組み合わせは、魔法少女まどか☆マギカ以来定番にはなっているが、メイドインアビスのえげつなさは、私的にはある意味まどマギとも違う種類の空気を感じていた。
実際これからもっとハードなことがおこりそうな気もしないでもないのだが、一期全12話を見る限りにおいては、まどマギほどハードな感じもしなかったし、冒険譚としても、よくできている作品だったと思う。むしろ絵柄と内容の落差を狙うより、割と正攻法で攻めたのがよかったのかなあと私は思う。
登場するキャラクターの数がそう多くはないので、ひとりひとりをしっかり演出してドラマを作っているのは手堅いなあという印象を受けた。今期のシリアス枠に対する期待を一手に背負って、見事に期待にこたえたことについては大いに称賛したい。一番かなめになっているキャラクターに関しては最近演出面でも目覚ましい活躍をみせている黄瀬和哉さんが担当。リアル系を得意とするベテランアニメーターが、ちょっと毛色の違ったデザインで、作品の柱を作り上げていたことはなにげにポイントだったと思う。
演出面では特に最終12話を一時間にしてしっかり区切りのいいところまで物語を描き切ったあたりは大変良心的だとおもった。へたにオリジナルの最終回を用意するのではなく、「続く」でもいいので、一期のドラマをきちんと終わらせたことは見事だったと思う。今後もし2期があるならぜひこの続きも見てみたいと思わせるラストだったし、同じスタッフが参加するのであれば、ぜひリコとレグ、そして終盤に加わったナナチの冒険譚を見ていきたいなと、私は思っている。