カードカウンセリングレポート(1) 2017年2月27日月曜日
2017/03/06
今回から自分の仕事の振り返りとして、自分がやったカウンセリングの振り返りを記録していこうと思います。
*カードカウンセリングの流れ*
・用意されたカードをクライエントに8枚ひいてもらう。
・カードに書かれた質問をカウンセラーが読みあげて、その質問にクライエントが答えてもらう。
・質問が終わったカードはクライエントの前において、新しいカードをクライエントに一枚ひいてもらう(この時カードは裏返しにしておく。クライエントもカウンセラーも次に出てくる質問が何なのかはわからない)。
・これを繰り返して、キリのいいところまで続ける。
という形になっています。カウンセラーはクライエントによって出されたカード以外は基本触りません。質問を選ぶのはカウンセラーですが、これはあまり深く考えず無意識に任せていきます。
[カウンセリングレポートNo.1]
クライエントが解決したい課題
「自分がやりたいことを3つ同時にやりたい」
ストレス値:1
自己効力感:10
モチベーション:10
所要時間:2時間
上のストレス値というのは、目的や問題に対してどれだけプレッシャーやストレスを感じているかを1~10の値でクライエントさんにいってもらいます。解決したい課題は、セッション上言っても言わなくても支障はないのですが、ストレス値と、自分が「解決できそうだ」と思う自己効力感と、問題や目的に取り組むモチベーションもそれぞれ値をきいていきます。セッション終了後、もう一度数値を聞いて変化を確かめます。
さて、このクライエントさんの場合、問題に対してストレスはほとんど感じておらず、自己効力感もモチベーションもマックスという答えでした。しかしこれでは何を解決したいのかよくわかりません。そこで、更に深く突っ込んだところ「全ての目的を同時に達成するための具体的な方法を見つけ出したい」ということになりました。
そこで改めて3つの数値をきいていくと・・・
ストレス・・・10
自己効力感・・・1
モチベーション・・・10
という結果になりました。
これによってストレス値を下げて、自己効力感をあげるゴールに向かって、セッションに入りました。
[セッションのダイジェスト]
クライエントが自分でできること・・・行動力・それによって支援者を探せるフットワーク
クライエントの懸念・・・・家族の理解が得られるかどうか
通常はできることにフォーカスをあてるのですが、カウンセリングなんであえて、懸念から当たっていきました。この方がやりたいことにはコミュニケーションに関するお仕事が含まれていました。ですが、肝心の家族とのコミュニケーション不全を放置したままにしていたことが明らかになりました。この件では私個人として大変耳の痛い話ではありましたが、とりあえず続けてみました。
その結果、家族とのコミュケーションをとることという「裏の目的」が浮上してきました。ここを解決するためにクライエントさんが思いついたアイディアは
「パートナーの友人や上司を介して、自分の理想を伝えてもらう」というものでした。
しかしカウンセラー的にはクライエントさんもパートナーさんもお互いの信念を変えようとしている点が気になりました。要はお互いが相手を自分の思うように変えようとしているので、コミュニケーション以前の問題だったのです。そこで、「相手や自分の信念は変えられないけど緩めることはできる」ことを話してさらにセッションを続けました。
結果、自分がやりたいという3つのうち、クライエントさんは支出の発生する二件を熱意をこめて説明はしていたけれど、収入源として考えているコミュニケーションのお仕事のことは殆ど家族に説明していなかったことが判明しました。これではパートナーが「自分や家庭をほったらかすのではないか、クライエントを試している」(「」内はクライエントの言葉)ように見えても仕方なかったということになりました。
ではなぜ家族に仕事の説明をできなかったのか。それは自分がやろうとしていることにも関わらず、お金を取るお仕事に自信をもてていなかったということが原因として浮上してきました。
そこで、自分の仕事に対しての裏付けになるものとしてクライエントさんが出してきたのが
「データをとる」
「仕事のことをもっと発信していく」
「コミュニケーションスキルを使ってパートナーとのコミュニケーションを改善する」
という3つの選択肢が出てきました。
実は当初の課題としてクライエントさんが上げた「具体的な方法」というのは「収入源である仕事」のことであり、その具体案を自分で示せていなかったのですね。しかしカードに書かれた質問に答えることで、自分の考えが整理され、自らが解決策を引き出しました。
とりあえず、この3つの選択肢を実行し、仕事の部分に対して力を注ぐことで、3つの目標を同時に達成する方向にもっていけそうだ、という感覚をクライエントさんがもったことでこのセッションは終了しました。
[セッション終了後]
ストレス値:10→2へ
自己効力感:1→8へ
モチベーション:10→8へ
という風に数値が変化しました。モチベーションについては「実は自分が頑張りすぎていた」というクライエントさんの気づきによって、「10頑張らなくてもいいや」という感覚をご本人が手に入れたため、モチベーションは「ほどよく」なったという形でおさまりました。
*まとめ*
カードに書かれた質問は、カウンセラーもクライエントも何がでてくるかは全くわかりません。ところが面白いもので、クライエントが必要とする質問をクライエント自身が引き出していくので、8枚用意されたカードにはある種傾向がでてきます。それを第三者の視点で、着地点にガイドしていくのがカウンセラーの役割です。ですから、質問を読み上げる方も何が起こるかわからないので、非常にワクワクするんですね。
ちなみに私はなるべく発言された言葉を書き留めてクライエントさん自身に渡すというやり方をとっています。こうすることで、自分が発言したことをあとで振り返ってもらうためです。細かいやりとりは覚えてなくても私はさほど困りませんので、だいたいの流れをつかめていたらOKとしています。もちろん記録に残すことに関してはご本人の許可をとってますし、個人情報にあたる部分は全てぼかしています。