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[映画鑑賞記] 劇場版SHIROBAKO

2020/03/02

シロバコとは映像業界で使われる白い箱に入ったビデオテープの事であり、ひとつの作品が完成した際に制作者が最初に手にする事ができる成果物である。

清濁あわせのむアニメーション業界の日常、実情、実態を時に柔らかく時に厳しく、赤裸々に描いたテレビアニメーション作品『SHIROBAKO』。

クリエイティブな仕事ゆえに起こる葛藤や挫折、集団で作るからこそ起こる結束や衝突。生み出す苦しみ、万策尽きたスケジュール、その先にある何ものにも代え難い解放と充足、からの突きつけられる理想と現実のギャップに傷ついたり、絶望したり……。しかし自分たちの想い描く夢を実現するため、そして昨日の自分よりも少しでも前に進むために、アニメーション制作に真正面から向き合う魅力的なキャラクターたちの姿、そしてそのキャラクターたちが織り成す群像劇は、老若男女、世代を超えて多くの人たちの共感を呼び話題となった。変な話、業界内でも。

そしてついに、続編を望む多くの声に応え舞台をスクリーンに移して、待望の新作・劇場版『SHIROBAKO』の幕があがる!(あらすじは公式HPより)

災い転じて福となす

TVシリーズが好きで映画化の話を聞いた時から楽しみにしていた作品。当初は映画の日=公開2日目の日曜日ということもあり、製作サイドもかき入れを期待していたはず…だが、スケジュール面ではなく、コロナウィルスで万策尽きよう?とは誰も想像していなかっただろう。

私は日曜日の初回上映(朝9時)に観に行ったが、平日のメンズデー並みには観客がいたのでまずはほっとした。SHIROBAKOほどのタイトルになれば、2日目でも入場者特典はおろか、パンフも売り切れという予想もしていたので、これは私的には災い転じて福となす、といったところ。

介護生活でキツキツの生活している身としては、外出自粛の流れは理解しつつも、どうしても心に潤いが欲しかったというのがある。ましてやSHIROBAKOは待ちに待ったTVシリーズからの正当続編。これを見逃す選択は私には出来なかった。

エンタメと呼ぶにふさわしい

という感じで、私の期待値はかなり高かったわけだが、実際見てみたら期待以上とも言える出来で満足な作品だった。

まず最初の掴みでガッチリとやられ、そしてそこからグイグイとSHIROBAKOの世界に引き込まれていく。このあたりは、TVシリーズから続投している脚本・横手美智子×監督・水島努コンビの本領発揮といったところ。

物語は、「これからどうなる!?」という先が気になる展開のワクワクと、「こうなって欲しい!」という気持ちにピタリとハマる展開の気持ち良さ、さらに「え?こうなるの?」という予想外な展開の驚きや面白さに溢れている、まさにエンターテインメントと呼ぶにふさわしい仕上がりになっていた。

キャラクターの成長物語

TVシリーズを楽しめたのならまず間違いなくお薦めできる作品だろう。たしかにTVシリーズからみてないと、登場人物の関係やそこに至るまでの経緯等が掴みにくい箇所はあるが、劇場版から興味を持って、TVシリーズを見直しても問題はないだろう。

SHIROBAKOはアニメ製作を通じたキャラクターの成長物語でもある。キャラクターごとに成長の度合いは違うものの、一歩でも半歩でも進んでいこうという姿には胸を打たれるものがある。

5年ぶりとは思えないくらい、瞬時に世界観に溶け込んでいけたのは、自分としては懐かしくもあり、嬉しくもあった。できるなら次回は二期でお目にかかりたいものである。

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