自虐的パフォーマンス
今回はプロレスの枠を超えた前代未聞ともいうべきファイトスタイルで幅広い支持を得ているサブゥー選手のお話です。
サブゥー選手は日本マット界で大悪党として活躍した”アラビアの怪人” ザ・シークさんの実の甥です。そのザ・シークさんのコーチを受けて、1985年にプロレス入りを果たします。そしてシークさんがFMWと接点が出来たため、1991年11月、タッグリーグ戦でのシークのパートナーとして初来日。
以降日本ではFMWのリングを主戦場として、机や椅子を使った全力のラフファイト、自爆も厭わない「自虐的パフォーマンス」が話題を呼びました。
インディーの帝王へ
海外では、1993年10月、ECW世界ヘビー級王座を獲得。同年11月にはテリー・ファンクからTV王座も奪取し、二冠王者となっています。1994年7月には、初代NWAインディペンデント世界ヘビー級王座を獲得。以降もさまざまなインディー団体を荒らしまくり「インディーの帝王」的な存在にまでのし上がっていきます。
そのインディー団体での名声を受け、WCW、WWF、新日本プロレス、全日本プロレスなどのメジャー団体にも参戦しましたが、本人は大所帯の一員になるよりも小さな団体の救世主になることを望み、これらへの参戦はごく短期間に終わっています。
しかし1995年には金本浩二を破り第24代IWGPジュニアヘビー級王者となるなど実績も残しています。
闘病から現在まで
2004年、全身の骨や筋肉に正体不明のウイルスが感染し、長期欠場を余儀なくされます。懸命のリハビリを経て2005年に復帰を果たし、WWEが開催したECWワン・ナイト・スタンドに登場。
WWEがECWを復活させることに伴い、2006年4月にWWEと契約。同団体所属となり、以降はECWオリジナルズの一員として活動しました。
サブゥー選手はルチャ&ハードコアというアメリカのインディー団体の軽量級選手によく見られるファイトスタイルの先駆者であり、自爆すらも得意とし、プロレスでしか表現できないその奇想天外なスタイルは高い評価を受けています。今もなお世界のインディ団体にて活躍しています。