[アニソン] アニメ的音楽徒然草 damageの甘い罠
2017/02/22
今回は「damageの甘い罠」という曲をご紹介します。この曲は映画「ルパン三世DEAD OR ALIVE」という作品のテーマ曲ですね。
ルパン三世といえば大野雄二サウンドというくらい、大野雄二さんのイメージが強い作品ですが、ファーストテレビシリーズを含め、いくつか大野雄二さんが参加されていない作品があります。
この作品もそのひとつで、原作者であるモンキーパンチさん自らが監督されているため、ほかのアニメシリーズとも一線を画す内容になっています。アニメのルパンと原作は絵柄から話からほぼ別物であって、どっちがどうということはないのですが、その幅の広さがかえってルパンの多面性と解釈を生んで、シリーズを息の長いものにしたといってもいいでしょう。
たとえば、原作ではほとんど別人と言ってもいいぐらいキャラが違う銭型警部は、ルパン一味に劣らないほど変装が得意、かつ有能で、性格面もかなりダーティーにえがかれています。 ルパンを殺しても構わないと言い切るほどにクールで、自身も使命のためならいつ死んでも構わないし、ルパンの素顔を暴く事に狂気じみた執念を見せ、本気でルパンを恐れさせているちょっとキチ○イじみたキャラクターになってます。
原作「新・ルパン三世」最終回ではなんとルパン一味を爆弾で皆殺しにしていますしね（一応生死はあいまいになっています）。
この「DEAD OR ARIVE」でも原作版同様の切れ者で、ルパンの計画を見破ってスパイであるオーリエンダーを送り込んだり、自分を捕えようとする将軍の部下を易々と倒したり、「ルパンある所銭形あり」と言い切るなど、「カリオストロの城」版以上に有能に描写されている(ただし、ルパンに裏をかかれて逃げられています)ので、このバージョンの銭型警部を支持するファン層も一定数いるのです。私もそうですね。「とっつぁん」というのはどうもライトすぎて好きではないです。
さて、この「DEAD OR ALIVE」ですが、山田康雄の死去やライブ活動の多忙を理由に、本作および同年の『ルパン三世 トワイライト☆ジェミニの秘密』を大野さんが降板したため、代わって根岸貴幸さんがこの2作の音楽を担当しています。 「DEAD OR ALIVE」のサントラ盤にはかのルパン三世のテーマの根岸版（「 ルパン三世~THEME FROM LUPIN3」通称96バージョン）が収録されていますが、本編では未使用となってます。
それゆえ、このテーマ曲とも相まってルパン三世の中では最も原作よりな作品でありながら、アニメ版ルパンとしては異質な作品になっています。原作よりになって異質とかいわれるのも心外かもしれないのですが、それだけアニメのルパンのイメージが一般的には強いということなんでしょうね。
